ツアー・ダウンアンダー2020 第2ステージユアンが上りスプリントで爆発的加速見せ勝利、総合でもトップに 新城幸也が区間20位

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 オーストラリアで開催のUCIワールドツアー今季初戦、サントス・ツアー・ダウンアンダーの第2ステージが1月22日に行われ、上りでの集団スプリントをカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)が制してステージ優勝、個人総合でも首位に立った。日本の新城幸也(バーレーン・マクラーレン)はタイム差なしの区間20位でゴールした。

カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)が上りスプリントで圧巻の勝利 Photo: Yuzuru SUNADA

連日逃げのロスコフが山岳賞獲得

 大会本戦2日目となるこの日のレースは、ウッドサイドからスターリングに至る135.8kmで行われた。スタート直後は11.5kmの小周回を4周弱してからラインレース区間に入り、後半は21.3kmの大きな周回を3周半してゴールとなる。

 序盤の周回に2回の山岳ポイントが設定。一方後半の周回は2度の中間スプリントが設けられるが、コース自体はアップダウンとカーブが続き、スターリングのフィニッシュに向けてのラスト2kmは緩やかな上りとなる。このスターリングの上りは合計4回。スプリンター勢がいかに力を残してスプリントに挑むか、あるいはパンチャー勢が攻撃を仕掛けて混戦に持ち込むかが、この日の勝負の注目ポイントとなる。

スタート前、カンガルーの赤ちゃんを抱いて笑顔のロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) Photo: Yuzuru SUNADA
スタート前、新城幸也(右)とヨーロッパチャンピオンのエリア・ヴィヴィアーニ Photo: Yuzuru SUNADA

 スタートしてすぐ、前日も逃げに乗ったジョセフ・ロスコフ(アメリカ、CCCチーム)がアタックし、サム・ジェンナー(オーストラリア、ユニサ・オーストラリア)と2人で先行した。さらにこれを追ったローレンス・デヴリーズ(ベルギー、アスタナ プロチーム)、オメル・ゴールドスタイン(イスラエル、イスラエル・スタートアップネイション)も合流。4人の先行グループとなった。

序盤から逃げた4人 Photo: Yuzuru SUNADA

 山岳賞争いで首位と同ポイントの2位に付けるロスコフは、序盤2回の山岳ポイントをともに1位で通過。ポイントを積み重ね、山岳賞ジャージの奪取に成功した。メイン集団はタイム差を当初3分近くまで容認したが、リーダーチームのドゥクーニンク・クイックステップがコントロールし、中盤以降は1分前後の差に保たれた。

大規模な森林火災で焼けた森の横を走り抜けるレースの集団 Photo: Yuzuru SUNADA

アタックは掛からずスプリント勝負へ

 後半の周回に入り、メイン集団とのタイム差が30秒弱となった2度目のスターリングの上りで、逃げグループからデヴリーズがアタックし、単独で抜け出した。その後約1周回デヴリーズは粘り続けるが、3度目のスターリングの上りの手前で、集団へと飲み込まれた。

粘ったデヴリーズもラスト25kmで集団に吸収。デヴリーズはこの日の敢闘賞に選ばれた Photo: Yuzuru SUNADA

 周回ラスト1周を迎え、各チームの位置取り争いが激しくなる。変わらずドゥクーニンク勢が前を占めるが、EFプロサイクリング、ユンボ・ヴィスマも前で競り始めた。新城もバーレーン・マクラーレンの隊列を率いて集団先頭をうかがう。

 ラスト5kmを前に、集団先頭に躍り出たのはミッチェルトン・スコットの集団。個人総合3連覇を目指すダリル・インピー(南アフリカ)でこの日のステージ優勝と、同時にボーナスタイム10秒を一気に獲得する作戦だ。アタックは掛からず、ハイペースでのつばぜり合いが続く。

 いよいよラスト2kmで最後の上りに突入。直後、集団の前方で落車が発生した。かなりの人数が巻き込まれ、例年総合上位に入るリッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)もストップ。ラスト3km以降のトラブルは救済措置がありタイム差は付けられないものの、この日の優勝を争う先頭集団の人数は30人ほどに絞られた。

チームメートに守られて走る、総合リーダージャージのサム・ベネット Photo: Yuzuru SUNADA

ポケット・ロケットが炸裂

 変わらず先頭を占めるミッチェルトン勢。チームメートにけん引されたインピーは、ラスト1kmで3番手の絶好の位置に付ける。ラスト200mからインピーがスプリント発進。しかし逆サイドから、前日の勝者サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)が、前日と同様にミケル・モルコフ(デンマーク)に引き連れられてスプリントを開始した。

 インピーかベネットか。しかしベネットはスピードが伸びずにすぐ失速。代わって驚異的な勢いを見せたのが、ベネットの2人後ろからスプリントを開始したユアンだ。小柄軽量の体躯を生かした加速力は、この日の上りスプリントではベストマッチ。まさに“ポケット・ロケット”の異名通り、ユアンが爆発的な加速からインピーを一気に抜き去り、ゴールラインを真っ先に駆け抜けた。

前日の雪辱を果たす快勝劇を演じたユアン Photo: Yuzuru SUNADA

 19日に行われた今大会の顔見せクリテリウムで優勝していたユアン。しかし期待がかかった第1ステージでは、終盤に良い位置が取れずに7位に沈んだ。この日はチームメートが終盤までユアンを確実に守り、最終的にベストポジションからの完璧なスプリントを演出した。ユアンは前回、一昨年に行われたスターリングのステージでも優勝しており、同ステージ2連覇となった。

総合首位の証、オークルジャージに袖を通したユアン Photo: Yuzuru SUNADA
初日2位、この日4位のジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAE・チームエミレーツ)が、新人賞ジャージと同時にスプリント賞ジャージも獲得 Photo: Yuzuru SUNADA

 優勝はユアンが取ったものの、全体にピュアスプリンターが苦戦する結果となり、上位にはパンチャー系の選手の名が連なった。新城も落車を避けて先頭集団に残りステージ20位、総合でも首位のユアンから10秒差の29位と上位に付けている。

 第3ステージはアンリーからパラクームに至る131kmで行われる。アップダウンコースだが、圧巻はラスト2kmを切ってからのトレンス・ヒル・ロードの上り。平均勾配9.3%、未舗装区間も含む急坂は、残り500mで1級山岳ポイントを通過後も最後まで上りが続く。総合争いを占う上でまずは重要な一日となる。

第2ステージ結果
1 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) 3時間27分31秒
2 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) +0秒
3 ネイサン・ハース(オーストラリア、コフィディス ソルシオンクレディ)
4 ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAE・チームエミレーツ)
5 ファビオ・フェリーネ(イタリア、アスタナ プロチーム)
6 アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアール)
7 ティモ・ローセン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)
8 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)
9 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)
10 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ)
20 新城幸也(日本、バーレーン・マクラーレン)

個人総合
1 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) 6時間56分15秒
2 サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ) +0秒
3 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) +1秒
4 ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAE・チームエミレーツ) +4秒
5 ネイサン・ハース(オーストラリア、コフィディス ソルシオンクレディ) +5秒
6 ジャラド・ドリズナー(オーストラリア、ユニサ・オーストラリア) +7秒
7 ディラン・サンダーランド(オーストラリア、NTTプロサイクリング) +8秒
8 クリストファー・ローレス(イギリス、チーム イネオス)
9 ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)
10 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ) +9秒
29 新城幸也(日本、バーレーン・マクラーレン) +10秒

スプリント賞
1 ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAE・チームエミレーツ) 26 pts
2 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) 24 pts
3 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) 19 pts

山岳賞
1 ジョセフ・ロスコフ(アメリカ、CCCチーム) 25 pts
2 ローレンス・デヴリーズ(ベルギー、アスタナ プロチーム) 11 pts
3 サム・ジェンナー(オーストラリア、ユニサ・オーストラリア) 10 pts

新人賞
1 ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAE・チームエミレーツ) 6時間56分19秒
2 ジャラド・ドリズナー(オーストラリア、ユニサ・オーストラリア) +3秒
3 マイケル・ストーラー(オーストラリア、チーム サンウェブ) +5秒

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