新たなMTBトレイルやスキルパークが登場自転車好きに魅力のスポットが多数誕生 東京五輪で静岡東部がますますホットなエリアに 

by 大澤昌弘 / Masahiro OSAWA
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 自転車好きにとって、今、ホットなエリアは静岡県東部だ。東京五輪のロードレース、MTB、トラック競技の開催を控え、魅力的なスポットが続々と誕生しているからだ。サイクリスト編集部は2月末に静岡県東部地域スポーツ産業振興協議会(E-spo「イースポ」)が開催したファムトリップツアーに参加。MTBトレイル、MTBスキルパークほか、e-BIKEガイドツアーに参加し、静岡の魅力を体感してきた。

マウンテンバイクからe-BIKEまで様々な自転車の楽しみが静岡東部には誕生している Photo: Masahiro OSAWA

送電線の巡視路を走るMTBトレイル

東京電力の送電線の巡視路を活用したMTBトレイル「フジヤマ・パワーライン・トレイル」が4月にオープン Photo: Masahiro OSAWA

 静岡県富士市にあるMTBトレイル「FUJIYAMA POWER-line Trail(フジヤマ・パワーライン・トレイル)」が今年4月にオープンする。運営するのは東京電力パワーグリッド静岡総支社。同社が地域活性化に向けた事業アイデアを出していくなかで、MTB好きの若手社員が送電線の巡視路の活用を発案、事業化までこぎつけた。

 整備に1年ほどかけて完成したMTBトレイルは全長7km。要所要所に急勾配の上りと下りが登場し、走りごたえは十分だ。技量が問われる中上級者向けの道が続く。取材当日はあいにくの雨模様だったが、コース途中には富士山、駿河湾のビューポイントもあり、晴れれば絶景を楽しむこともできそうだ。 利用料金は1人1日4000円を予定する。同社担当者は同社ウェブサイトより申し込みが可能。

トレイルは中上級者が対象。急勾配に悲鳴に似た声をあげながらもツアーは盛り上がった Photo: Masahiro OSAWA
反響次第でさらに13km延長することも検討していくという Photo: Masahiro OSAWA

沼津にMTBスキルパークが誕生

 MTBを始めたい。始めてからまだ日が浅い。そんな人は、昨年末、沼津市に誕生したMTBスキルパークの「DK FREE RIDE MOUNTAIN BIKE LOGIC」(DKフリーライド・マウンテンバイク・ロジック)がお薦めだ。プロライダーの高橋大喜氏が運営するスキルパークで、MTBに必要な動作の反復練習が行える。

プロライダーの高橋大喜氏 Photo: Masahiro OSAWA

 ジャンプができるテーブルトップエリア、バイクを倒しこむ感覚を得るためのコーナーリングエリア、縦横斜めの動きを楽しんで身に着けるパンプエリアなどがある。さらにはアクロバティックな走りが楽しめる日本で唯一のエアバッグ施設も備えている。

高橋氏からは段階的にアドバイスを教授 Photo: Masahiro OSAWA
パンプエリアでは多くの参加者が急激な上達を見せていた Photo: Masahiro OSAWA

 もし行くならば、高橋氏の指導を受けることをお薦めしたい。取材当日は高橋氏の指導のもと、どうすればパンプエリアで推進力が得られるのか、どうすれば上手にコーナーリングできるのか、どうすればジャンプができるようになるのか、など、ポイントをわかりやすく段階的に教授してくれた。 上達していくのは素直に楽しい 。回数をこなすたびに別の参加者のスキルが上達していく様子も見て取れた。

ジャンプを練習するテーブルトップエリアでのデモンストレーション。高く飛びポーズも決める高橋氏 Photo: Masahiro OSAWA
エアバッグを活用したライドが楽しめるのは、日本では唯一ここだけだという Photo: Masahiro OSAWA

 スキルパーク走行料は3000円、エアバッグ利用料は2000円。スキルパークとエアバッグのセット料金は4000円(すべて税込価格)。高橋氏の指導が受けられる定例クリニックやプライベートクリニックなど詳細はホームページで確認してほしい。

e-BIKEツアーもあるサイクリストフレンドリーな宿

 伊豆の国市の伊豆長岡温泉にある「コナステイ伊豆長岡」をご存知だろうか。古い温泉旅館をフルリノベーションしたサイクリストフレンドリーな宿で昨年3月にオープンした。客室内に自転車専用の置き場所があり、部屋に自転車を持ち込めたり、館内には自転車パーツの自動販売機があったり、ズイフトを楽しむスペースも用意されていたりする。自転車洗浄サービスも提供するなど、サイクリストを意識した宿なのだ。

コナステイ伊豆長岡の入り口。奥には立ち寄り湯を利用する人向けのサイクルラック Photo: Masahiro OSAWA
レンタルバイクにはe-BIKEやクロスバイクなど様々な車種をそろえる Photo: Masahiro OSAWA

 ロードバイク、クロスバイク、e-BIKEのレンタルもでき、コナステイ発のサイクルツアーも用意している。取材当日は、チームブリヂストンサイクリングに昨年まで所属していた元プロ選手、平塚吉光さんをガイド役に沼津港までのサイクルツアーに参加。狩野川沿いの牧歌的な道をゆったりと走行。天候に恵まれず、富士山の山頂は見えなかったが、裾野の広がりが、富士山の大きさ想像させる。

ガイドを務めた平塚吉光さん(写真左)ら Photo: Masahiro OSAWA
狩野川沿いをゆったりと走行。遠くに見える山の稜線は箱根に通じているという Photo: Masahiro OSAWA

 小一時間、ゆったりとしたサイクリングペースでサイクリングを楽しみ、沼津港に到着。道中は、ロードバイクでは悶えそうな坂もe-BIKEなら難なくこなしてくれた。軽い運動をした後に、沼津港で食べる海鮮丼のおいしさは格別。この日は計40km弱のサイクリングを楽しんだ。

沼津港の繁華街を行くe-BIKEツアー参加者たち Photo: Masahiro OSAWA
沼津港の人気店、双葉寿司で海鮮丼 Photo: Masahiro OSAWA

 かねてより、静岡県東部には何度も足を運んでいるが、山あり、海あり、様々なサイクリングルートが描けるのが魅力だ。e-BIKEを活用すれば、誰とでも、どんな道のりでも、特別な体験できるだろう。

情報発信に力を入れる静岡県

 静岡県東部のみならず、静岡県には様々なサイクリングルートがある。静岡県では東京五輪を機に“サイクルスポーツの聖地”を目指しており、様々な取り組みを進めている。

静岡県では富士山1周ルート、浜名湖1周ルート、伊豆半島1周ルート、 千葉県から和歌山県に至る1400kmの太平洋岸自転車道(うち静岡県は約470kmが該当) を県モデルルートとして設定 Photo: Masahiro OSAWA

 静岡県では、富士山1周ルート、浜名湖1周ルート、伊豆半島1周ルート、 千葉県から和歌山県に至る1400kmの太平洋岸自転車道(うち静岡県は約470kmが該当) を県モデルルートとして設定。太平洋岸自転車道についてはナショナルサイクルルートとしての指定を図るため、2020年12月までに自転車道の整備を完了させるなど、取り組みを進めている。情報発信にも力を入れており、 静岡県観光協会が運営する「Hello Navi Shizuoka」では県内のサイクリングルートも紹介している。

「FULGAZ」アプリをスマートトレーナーと接続することで、実走感のあるサイクリングが可能。写真は静岡県内のサイクリングルートの走行体験の様子 Photo: Masahiro OSAWA

 静岡県ではさらに、インバウンド需要の増大に向けた取り組みも行っている。それがスマートフォンアプリ「FULGAZ」の活用だ。同アプリはスマートローラーと連携を図ることで、4K解像度で撮影したサイクリングルートのバーチャル走行体験ができるというものだ。静岡県は富士山周辺コース、浜名湖コースなど5つのサイクリングコースをアプリにアップロード。全世界の人たちが静岡県のサイクリングルートをバーチャル体験可能にした。さらに、FULGAZを活用したプロモーションを1月に豪州で行ったところ、反応は上々だという。

◇         ◇

 本稿では、足元1年で静岡県に誕生したスポットを中心に紹介したが、走行環境の整備、サイクリングガイドの育成などソフト・ハードの両面から多様な取り組みが進められている。東京五輪関連では、開催以後もレガシー大会の創出に向けた取り組みがすでに進んでいたり、MTB関連では日本サイクルスポーツセンターを拠点として林道や河川敷を開発し、初級者から上級者まで楽しめるフィールド構想もあるようだ。調べれば調べるほど、「サイクルスポーツの聖地」の実現に向かっていることがわかる。構想段階のものも含めて、ひとつひとつ実現化していくことを願いたい。

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