バイクインプレッション2020前後サスペンションが実現する極上のグラベルライド ナイナー「MCR9」

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 オフロード向けのバイクやアクセサリーを世に送り出しているナイナー。未舗装路を知り尽くしたメーカーが放つグラベルロードの新作「MCR9」には前後のサスペンションが装備されている。マジックカーペットライドと称される快適性と、走行性能を実走で確かめた。

ナイナーの新しいグラベルロード「MCR9」 Photo: Masami SATOU

 「グラベル」というジャンルは、国内既存のオフロード系イベント内でもカテゴリーが新たに設けられたり、海外の有名イベントが輸入されるなど注目を集めている。それに伴い、自転車ブランド各社はグラベルロードを続々と発表。シマノのグラベルバイクに最適なコンポーネント「GRX」で組まれたり、ブロックタイヤや各種アクセサリーが装備できる設計にするなど、特色あるバイクがリリースされている。ただ、“グラベルロードの基準はこれだ”という決まりはない。

リアには「X-FUSION MICROLITE RL 50mm」のサスペンション Photo: Masami SATOU

 そんな中、ナイナーから発表された新作、MCR9は非常にユニークなスペックを持ったバイクだ。フロントにはFOX「32SC FLOAT AX 40mm」を装備し、リアには「X-FUSION MICROLITE RL 50mm」が装着。前後にサスペンションが設けられたグラベルロードなのだ。フレームで衝撃を吸収する機構を備えたグラベルロードは存在していたが、サスペンションを搭載したモデルはナイナーならではと言えるだろう。

 一見するとMTBのような風貌だが、メーカー側はあくまでグラベルロードバイクと主張する。大きな落差を越えるための前後サスペンションではなく、あくまでグラベルロードを快適に走るための装備だという。

フロントにはオリジナルのFOX「32SC FLOAT AX 40mm」を装備 Photo: Masami SATOU
バッグなどのアクセサリーを搭載するダボ穴も用意 Photo: Masami SATOU

 まずは舗装路から試してみた。フロント40mm、リア50mmというトラベル量だが、奇麗な路面だと必要ないのでロックアウトして走り出す。リンク以外フルカーボン製のフレームは持って軽いとは思ったが、乗っても軽快。軽い上り坂でもサクサクと進む。振りも軽いし、取り回しも楽々。フルサスでもこんなに軽いのか、とMTB事情に疎い筆者も感心した。

未舗装路ビギナーこそ試したい前後サス

 疎いのは知識だけでなく、技術も同様だ。ロード一本で走ってきたので、たまに訪れる未舗装路でのライドは冷や汗をかくことが頻繁にある。こうしたロード乗りって意外に多いのではないだろうか。

お世辞抜きで快適性は随一。未舗装路が苦手なサイクリストも自信を持って乗れるだろう Photo: Masami SATOU

 筆者もオフロード上級者から見れば素人だし、走りに自信はないのだが、MCR9のサスペンションには心底感動した。凹凸のあるあぜ道に突っ込んでみたると、路面の突き上げを吸収しつつ、常にタイヤが地面を掴んでくれる。安心感が半端じゃない。接地感に優れているので、コントロールもしやすい。 何なら全てのグラベルロードに前後サスペンションをつけて欲しいと思った。速さは二の次として、安心感があるのでグラベルロードを純粋に楽しめる。

 車体にはダボ穴も用意されているし、拡張性も十分ある。未舗装路を走るだけでなく、快適性と走りの軽さを生かしてランドナーのようにツーリング車両としても幅広く活躍できそうだ。とにかく新感覚のバイクだったので、試乗会などで乗れるチャンスがあったら是非試していただきたい1台だ。

松尾修作松尾修作

サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。

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