パリ〜ニース2020 第1ステージシャフマンが小集団スプリントを制して優勝 雨と風のレースを制す

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 2020年のUCIワールドツアー第6戦「パリ〜ニース」が3月8日、フランスで開幕した。新型肺炎の影響で欠場チームが続出、例年とは全く違う状況で行われたレースの第1ステージは、マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が勝利を手にした。勝負は終盤に出来た4人の先頭による小集団スプリントに。その争いを冷静な走りで制した。

ドイツチャンピオンに相応しい走りで優勝したシャフマン Photo: Yuzuru SUNADA

新型肺炎の影響で欠場チームが続出

 本来、UCIワールドチームはUCIワールドツアーへの出場義務がある。

地元ファンを沸かせたアラフィリップ Photo: Yuzuru SUNADA

 ただ、新型肺炎の影響で、ミッチェルトン・スコット、アスタナプロチーム、UAE・チームエミレーツ、CCCチーム、ユンボ・ヴィスマが欠場。また、チーム イネオスはニコ・ポルタル監督の急死とこの新型肺炎を考慮し欠場の道を選んだ(なお、UCIは3月5日、正当な理由があった上でUCIに報告をすれば欠場してもペナルティを課さないことを発表した)。これを受けて主催者はサーカス・ワンティ・ゴベールとB&Bホテルズ・ヴィタルコンセプトを追加で招集。また、1チームの出場人数を7人から8人に変更する措置を取った。

 混乱の中で開幕したパリ~ニース。出場を選んだチーム、選手としては是が非にでも結果を手にしたいだろう。第1ステージはプレズィール発着の154kmのコース。ポイントとなるのは終盤の3級山岳だ。パンチャーにも有利なコースで、小集団スプリント争いが予想された。

風と雨がレースをハードにする

 スタート後逃げたのは、ジョナタン・イヴェール(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)とロマン・コンボー(フランス、NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス)。メイン集団はこの逃げを早々に容認し、タイム差3分程に保ちながらレースを進めていく。

有力選手も含んだ16人の逃げ Photo: Yuzuru SUNADA

 協調した2人はペースよく先行。だが、残り83kmで捕まってしまう。強い追い風がメイン集団のスピードを速めたのだ。その後もこの風はレースを難しくする。強さはそのままに向かい風、横風となり、さらには雨が降り始めたことで集団はナーバスになる。

 途中、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、ニキ・テルプストラ(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)、ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)らが巻き込まれる落車も発生した。

 前方にいた方が有利と考えたのか集団は活性化。ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)、フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)、ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)、ティシュ・ベノート (ベルギー、チーム サンウェブ)を含む16人が抜け出す。有力選手たちの早い動きが、このレースの難しさを物語る。

決戦は小集団スプリントに

 残り約28km、スプリントポイントを取りにアラフィリップが先行。ポイントを取った後もペースを緩めず前に行く。その動きにベノートが反応し先頭はこの2人となった。タイム差は約30秒。約15km地点のスプリントポイントもこの2人で通過した。一方、この頃、メイン集団はバーレーン・マクラーレンが牽引していた。

終盤の攻防。多くのサイクルロードレースファンが見守る Photo: Yuzuru SUNADA

 10kmを切ってもタイム差は30秒前後のまま。約3kmに設定された山岳ポイントも2人で通過する。優勝争いは2人の一騎打ちも考えられた。だが、そこに待ったをかけたのがディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・マクラーレン)。メイン集団を牽引していたチームメートの働きに応えるかのように前を追う。また、シャフマンもその動きに反応。先頭は4人になる。

 2.3km、シャフマンが早くも勝負を仕掛る。だが、3人もそれは許さない。1.3km地点では再び4人となる。直後の1km、その隙を突かんとばかりにベノートが仕掛ける。もちろん、残りの3人もそれに続く。

 それぞれ仕掛けどころをうかがうが、4人は数々の勝負をしてきたレース巧者。嗅覚に差はないはずだ。となると、重要なのは、どれほど足を溜められているかだ。やはりこの雨と風の中で逃げ続けていたアラフィリップとベノートには分が悪かった。

 ゴール前、トゥーンスが先頭に躍り出てリード。このままゴールラインを駆け抜けるかと思われた。だが、そこに待ったをかけたのがシャフマンだった。この時の為に脚を溜めていたといわんばかりの力でペダルを踏み、トゥーンスを交わしゴール。見事勝利を手に入れた。

パリ~ニース初参戦で初優勝をしたシャフマン Photo: Yuzuru SUNADA

 翌日の第2ステージはシュヴルーズからシャレット=シュル=ロワンまでの166.5km。スプリンターによる争いが予想される。だが、初日のような風が選手を襲えば思わぬ展開が待っているかもしれない。

第1ステージ結果
1 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 3時間32分19秒
2 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・マクラーレン) +0秒
3 ティシュ・ベノート (ベルギー、チーム サンウェブ)
4 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) +3秒
5 ケース・ボル (オランダ、チーム サンウェブ) +15秒
6 ニルス・ポリッツ(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション)
7 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング)
8 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング)
9 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
10 イヴ・ランパールト(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)

個人総合
1 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 3時間32分19秒
2 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・マクラーレン) +0秒
3 ティシュ・ベノート (ベルギー、チーム サンウェブ)
4 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) +3秒
5 ケース・ボル (オランダ、チーム サンウェブ) +15秒
6 ニルス・ポリッツ(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション)
7 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング)
8 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング)
9 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
10 イヴ・ランパールト(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)

ポイント賞
1 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 15 pts
2 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 13 pts
3 ティシュ・ベノート (ベルギー、チーム サンウェブ) 13 pts

山岳賞
1 ジョナタン・イヴェール(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) 8 pts
2 ティシュ・ベノート (ベルギー、チーム サンウェブ) 4 pts
3 ドリス・ファンゲステル(ベルギー、トタル・ディレクトエネルジー) 3 pts

新人賞
1 ケース・ボル (オランダ、チーム サンウェブ) 3時間32分34秒
2 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) +0秒
3 カスパー・アスグリーン(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)

チーム総合
1 チーム サンウェブ 10時間37分27秒
2 ドゥクーニンク・クイックステップ +3秒
3 ボーラ・ハンスグローエ +15秒

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