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旅サイクリスト昼間岳の地球走行録<48>初めての海外ツーリングにオススメの国・トルコ 行く先々で振舞われるチャイで感じた人の親切さ

by 昼間岳 / Gaku HIRUMA
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 自転車世界一周の旅で一番訪れた都市は、トルコのイスタンブールだ。文明の交差点と言われている通り、東洋と西洋がまじりあう都市で、ヨーロッパの要素もあるが、どことなくアジアの懐かしさも感じさせてくれる魅力的な都市だった。サイクリストにとっても南に抜ければ中東・アフリカが広がり、西はヨーロッパ、東はアジアと基点になるので、何度も訪れる機会が多くなる都市だ。

温かかった地中海から内陸の山岳地帯の峠では雪が残っていた。ひとつの国で色々な季節を楽しめるのもトルコの魅力だ Photo: Gaku HIRUMA

魅力的な都市イスタンブール

 それ以外にも僕は自転車積み込み料金が設定してあるトルコ航空を良く使っていたので、イスタンブール経由でトランジットが発生することも多かった。少しでも時間があると慣れ親しんだイスタンブール観光やアウトドア用品や自転車のパーツを買い物に走った。途上国から途上国への移動だと、トランジットで訪れる。アウトドア街や自転車街は本当に魅力的だったのだ。

 そんなイスタンブールはもちろん、トルコは非常に走りやすい。海外を走ってみたいけど、どこの国を走ればいいのだろうと思っている人にとてもおすすめだ。もちろん治安や情勢は刻々と変化するので、最新の情報はチェックしてほしい。

地域で異なる趣向と季節感

 トルコにはイスタンブールをはじめ、ローマ時代の古代遺跡エフェソス、石灰岩の温泉の棚田のパムッカレ、奇岩が続くカッパドキアなど世界的な観光地が軒を連ねているし、地方の小さな静かな農村にモスクがあるのも味わい深い。地中海に出ればトルコのイメージを覆すリゾート気分を味わうこともできる。

世界遺産のカッパドキア。世界遺産が沢山あるトルコでは、自分の好きなルートを自由に選択できるのが楽しい Photo: Gaku HIRUMA

 地中海では春のような気候でも、一歩内陸の山岳部に足を踏み入れると雪が残るなど、一つの国で趣向の異なる経験や季節感を体験できるのも大きな魅力だ。日本にはなかなか馴染のないイスラム教の人々の暮らしを身近に知れる国でもあり、何より親日家でサイクリストにとても優しかった。

トルコの田舎道は車も少なく快適だ。素朴な村にも立派なモスクが建っている Photo: Gaku HIRUMA
地中海沿岸のキャンプ場。トルコの地中海はリゾートになっており、小洒落たキャンプ場は3月とは思えない暖かさで、貧乏旅行でもリゾート気分は味わえる Photo: Gaku HIRUMA

 トルコと言えばチャイ文化が深く浸透していて、地元の人は一日何杯もチャイを飲むし、僕も一日何杯もチャイを飲んだ。だけど、自分でお金を払って飲んだ記憶はほとんどない。自転車で道を尋ねると「とりあえずチャイでも」と振る舞われるし、商店で休憩していると、どこからともなくオジサンがニコニコしながらチャイを持ってきてくれた。ご飯の差し入れも本当に沢山いただいた。

商店で休憩していると、どこからともなくオジサンがニコニコとチャイを持ってくてくれるのはもはや日常だった Photo: Gaku HIRUMA

 観光地以外では英語があまり通じないトルコ。コミュニケーションを取るのは大変だけど、チャイを片手にニコニコと本当に親切に接してくれるのが、本当に心地よくありがたかった。

大都市にある魅力的な抜け道

 イスタンブールに限った話ではないが、大都市から自転車旅を始める場合、一番初めに最難関の都市抜けが待っている。大都市の走行は非常に大変だ。幹線道路や高速道路が入り混じり、途切れない合流や迷路のような市街地は、毎回本当にストレスだ。

 しかしイスタンブールには魅力的な抜け道がある。市街地のすぐ近くから、イスタンブールの南に広がるマルマラ海を渡るフェリーが出ているのだ。よくサイクリストが使うのかとてもスムーズに利用できる。綺麗でシステマチックで驚くことにほぼ定時運行だ。僕もこのフェリーを使い対岸の町まで行き走り出した。港を出るとすぐに幹線道路が延びているので、道に迷う心配もないし、交通量が圧倒的に少ないのでとてもおすすめだ。

イスタンブールからマルマラ海を渡るフェリー乗り場。大都市を走らずに済むのはありがたい Photo: Gaku HIRUMA

 幹線道路は非常に走りやすく、スーパーやコンビニが併設されたガソリンスタンドも沢山あるので、補給は全く心配ない。

 興味に合わせ好きな目的地を選んで走ればいいと思うが、やはりおすすめは幹線道路から外れた地元の道路だ。地図上に頼りなく引かれた細いルートを信じて進むと、案の定標識もなく、通る車も極端に少ないので不安に駆られるが、通り過ぎる村の素朴さと、その村にあるこじんまりしていても立派なモスクの対比が堪らなく旅行情緒を盛り上げる。

断られたのは数回のみ

 トルコではガソリンスタンドでもテントを張らせてもらえた。郊外であれば野宿はしやすいが、やはり町の近くだとなかなかいい場所が見つからないこともしばしばだったので、非常にありがたく助かった。

ガソリンスタンドでもテントを張らせてもらいやすいのは、街や住宅が切れなかった時など本当に助かった Photo: Gaku HIRUMA

 海外ツーリングの定番とも思えるガソリンスタンド付近でのテント泊だが、実は気軽に張らせてくれる国は意外と多くない。「まぁそれはそうだ」と思う。だけどトルコは3カ月走行して断られたのは数回しかない位、受け入れてくれた。

 ガソリンスタンドで常に人の目につくところに張れるので、襲われる心配も少ない。併設のコンビニでなんでも手に入るし、なにより水やトイレを使わせてもらえるのが本当にありがたかった。

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