シクロクロス世界選手権2020エリート女子、U23、ジュニア女子でオランダ勢が優勝を独占 織田聖は44位、赤松綾は33位

by 田辺信彦 / Nobuhiko TANABE
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 シクロクロス2019-20シーズンの世界王者を決める、UCIシクロクロス世界選手権2020が2月1日、スイス・デューベンドルフで開幕した。初日は女子エリートレースが開催され、強豪オランダ勢同士の争いとなった女子エリートはセイリン・デルカルメンアルバラードが初優勝。赤松綾(SimWorks Racing)は同一周回完走を逃し33位に終わった。また、同日に行われた女子ジュニアはシリン・ヴァンアンルーイ(オランダ)が優勝。男子U23はライアン・カンプ(オランダ)が初優勝を飾った。日本代表の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)は44位完走を果たした。

エリート女子で初優勝を飾ったセイリン・デルカルメンアルバラード。2位・アンヌマリー・ワースト(左)、3位・ルシンダ・ブランドとオランダ勢が表彰台を独占した Photo: Nobuhiko TANABE

スイスの空軍基地に作られた人工コース

 2020年のシクロクロス世界選手権はチューリッヒからほど近いデューベンドルフという場所での開催。スイスで世界選手権が開催されるのは25年ぶり。スイス空軍の基地の滑走路脇の一角を使ってというものだ。平坦基調ではあるが大きな土手と巨大なフライオーバーが5カ所も設置されしっかりと高低差のある世界選手権にふさわしいコース。前日までは重い泥と深い芝によるヘビーコースであったが連日の試走によりトラックは踏み固められ、さらに天気の良さと気温の高さでハイスピードコースへと姿を変えた。

初開催の女子ジュニアでシリン・ヴァンアンルーイが淡々と後続を離してラップを刻む Photo: Nobuhiko TANABE

 初日の最初のレースを飾るのは今年から新たに新設された女子ジュニアだ。ジュニアロード個人TTの現ヨーロッパチャンピオンであるシリン・ヴァンアンルーイが好スタートを切り後続を淡々とラップを刻み2位以下にしっかりと差をつけて初の女子ジュニア世界チャンピオンとなった。日本代表の石田唯(北桑田高校)は31位。渡部春雅(駒澤大学高校)は39位、ともに完走した。

初開催された女子ジュニアチャンピオンに輝いたシリン・ヴァンアンルーイ(中央) Photo: Nobuhiko TANABE

U23は4人の先頭グループ

ミスも少なくラップを刻んだライアン・カンプ Photo: Nobuhiko TANABE

 日本から織田聖が出場した男子U23は各国強豪ぞろいとなった。好スタートを決めホールショットを獲ったのはフランスの現U23チャンピオンのアントワン・ブノワ。アントワンに続くのはオランダのライアン・カンプとピム・ロンハールそして追い上げてきたスイスのケビン・クーンの3人。この4人が先頭グループを形成しどんどんとレーススピードを上げていく。

U23で44位完走となった織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) Photo: Nobuhiko TANABE
地元スイスの声援を受けて進むケビン・クーン Photo: Nobuhiko TANABE

 中盤に差し掛かるころ頭一つ抜けていたのはライアン・カンプであった。続く3名よりもミスなくラップを刻み後続の3人に差をつけていった。反対に序盤いい走りを見せていたアントワン・ブノワは後半にかけて少しずつ後退してしまった。2位争いはケビン・クーンとピム・ロンハールとなる。後続の戦いをよそに変わらず淡々とペースを刻んだライアン・カンプがしっかりと差をつけて自身初となる世界チャンピオンに輝いた。

ガッツポーズしながらゴールに向かうライアン・カンプ(オランダ) Photo: Nobuhiko TANABE

 2位にはパワーに優ったケビン・クーンの走りに地元スイスの観客が大いに湧いた。3位はピム・ロンハールとなった。織田聖は44位完走。

U23で初優勝したライアン・カンプ(オランダ) Photo: Nobuhiko TANABE

オランダ勢のバトルが白熱

 初日の最後のレースとなるのは女子エリート。3連覇している現王者のサンネ・カント(ベルギー)、オランダチャンピオンで今年はエリートを選択したセイリン・デルカルメンアルバラード、ヨーロッパチャンピオンのヤラ・カステイン、前オランダチャンピオンのルシンダ・ブランド、前ヨーロッパチャンピオンのアンヌマリー・ワースト、そしてアメリカのケイティ・コンプトン、イギリスのイヴィー・リチャーズという、誰が勝ってもおかしくないラインナップだ。

積極的に前を引くセイリン・デルカルメンアルバラード Photo: Nobuhiko TANABE

 ホールショットを獲得したのはアルバラード。そこにワーストとブランドが続き3人のパックを形成する。1周目後半から3人それぞれによる激しい攻防が続くことになる。まず最初に仕掛けたのはルシンダ・ブランドだ。この3人の中でもパワーに分があり独走を狙うアタックをかける。

 しかしワーストとアルバラードはそれを許さず食らいつきペースを上げていく。中盤に差し掛かる頃にはアルバラードとワーストの2人が交互にトップが入れ替わる形でレースが展開される。

何度もトップを入れ替わりながら周回を重ねるアルバラード(左)とワースト Photo: Nobuhiko TANABE
粘り強い走りを見せたルシンダ・ブランド Photo: Nobuhiko TANABE

勝負はゴールスプリントへ

 ルシンダ・ブランドはミスが続き2人と差が数秒付いてしまう。最終周回に入る時はアルバラードとワーストの2人が先行していたが中盤にはルシンダ・ブランドが見事先頭グループへ追いつく。最終コーナーに入るフライオーバーで力を使いすぎたルシンダ・ブランドが遅れをとりアルバラードとワーストによるゴールスプリントでの決着となる。

 わずかに力が残っていたアルバラードがスプリントを制しエリートで初となるアルカンシエルを獲得した。全てを出し切るレースとなりレース直後は両足を引き攣り動けなくなるほどであった。昨年はU23で涙を飲んだ彼女だがエリートを制し涙と美しい笑顔を見せた。

エリート女子出場の赤松綾は-2lapの33位 Photo: Nobuhiko TANABE

 日本代表の赤松綾は-2lapの33位となった。男子エリートなどが行われる2日は一転して雨予報となりコースコンディションが変わり展開の読めないレースとなりそうだ。

女子ジュニア結果
1 シリン・ヴァンアンルーイ(オランダ) 38分34秒
2 パック・ピーテルス(オランダ) +53秒
3 マディガン・ムンロー(アメリカ) +1分18秒
31 石田唯(日本) +6分32秒
39 渡部春雅(日本) +9分5秒

男子U23結果
1 ライアン・カンプ(オランダ) 47分53秒
2 ケビン・クーン(スイス) +36秒
3 メース・ヘンドリクス(オランダ) +52秒
44 織田聖(日本) +7分25秒

女子エリート結果
1 セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ) 45分20秒
2 アンヌマリー・ワースト(オランダ) +1秒
3 ルシンダ・ブランド(オランダ) +10秒
33 赤松綾(日本) -2LAP

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