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旅サイクリスト昼間岳の地球走行録<46>海外ツーリングで気を付けたい宿探しのポイント 宿泊部屋の確認でトラブルを最低限に

by 昼間岳 / Gaku HIRUMA
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 自転車旅で宿をとるかキャンプにするかを選ぶ基準は、500円から1000円くらいで泊まれるかどうかで決めている。それくらいの物価の国では、中規模の町に宿があるので、それを目指して走るようにしていた。

格安リゾートのバリではせっかくなのでプール付きの宿を探した。これでもツインで1人15ドル程 Photo: Gaku HIRUMA

値段と部屋の確認は必須

 ゆっくりしたい観光地や首都などの場合、事前にホステルや安宿を調べることもあるが、大抵は予約なしで行く。そして先に宿の値段を聞いた上で、必ず部屋を見せてもらってから宿泊するか決めていた。

 宿の設備が古いのは仕方がないが、清潔感があるかどうかは大事だ。もちろん気持ちよく過ごせるのに越したことは無いが、清潔感がある宿は盗難やトラブルが少ないという経験則があった。

珍しくスロープのあるメキシコの宿。自転車を上げるのが大変なのでなるべく低層階をお願いした Photo: Gaku HIRUMA

 意外かもしれないが、値段交渉はあまりガツガツしない。もちろん時と場合によってだが、それでも軽く持ち掛けて駄目だと言われたら深追いはしない。自転車を持ち込ませてもらう分、宿の人と気持ちよく過ごせる環境を作ることを心がけていた。

 部屋を確認する時に自転車が入れられるか、部屋に入れられないなら代わりになる倉庫の有無を確認する。ごく稀に「自転車は外に置いてくれ」と言われる宿があるので、その時はいくら宿のクオリティが高くても泊まらないようにしていた。

意外と深刻なホットシャワー問題

 宿を選ぶときのポイントは国によってさまざまだ。Wifiは使えるか。朝食は付いているか。ワールドカップの時期などはテレビがあるか。バリなどのリゾート地では、プールが付いているかで探したこともあったが、やはり一番気にしていたのはホットシャワーだ。

アフリカでは「BACKPACKERS」と呼ばれるホステルは事前に調べて利用していた。プールやバーなどがある広々としたテラスや中庭があることが多く、Wifiも使えて一歩入るととてもアフリカとは思えない空間が広がる  Photo: Gaku HIRUMA

 中米やアフリカなどの暑い国であれば水シャワーでも問題ないが、 南米の標高3000m~4000mの高地にある寒々とした町でもホットシャワーが出ない宿は多い。

 ホットシャワーと一言で言っても、世界には実に様々なものがある。僕が泊まるような安宿で、日本の様にガスで温めたお湯がジャブジャブ使えるのは、先進国を除くと非常に稀だった。

 世界中で多かったのは電気シャワーだ。温める装置をシャワーのヘッド部分に着ける簡易的なものから、タンクに貯めて温めるものがある。確かに温水は出るのだが、両方にそれぞれ問題がある。

 ヘッドに着ける簡易的なものは南米に多い。中身を見たことはないが、機械の中に電熱コイルがあり、シャワーの水がここを通るときに温めらるという仕組みになっているらしい。そのため水を強く出すと全然温まらずに出てきてしまうので、ちょろちょろと流して温水をありがたく使うことになる。

 シャワーヘッドの最大の問題点は高確率で感電することだ。電気シャワーなのでもちろん電源が必要になるが、どこからか漏電していると、シャワーの水を出す金属のノブを触った瞬間にビリッとくる。

 漏電はかなり微弱だが、毎回本当に怖かったので、シャワーのノブにタオルをかけて使うのを忘れないようにしていた。

 タンクに貯めるタイプだと感電することは無いが、タンクに貯めた温水がなくなると水になるので、早朝などの誰も使っていないであろうタイミングを見計らってシャワーを浴びることも多かった。

どんな宿でも盗難のリスクはつきもの

 盗難に関してもどんな安宿でも起こる可能性はある。安宿は主に、宿の鍵穴に差す鍵を使うタイプの部屋、南京錠で施錠する部屋、ホステルなどのドミトリーと呼ばれる相部屋の3タイプに分かれているが、一概にどのタイプの部屋が「安全だ」とは言えない。

 僕は幸いなことにどの部屋でも盗難されずに済んだが、一番安全そうな鍵穴に差すタイプの個室でも、旅人の盗難被害は数多く聞いた。

 世界には泥棒宿として旅人に知られる宿がある。そんなところには泊まらなければいい話だが、大体そういう宿は相場より格安でいい立地にある。そのため泥棒宿と知っていても利用する人は多い。

トルコのカッパドキアでプカプカ浮かぶ気球を観ながら朝食を食べる。安くてもクオリティの高い宿が見つかるとついつい長居してしまう Photo: Gaku HIRUMA

 一度中米のニカラグアで、アジア系移民の家族が経営している宿に泊まった時のことだ。部屋の扉が鍵穴を差して施錠するタイプだったにも関わらず、鍵を貰えなかった。そのことについて聞くと「みんな鍵を持って帰っちゃうから無いのよ。大丈夫私たちが見てるから」と話してくれた。

 その部屋は中庭に面していて、家族も中庭に居ることが多かったが、普通だったら宿を変える場面だ。だけど僕はなんとなく面白そうだったのでそのまま泊まってみた。トラブルは何もなかったが、久しぶりのアジア人客が嬉しかったのか、ご飯を一緒に食べようと誘ってくれたりと色々気にかけてくれ思わぬ楽しい滞在になった。

安宿の呼び方に苦戦した中米

 中米で苦戦したのが、安宿には様々な呼び方があると知らなかったことだ。夕方ヘトヘトになりながら中規模の町で散々宿を探したが見つからず、町の人に聞くと、「目の前にあるじゃん」と不思議そうな顔をされることもあった。

中米では宿の呼び方が多くて苦戦した。見た目も宿っぽくない建物が多かった Photo: Gaku HIRUMA

 中南米では「HOTEL」「HOSTAL」「HOSPEDAJE」が多く、主にこの看板を頼りに宿を探す。どんな違いがあるのかは分からないが更に、「CABINAS」「POSADA」「RESIDENCIAL」もあるので、それを知らないと宿が目の前にあるのに気が付かないという悲惨な目にあう。

昼間岳(ひるま・がく)

小学生の時に自転車で旅する青年を見て、自転車で世界一周するという夢を抱いた。大学時代は国内外を旅し、卒業後は自転車店に勤務。2009年に念願だった自転車世界一周へ出発した。5年8カ月をかけてたくさんの出会いや感動、経験を自転車に載せながら、世界60カ国を走破。2015年4月に帰国した。『Cyclist』ではこれまでに「旅サイクリスト昼間岳の地球写真館」を連載。ブログ Take it easy!!

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