title banner

旅サイクリスト昼間岳の地球走行録<49>技術の進歩が変えた“魅せ方” 海外ツーリングのカメラと自撮り方法の変遷

by 昼間岳 / Gaku HIRUMA
  • 一覧

 海外ツーリングにおいてどんなカメラを持って行くかは、非常に悩ましかった。実際僕も旅行中に数台カメラを変えた。2009年に世界一周に出発した当時、一番初めに持っていたのが、今では信じられないがフィルム式の一眼レフカメラ(フィルムカメラ)だった。 もちろんその時もデジカメが圧倒的多数だったが、当時の僕は「旅と言えばフィルムだろう」と意気込んで、フィルムカメラを持って出発した。

東南アジアのゴールに定めたタイのバンコク、カオサンロード。自撮り棒で手軽に撮る Photo: Gaku HIRUMA

フィルムカメラからコンデジへ

 しかし重たくてフィルムはかさばるし、全く長期旅行向きではなかった。そう思い始めたのはSNSやブログといったインターネットツールの活用が多くなってからだ。

 そんなことで早々にフィルムカメラを日本へ送り返し、現地の大型スーパーの家電コーナーでコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)を買った。ありがたいことにニコンやキヤノンなど、日本メーカーのコンデジも当たり前に売っていたので、英語が苦手な僕もすぐにカメラの言語を日本語に変えて使うことができた。その後中米のパナマで強盗にあったり、もっと高性能のカメラを欲しくなって、4台ほど買い替えた。

コンパクトデジタルカメラで撮った写真。ボリビア・ラパス。近所の食堂に行くだけでも撮りたいものがあったりする Photo: Gaku HIRUMA

 コンデジの良い点は、いわずもがな軽くて小さくて気軽に使えることだ。走行中はもちろん、宿の近くのご飯屋さんに行くだけでも、撮りたい風景やネタが転がっているのが海外だ。ズボンのポケットにも入る小さなカメラはかなり魅力的だった。

 ただ「やはりきれいな写真で残したい」「アフリカの野生動物をしっかり撮りたい」という想いから、一時帰国の際に意を決してデジタル一眼レフカメラ(デジイチ)のキヤノン「EOS Kiss X6i」の標準望遠レンズ18-135mmセットを購入した。

ズームレンズは重たかったが、野生動物や風景もきれいに撮れたので重量には目をつぶり頑張って持ち運んだ Photo: Gaku HIRUMA

 ズームレンズはかなりの重さがあったが、圧倒される風景の前では、自転車に乗りながら適当にシャッターを切るだけで絵になり、野生動物もしっかり撮れたので大満足だった。

 ハンドルバッグに緩衝材を入れ、カメラにレンズカバーを付けて自転車に乗りながら片手で取り出してシャッターを切れるようにした。

魅せ方の可能性を広げたアクションカメラ

 しばらくはデジイチとコンデジの2台持ちだったが、きれいに撮れるデジイチを使っていると、段々とコンデジは使わなくなっていった。そして良い風景があるとそれを背景に自転車と一緒に写真を撮りたくなる。

 僕の場合は、初めは自転車と風景を撮って満足していたが、次第に自転車を乗っているときの写真も撮ってみたくなってくる。ただ重量級の自転車を操りながらだと、これがなかなか難しい。

 手っ取り早いのは誰かと一緒に走り、お互いに走行中の写真を撮り合い、後でシェアするというものだが、なかなかそうタイミング良くは行かないことが多いし、走行しながらカメラを撮る人は多くない。

パートナーがいれば、こんなに離れた写真も自由に撮れるが、個人で走っていると走行している写真を収めるのはなかなか難しい Photo: Gaku HIRUMA

 その他はリモコンを使ったり、設定した秒数で繰り返し撮影できるタイムラプス機能を使って撮ったりしたが、どちらも一度カメラをセットし、戻って撮影して確認する作業を繰り返すので非常に手間がかかる。

 そういうこともあり、旅の終盤では僕もアクションカメラと呼ばれる「GoPro」を購入した。おもちゃのように小さいのに超広角のレンズできれいに撮れて遊べるカメラは、ちょっとした衝撃だった。

GoProを自転車から伸ばした棒に付けて走行しながらタイムラプスで撮った写真。もちろん交通量や人通りが多い道では危険なので使えない Photo: Gaku HIRUMA

 車や歩行者がほとんどいない田舎道では、自転車から伸ばした棒やヘルメットにGoProを付けて、タイムラプスを使って走行中の写真や動画を撮ったりして楽しんでいた。

 自転車走行中の動画はもちろん街歩きの時も、広角レンズなので特に構図を気にすることなく撮っていると、意外と面白い画像が取れたりするのも魅力だった。

 また防水のハウジングケースがあるので水しぶきのかかる川の水面から動画を撮れたり、ヒマラヤをのしのしと歩くヤクの足元に置いたりして、一眼では絶対に出来無いような撮り方を出来るのは本当に画期的だった。

今度はスマホだけ?あるいはドローンも?

 こうして僕の旅の持って行くカメラとして最終的に決定したのは一眼レフカメラとGoProで、旅に出てから5年後にようやく定まった。

 ただもし次の旅に出ることがあるようなことがあれば、スマホの写真の性能も劇的に上がっているので、スマホ1台でスマートに旅に出るかもしれないし、無人地帯などではドローンで撮ったら面白いだろうし、360度カメラなども使ってみたいし…と、また悩むことになりそうだ。

昼間岳(ひるま・がく)

小学生のときに自転車で旅する青年を見て、自転車で世界一周するという夢を抱いた。大学時代は国内外を旅し、卒業後は自転車店に勤務。2009年に念願だった自転車世界一周へ出発した。5年8カ月をかけてたくさんの出会いや感動、経験を自転車に載せながら、世界60カ国を走破。2015年4月に帰国した。『Cyclist』ではこれまでに「旅サイクリスト昼間岳の地球写真館」を連載。ブログ Take it easy!!

この記事のタグ

旅サイクリスト昼間岳の地球走行録

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

Cyclist CLIP

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載