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「自転車“基礎”栄養学」<2>毎日の食事で「身体力」を底上げする2つのコツ ご飯と味噌汁をひと手間で栄養の宝庫に

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 サイクリストの体づくりを栄養面から科学する連載『自転車“基礎”栄養学』。「ご飯6割」の食事バランスで「食べる力」を鍛え、コンディショニング力、リカバリー力等を含めて身体力のベースアップを図る重要性を解説した公認スポーツ栄養士の小川静香さん。今回は、誰でも簡単に取り入れられる「食べる力」を強化する食事のポイントを紹介します。

すぐできる、「食べる力」を強くする食事のコツ Photo: Shizuka OGAWA

◇         ◇

 前回は「食べる力を強化する=内臓を鍛える」というお話をしましたが、食事の6割をご飯にして、良く噛んで食べる習慣をつけることは出来ましたか? 「食べる力」に重きを置いた食事アプローチは、陸上の長距離選手や新体操選手、ラグビー選手、ボクサーや格闘家など多くのアスリートが実践し、実績を残しています。

 私が「ジュニアインストラクター」を務める「食アスリート協会」でも、サプリメントに頼ったり偏った栄養情報に振り回されず、ご飯をしっかり食べること、基本の食事を実践することで成長力・リカバリー力・コンディショニング力等総合的な力を身につけることを提唱しています。

 今回は、さらに「食べる力」を強化するコツを2つご紹介します。しっかりと食べてほしいご飯には、エネルギーの中心的な役割を果たす糖質だけでなく、たんぱく質や食物繊維も栄養素として含まれています。このお米に含まれるたんぱく質の質をさらに上げるために、大豆製品を取り入れることをおすすめします。また、ご飯を効率よくエネルギーとして燃焼させるために雑穀も追加していただきたいと思います。これはつまり、食事の基本を雑穀ご飯と味噌汁にすることで実現します。

「一汁一飯」と侮るなかれ

 味噌は大豆を発酵させて作ります。大豆はご飯に不足しているたんぱく質の成分を補ってくれるため、とても相性の良い食品です。また、味噌は発酵食品ですので腸内に効果的に働き、胃腸の粘膜をケアします。さらに味噌汁は様々な野菜を使って具だくさんにすることで1つのおかずになる、手軽で栄養価の高いとっても簡単な料理です。

様々な野菜をまとめて食べられる味噌汁 Photo: Shizuka OGAWA
ズッキーニやトマトなど具材はなんでもOK Photo: Shizuka OGAWA

 最近は液状タイプの味噌も市販されており、乾燥具材を加えたりコンビニの冷凍野菜(野菜炒めやホウレンソウなど)を電子レンジで温めてお椀に入れ、味噌とお湯を注ぐだけで簡単に味噌汁を作ることが出来ます。

ビタミンやご飯で不足しがちな食物繊維が補える雑穀 Photo: Shizuka OGAWA

 また雑穀は、エネルギーを燃焼させるビタミン剤としての働きだけでなく、玄米と比べて少なくなりがちな食物繊維を補強してくれるので、ぜひ雑穀を入れてご飯を炊くことをおすすめします。

 色々な種類の雑穀を入れる必要はありませんが、良質のものを選ぶようにしましょう。とくに酸化が進んでいる雑穀はおすすめしません。ご飯を炊くとき直前に雑穀を加えますが、その際に水に浮かんでいるものがあればそれは雑穀の質が落ちている証拠です。

 「雑穀ではなく、玄米ではダメなの?」という疑問もあるかと思いますが、玄米はよく噛まないと消化出来ず、胃腸に負担をかけてしまいます。噛む力に自信がある方は良いですが、体調が良くないときや疲労度が強いときは避けた方がベターです。

消化力に自信のない人は白米をベースに雑穀を加えるのがおすすめ Photo: Shizuka OGAWA

「食べる力」をつけて疲れにくい身体に

 今回は、さらに「食べる力」を強化するために、具だくさんの味噌汁と6割の雑穀ご飯の提案をしました。胃腸をしっかり使い、鍛えてあげることで心も身体も元気になっていくでしょう。「食べる力」がアップすることで、運動のパフォーマンスが向上するだけでなく、疲れにくい身体になるので、豊かな生活になることも期待できます。

 高価な食材や多くの食材を揃えれば、健康な身体を作れるとは限りません。何より大切なのは明日からできそうで、継続できそうな食事であること。是非、多くの皆さんが基本の食事に立ち返って「食べる力」を継続的に鍛え、健康な身体を作っていっていただきたいと思います。

 次回は、生活習慣病をめぐって敵視されつつある「炭水化物」との上手な付き合い方のお話をしたいと思います。お楽しみに!

小川静香
小川静香(おがわ・しずか)

公認スポーツ栄養士、管理栄養士、博士(医学)。食アスリートジュニアインストラクター。日本女子大学卒業後、東北大学大学院医学系研究科運動学分野を修了。3歳から水泳を始め、国体も経験。大学院在学中にトライアスロンにハマり、2009年に念願の日本選手権に出場。同年佐渡国際トライアスロンAタイプで優勝を果たす。スポーツトレーナーを目指す学生の指導にあたる他、スポーツ栄養の知識を自ら実践し、栄養教育活動や栄養セミナーで伝える。現在はアイアンマンレースに向けた練習と共に筋トレにも精力的に取り組み、ボディメイクに奮闘中。

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