ツアー・ダウンアンダー2020 第4ステージスピードの違いを見せつけたユアンが今大会2勝目 ポートは総合リーダー堅守

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 オーストラリアで開催中のUCIワールドツアー今季第1戦、サントス・ツアー・ダウンアンダーは1月24日に第4ステージを行った。レース中盤以降、大きな変動なく進んだプロトンは、そのままスプリントでステージ優勝争いへ。最後はカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)が制して、第2ステージに続く今大会2勝目を挙げた。日本人ライダーで唯一参戦の新城幸也(バーレーン・マクラーレン)も同タイムの56位で終え、個人総合30位を維持している。

ツアー・ダウンアンダー2020第4ステージ、スプリントで勝利を挙げたカレブ・ユアン Photo: Yuzuru SUNADA

ボーナスタイムかけた中間スプリント インピーが総合タイム差詰める

 大会は中間地点を過ぎ、ステージ優勝争いはもとより、総合成績を意識した動きも多く見られるようになってくる。この日のステージはノーウッドからマレー・ブリッジまでの152.8kmで、アップダウンが連続する前半と、下りと平坦の後半とに大きく分けられるコースレイアウト。朝から風が強く吹いていたことや、前半に2回設定される中間スプリントポイントで総合上位陣がボーナスタイムを狙って仕掛ける可能性もあり、これらがプロトンにどのように影響するかが見ものとなった。

スタート前にインタビューを受けるロマン・バルデ Photo: Yuzuru SUNADA

 その見立て通り、スタート直後からメイン集団がレースをコントロール。アタックを容認せず、総合上位のライダーを擁するチームが徹底したペーシングを図った。

 18kmに設けられた1つ目の中間スプリントポイントに向け、ミッチェルトン・スコットが集団をけん引。迎えたスプリントでは、ポイント賞を狙うジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAE・チームエミレーツ)がトップ通過。リーダージャージのリッチー・ポート(オーストラリア)を抱えるトレック・セガフレードは、マッズ・ピーダスン(デンマーク)を送り出して2位で通過させる。ライバルのボーナスタイム封じを狙った動きだったが、個人総合2位につけるダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)が3位で続き、ボーナスタイム1秒をしっかり確保した。

 この情勢はしばらく続き、そのまま2つ目のポイントが控える40.3km地点へ。ここもフィリプセンがスピードを見せてトップを押さえるが、これに追随したインピーが2位で通過。これら2カ所だけで合計3秒のボーナスを得ることに成功。バーチャルで総合タイム差3秒とした。

集団内でレースを進めた新城幸也 Photo: Yuzuru SUNADA

 激しい序盤戦を終えると、5選手のアタックが容認され、逃げとメイン集団との構図へと変化。残り90kmになったところでその差は3分20秒。以降はメイン集団が前の5人を射程圏内にとらえながら、追撃を本格化させるタイミングを図った。

 局所的に風が強まるタイミングもあり、集団分断を狙うチームがあるかと思われたが、多くの選手がそれらを警戒していたこともあって、大きな変動なく進行。逃げグループとのタイム差もコントロールしつつ、残り距離を減らしていく。結果的に、フィニッシュまで20kmを切ろうかというところで逃げメンバー全員が集団へと戻る形になった。

 その後は、ユンボ・ヴィスマやロット・スーダルが集団前方へと上がってスピードアップを試みたが、総合系ライダーのジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ)がパンクトラブルで下がったことで、プロトン全体がいったん休止の状態に。ベネットが戻ったのを確認して、各チームがスプリントを見据えたポジション争いを再開した。

段違いのスピード ユアンが今大会2勝目

 スプリントに向けて各チームが隊列を組んで上がっていくなか、残り7kmで集団中ほどで規模の大きなクラッシュが発生。しかし、スプリンター陣には大きな影響は見られず、そのまま突き進んでいく。

コースにかかる橋を渡るプロトン Photo: Yuzuru SUNADA

 テクニカルなコーナーも待ち受け、そのたびに主導権を握るチームが変わっていく。いよいよ残り1km、変則的なコーナーを抜けて先頭に立ったのはグルパマ・エフデジ。その後ろにコフィディス ソルシオンクレディが続く。一列棒状になった集団は、残り300mで最終の鋭角コーナーへ。ここでインコーナーを突いて上がってきたのは、ドゥクーニンク・クイックステップだ。

 リードアウトマンの好判断にも助けられ、サム・ベネット(アイルランド)が絶好の位置からスプリントを開始。だが、最終コーナー直前からのドゥクーニンク・クイックステップ勢の動きを捉えていたのがユアンだった。ベネットの加速にも対処し、あとは得意のタイミングで先頭に出るだけ。後続を完全に引き離し、この日のライバルとなったベネットとのスピードの差も歴然。きっちりと大会2勝目のフィニッシュを決めてみせた。

ライバルを完璧にマークしたカレブ・ユアン(先頭左)が圧倒的なスピードを見せつけた Photo: Yuzuru SUNADA

 ステージ順位では、ユアンとベネットに続いて、レース序盤から積極的に動いたフィリプセンが3位と健闘。ポイント賞争いではトップに浮上した。

個人総合トップを守ったリッチー・ポート Photo: Yuzuru SUNADA

 個人総合では、ポートが首位のオーカージャージを堅守。レース前半でのバーチャルのタイム差がそのまま反映され、インピーが3秒差で続いている。

 翌25日に行われる第5ステージは、グレネルグからヴィクター・ハーバーまでの149.1km。重要局面は、フィニッシュ前約20kmでやってくるカービー・ヒルの上り。平均勾配8.7%の急坂は、選手たちを消耗させるに十分な威力。ステージ優勝争いは、この上りを集団内でクリア、またはその後の下りで復帰を果たしたスピードマンが争うことになるか。展開次第では総合争いにもかかわることが考えられ、どの選手にとっても気の抜けない1日といえる。

第4ステージ結果
1 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) 3時間29分8秒
2 サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ) +0秒
3 ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAE・チームエミレーツ)
4 アンドレ・グライペル(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション)
5 アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チーム サンウェブ)
6 マーティン・ラース(エストニア、ボーラ・ハンスグローエ)
7 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング)
8 エリック・バシュカ(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
9 マルク・サロー(フランス、グルパマ・エフデジ)
10 ミケル・モルコフ(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)
56 新城幸也(日本、バーレーン・マクラーレン)

個人総合
1 リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) 13時間39分32秒
2 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) +3秒
3 ロブ・パワー(オーストラリア、チーム サンウェブ) +8秒
4 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +11秒
5 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ) +14秒
6 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAE・チームエミレーツ) +15秒
7 シモン・ゲシュケ(ドイツ、CCCチーム)
8 ローハン・デニス(オーストラリア、チーム イネオス)
9 ディラン・ファンバーレ(オランダ、チーム イネオス)
10 ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +23秒
30 新城幸也(日本、バーレーン・マクラーレン) +44秒

スプリント賞
1 ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAE・チームエミレーツ) 49 pts
2 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) 39 pts
3 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) 34 pts

山岳賞
1 ジョセフ・ロスコフ(アメリカ、CCCチーム) 35 pts
2 ローレンス・デヴリーズ(ベルギー、アスタナ プロチーム) 17 pts
3 リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) 16 pts

新人賞
1 パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チーム イネオス) 13時間40分5秒
2 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・マクラーレン) +0秒
3 ジャラド・ドリズナー(オーストラリア、ユニサ・オーストラリア) +8秒

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