バイクインプレッション2020扱いきれる高剛性バイクへと正常進化 チポッリーニ「BOND2」

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 かつての名選手、マリオ・チポッリーニ(イタリア)の理想を実現するため立ち上がり、自らの名を冠するブランドがCIPOLLINI(チポッリーニ)。今回は進化したオールラウンダー「BOND2」のインプレッションをお届けする。

チポッリーニ「BOND2」 Photo: Masami SATOU
ブランドのコンセプトを継承し、マッシブなBBは健在 Photo: Masami SATOU

 スーパースプリンターとして名を馳せたチポッリーニ氏。選手時代はプロ通算191勝という輝かしい戦績を残している。190cm近い大柄な体格からひねり出されるパワーを生かし、スプリントシーンは圧巻の勝利を挙げ続けた。そんなパワフルなチポッリーニ氏の理想を実現するために立ち上げたのがチポッリーニ。どのバイクも超が付くほどの高剛性で、乗り手を選ぶスペックも特徴でもあり、また、魅力でもあった。

 BOND2はBONDの後継機として生まれたモデル。カーボン素材には東レのT800を採用して軽量化を果たし、シートステーの形状を変化させることで振動吸収性も向上させている。前作から引き続き、リムブレーキ仕様に加えてディスクブレーキ仕様もラインナップ。トレンドも押さえた自信作だ。

軸の剛性に優れたディスクブレーキ仕様もラインナップ Photo: Masami SATOU
振動吸収性を高める形状を採用 Photo: Masami SATOU

スルーアクスルとの相性も抜群

 このブランドのバイクは乗る前から心拍数が上昇する。「今回こそ乗りこなしてやろう」と気持ちが高まる。しかし、トレーニングを積んで挑んでも、返り討ちにされることが幾多もあった。だが、“じゃじゃ馬”なバイクほど楽しいものはない。身体の使い方がぴたりとハマり、コントロールできた時は嬉しさはひとしおである。

使い切れる剛性に生まれ変わった Photo: Masami SATOU

 BOND2もこれまでと同様に、構えながらの乗り出しとなったが、意外なほどに乗りやすい。剛性のバランスが全体的に整っている。試した車体はディスクブレーキ仕様だったので、スルーアクスルも効いているのだろう。爪先まで剛性が上がったことで、強固なBB周辺のボリュームとマッチ。それによって、全体の剛性は高く保ちつつ、より前へ、前へと車体を運びやすくなった。

 乗り心地も非常に優秀。装着されていた車体にはチューブレスタイヤとホイールが組み合わされていたため、そもそも振動吸収性は良かったが、フレーム形状も寄与していたことは間違いない。剛性感が整ったことで、乗り手が受けるストレスも軽減されており、コントロールに余裕が出たことも付け加えたい。

 より万人に受け入れられる乗り味になったBOND2だが、やはりスペックが生きるのはスピード域の高いレースシーンだろう。一発のスプリントだけでなく、使い切れる剛性感と、軽さも相まって加減速が多いクリテリウムでも活躍できそうだ。

 だが、走りだけが長所ではない。イタリアンバイクらしくペイントもとても美しい。今回の車体は青みがかったホワイトで、高級感が滲み出ていた。メイドインイタリーだからこその色気はチポッリーニならではだ。たとえその剛性を生かしきれなかったとしても、所有するだけでも満足できる一台だ。

■チポッリーニ「BOND2」フレームセット

税抜価格:418,000円(ディスクブレーキver.)
カラー:トータル ホワイト パール アンスラサイト シャイニー
サイズ:XS、S、M、L、XL
フレーム重量:1020g(Mサイズ平均)
フォーク重量:400g

松尾修作松尾修作

サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。

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