ツアー・ダウンアンダー2020 第3ステージポートが3年ぶり登場のトレンス・ヒルで勝利を再現 個人総合でも首位に立つ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 オーストラリアで開催中のUCIワールドツアー今季第1戦、サントス・ツアー・ダウンアンダーは1月23日に第3ステージを実施。実質今大会最初の頂上フィニッシュとなるコースを、リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)が制した。ポートはこのコースが過去に採用された3年前にも勝利しており、今回はその再現となった。日本勢で唯一参戦している新城幸也(バーレーン・マクラーレン)がポートから34秒差の40位でフィニッシュしている。

ツアー・ダウンアンダー2020第3ステージ、今大会最初の頂上フィニッシュであるトレンス・ヒル・ロードをリッチー・ポートがトップで上りきった Photo: Yuzuru SUNADA

大会1つ目の頂上フィニッシュ、トレンス・ヒル・ロードへ

 大会は中盤戦へ。この日注目されたのは、今大会では実質1つ目となる頂上フィニッシュが設定されたこと。フィニッシュ前2kmから始まるトレンス・ヒル・ロードは平均勾配9.3%。直近では2017年大会で採用され、このときはポートが後続に16秒差をつける圧勝劇を演じている。今回も大会前半のヤマ場と目されている。

スタート前の出走サインに臨む新城幸也 Photo: Yuzuru SUNADA

 改めてコース全体に目を移すと、スタート直後からタフな上りが控えるなど、終始イージーな局面はない印象。そんなセッティングの1日に、各チームがエースをどう前方へと引き上げていくのかも見ものとなる。レース距離は131km。

 この日は前日のレース終盤の大規模クラッシュに巻き込まれたラファエル・バルス(スペイン、バーレーン・マクラーレン)と、この際に数カ所の骨折に見舞われたベン・ヘルマンス(ベルギー、イスラエル・スタートアップネイション)が出走できず。一方で、傷の度合いが心配されていたサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)とエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス ソルシオンクレディ)は、元気にスタートラインに現れた。

 そうして始まったレースは、ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、ギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)、マイルズ・スコットソン(オーストラリア、グルパマ・エフデジ)が早々に逃げグループを形成。メイン集団とは最大で3分10秒の差で先行した。

コアラの飛び出しを注意する道路標識。オーストラリアらしい光景 Photo: Yuzuru SUNADA

 しばらくは一定のタイム差を保ったメイン集団は、残り40kmを切ったところから少しずつペースを上げて、各チームがポジションを固め始める。これにともなって前の3人とのタイム差も縮小。残り30kmを切った頃には、その差は1分ほどとなった。

 協調体制を崩さず進んできた逃げグループだったが、後ろからの追い上げを受けて先行し続けるのが苦しくなってきた。残り20kmを切ったところでボワヴァンがまず力尽き、しばらくしてブシャールがスコットソンのスピードについていけなくなった。ただ1人粘るスコットソンも、勢いに勝るメイン集団から逃れることはできず、残り9kmで吸収された。

ポートがまたもトレンス・ヒル・ロードで独走

 逃げを捕らえた集団は、トレンス・ヒル・ロードに向かってグングン加速。主導権を握るのは、個人総合3位につけるダリル・インピー(南アフリカ)擁するミッチェルトン・スコット。アシスト陣の人数をかけてペーシングを行う。

レース序盤から逃げ続けた3選手。マイルズ・スコットソン(右)が残り9kmまで粘りを見せた Photo: Yuzuru SUNADA

 いよいよ迎えるは最後の上り、トレンス・ヒル・ロードだ。上りが始まると同時にUAE・チームエミレーツ勢がスピードを上げると、これに合わせるかのようにポートやイェーツ、ローハン・デニス(オーストラリア、チーム イネオス)らが前方へと上がっていく。

 そして残り1kmになろうかというところで、満を持してアタックしたのはポート。スルスルと先頭へと上がり、後ろがついてこないと見るやそのまま独走態勢へ。デニスを引き上げるためにディラン・ファンバーレ(オランダ)が集団のけん引に入り、さらにはイェーツも追う姿勢を見せるが、十分なリードを得たポートにとっては脅威とはならなかった。

トップから34秒差でフィニッシュした新城幸也 Photo: Yuzuru SUNADA

 最後までスピードが衰えなかったポートが、3年前の再現となる独走でのフィニッシュへ。前日までの主役だったスプリンター陣が後方へと下がったこともあり、ポートはこの勝利と同時に個人総合で首位へと浮上し、オーカージャージに袖を通すことになった。

 ポートの独走を許した後続は5秒差で頂上に到達し、ロブ・パワー(オーストラリア、チーム サンウェブ)が2位、イェーツが3位に。6位とまとめたインピーは、個人総合でポートから6秒差の2位につけている。

個人総合でも首位に立ったリッチー・ポート Photo: Yuzuru SUNADA

 翌24日に行う第4ステージは、再びスプリンターが主役となることが予想される。ノーウッドからマレー・ブリッジまでの152.8kmは、前半こそ細かなアップダウンの繰り返しが待つが、後半は下りと平坦基調。スピード感に富んだ1日となりそうだ。また、中間スプリントポイントが序盤に2回設定されており、総合争いが動き始めた状勢で上位ライダーたちがボーナスタイムをかけて駆け引きを見せることも考えられる。

第3ステージ結果
1 リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) 3時間14分9秒
2 ロブ・パワー(オーストラリア、チーム サンウェブ) +5秒
3 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
4 ローハン・デニス(オーストラリア、チーム イネオス)
5 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)
6 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)
7 ディラン・ファンバーレ(オランダ、チーム イネオス)
8 シモン・ゲシュケ(ドイツ、CCCチーム)
9 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ)
10 ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +13秒
40 新城幸也(日本、バーレーン・マクラーレン) +34秒

個人総合
1 リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) 10時間10分24秒
2 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) +6秒
3 ロブ・パワー(オーストラリア、チーム サンウェブ) +9秒
4 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +11秒
5 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ) +14秒
6 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAE・チームエミレーツ) +15秒
7 シモン・ゲシュケ(ドイツ、CCCチーム)
8 ローハン・デニス(オーストラリア、チーム イネオス)
9 ディラン・ファンバーレ(オランダ、チーム イネオス)
10 ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +23秒
30 新城幸也(日本、バーレーン・マクラーレン) +44秒

スプリント賞
1 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) 29 pts
2 ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAE・チームエミレーツ) 26 pts
3 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) 24 pts

山岳賞
1 ジョセフ・ロスコフ(アメリカ、CCCチーム) 25 pts
2 リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) 16 pts
3 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 12 pts

新人賞
1 パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チーム イネオス) 10時間10分57秒
2 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・マクラーレン) +0秒
3 ジャラド・ドリズナー(オーストラリア、ユニサ・オーストラリア) +8秒

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