シクロクロス世界選手権2020ファンデルプールが圧巻の独走で男子エリート2連覇 2位にはピドコック

by 田辺信彦 / Nobuhiko TANABE
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 スイスのチューリッヒで開催のUCIシクロクロス世界選主権は2月2日、大会2日目のレースが行われ、最終レースの男子エリートでは昨年王者のマチュー・ファンデルプール(オランダ)がスタートからトップを譲らず独走で優勝し、世界選手権2連覇を飾った。

堂々の勝利を飾ったマチュー・ファンデルプール Photo: Nobuhiko TANABE

 2日目は初日と一転して天気予報通りに雨模様での開催となった。前日までのハイスピードコースは水を含み超マディーなコンディションへと変わり、初日とはまた違った難攻不落のコースとなった。

ネイス・ジュニアが世界選初制覇

 この日最初のレースとなるのは男子ジュニア。シクロクロス界のレジェンドであるスヴェン・ネイス(ベルギー)の息子、ティボー・ネイスがこのレースではもっとも注目されており、ベルギーメディアやファンがレース前の彼のテントに群がるほどの人気だ。今シーズンの成績も非常に良く優勝候補筆頭なのは間違いない。

ベルギーのティボー・ネイス Photo: Nobuhiko TANABE

 好スタートを決めホールショットを獲得したのはアメリカのマグナス・シェフィールド。そこに続くのはベルギーのネイスとレナート・ベルマンス、オランダのティボール・デルグロッソ、そして開催国スイスのダリオ・リッロだ。

 シェフィールドは好スタートを決めたものの、1周目中盤には大きく後退。ベルギー、オランダ、スイスの選手による激しいトップ争いへと展開する。ここで頭一つ抜けていたのは、やはりネイスだった。この集団を抜け出し淡々と独走へと持ち込んでいった。後続に30秒ほどのリードを作ることに成功し、ネイスが自身初めての世界チャンピオンへと輝いた。

日本代表の村上裕二郎 Photo: Nobuhiko TANABE
日本代表の鈴木来人 Photo: Nobuhiko TANABE

 2位争いは目まぐるしく入れ替わる激しい展開となった。最終的に2位にはベルギーのベルマンス、3位には大きく追い上げたベルギーのエミエル・ヴェルストリンジが入り、ベルギー勢による表彰台の独占となった。日本勢は村上裕二郎(松山工業高校)が45位、鈴木来人(伊那北高校/ボンシャンス)が58位完走となった。

独走へ持ち込み完璧な勝利を収めたティボー・ネイス Photo: Nobuhiko TANABE

男子ジュニア結果

1 ティボー・ネイス(ベルギー) 38分50秒
2 レナート・ベルマンス(ベルギー) +31秒
3 エミエル・ヴェルストリンジ(ベルギー) +38秒
45 村上裕二郎(日本) +5分59秒
58 鈴木来人(日本) +8分29秒

女子U23はノルベルトリベロールが昨年の雪辱

 この日もっとも激しい雨が降る中で行われたのが女子U23のレースだ。ディフェンディングチャンピオンであるオランダのインゲ・ヴァンデルヘイデン、そしてアメリカのケイティ・クロース、イギリスのアナ・ケイ、フランスのマリオン・ノルベルトリベロールら有力選手がフロントローへ並ぶ。

重い泥をクリアするマリオン・ノルベルトリベロール Photo: Nobuhiko TANABE

 ホールショットを獲得したのはクロース。続くのはノルベルトリベロール、オランダのマノン・バッカー、カナダのルビー・ウエストら。1周目中盤からノルベルトリベロールがトップに立ち独走へと持ち込んでいった。2位争いはバッカーとウエストが激しく展開されていたがそこに力強く追いつき、さらには抜き去っていったのがハンガリーのブランカ・ヴァスケータとイギリスのアナ・ケイだった。

大きく追い上げてきたハンガリーのブランカ・ヴァスケータ Photo: Nobuhiko TANABE
3位に入ったイギリスのアナ・ケイ Photo: Nobuhiko TANABE
フランス国旗を握りしめてゴールするマリオン・ノルベルトリベロール Photo: Nobuhiko TANABE

 力一つ抜き出ていたノルベルトリベロールは後続に40秒以上の大差をつけ、昨年のボーゲンセでの世界選手権で涙を飲んだ彼女が悲願の優勝となった。2位には追い上げてきたハンガリーのヴァスケータ、3位にはイギリスのケイが入った。

フランス国歌を高らかに歌うマリオン・ノルベルトリベロール Photo: Nobuhiko TANABE

女子U23結果

1 マリオン・ノルベルトリベロール(フランス)
2 ブランカ・ヴァスケータ(ハンガリー)
3 アナ・ケイ(イギリス)

最強マチューが今年も圧勝

 世界選手権2日目の最後のレースとなるのが男子エリート。優勝候補はディフェンディングチャンピオンにして今シーズンも無敵の強さを誇るオランダのファンデルプールで間違いないだろう。そこにこの雨によるマッドコンディションで力を発揮するだろうと予想されたのがベルギーのトーン・アールツ、そしてワウト・ファンアールトがどう絡むか。

ホールショットを獲得したマチュー・ファンデルプール Photo: Nobuhiko TANABE

 完璧なスタートを切りホールショットを獲得したのはファンデルプールだった。ここ最近のレースの展開だと後半にかけて独走態勢を築く戦い方だがこの日は違った。1周目の中盤から他を寄せ付けぬスピードで一気に後続を引き離し独走へと持ち込んだ。2位争いはベルギーのアールツ、ファンアールト、エリ・イゼルビット、マイケル・ファントローレンハウトに、エリートに初挑戦のイギリスのトム・ピドコックが入り乱れる激しい戦いとなった。雨も止み、泥はどんどんとバイクに絡みつくようにコンディションは変わりバイクチェンジも重要な要素となった。

大観衆に見守られる中独走体制へと持ち込むマチュー・ファンデルプール Photo: Nobuhiko TANABE

 トップは変わらずファンデルプール。2位争いのグループはイゼルビットとファントローレンハウトが脱落してしまい、3人のグループとなった。順当に行けば2位はアールツだろうと予想されたが、強かったのがピドコックだった。ピドコックがアールツを引き離すのに成功し2位に浮上した。

ワウト・ファンアールト(左)と激しいバトルをするトム・ピドコック Photo: Nobuhiko TANABE
3位に入ったトーン・アールツ Photo: Nobuhiko TANABE

 単独トップのファンデルプールは最終的に2位に1分半ものギャップを作り、完璧な勝利を納め2連覇を達成した。ゴールではお辞儀を披露するなどこのシーズンを最高の形で締めくくった。2位にはピドコック、3位にはアールツが入った。来年のシクロクロス世界選手権はベルギー、オステンドでの開催となる。

男子エリート表彰台。(左から)2位のピドコック、優勝のファンデルプール、3位のアールツ Photo: Nobuhiko TANABE

男子エリート結果

1 マチュー・ファンデルプール(オランダ) 1時間8分52秒
2 トム・ピドコック(イギリス) +1分20秒
3 トーン・アールツ(ベルギー) +1分45秒

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