Cyclist編集部がインプレッションウエイブワンのフルオーダーウェアに“高コスパ”ライン登場 「ZEE_LINE」が広げる選択肢

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 サイクルウェアブランド「WAVE ONE」(ウエイブワン)が、フルオーダーウェアの新しいハイコストパフォーマンスライン「ZEE_LINE」(ジーライン)を発売した。素材のクオリティは通常ラインと変わらないが、いくつかのサービスを省くことで生産コストを下げ、低価格を実現した。肝となるのがこの「いくつかのサービス」の内容だが、これらのサービスの要・不要は乗り手のニーズによってどう受け止められるのか? チームでレースに参戦するCyclist編集部の松尾修作と、おそろいのジャージで仲間とのサイクリングを楽しむ、同じく編集部の後藤恭子が、通常ラインとZEE_LINEの選択について比較検証した。

オーダーウェアの新シリーズ「ZEE_LINE」のコストパフォーマンスをCyclist編集部が検証(写真左から、ゼットエキップジャージ、レジェフィットスピード半袖ジャージ) Photo: Masami SATO

質を犠牲にせずコストダウン

後藤 ウエイブワンといえば、プロ仕様のハイエンドなレーシングウェアからエントリーグレードのサイクリングアパレルまで幅広く対応するオーダーウェアの定番ブランド。決められたパターンにカラーや文字を入れるセミオーダーシステム「WAVE ONE. Lab」を手掛けたり、ユニークなオーダーシステムでオーダーウェアの楽しみ方を提案している企業だよね。

 そのウエイブワンが「高品質なフルオーダーをより身近な価格帯で利用してほしい」という思いから、ZEE_LINEという新ラインを立ち上げたそうです。「ZEE」は「情熱」を意味する「ジール」という言葉の音からとったそうで、名称からも新ラインに込める熱意が感じられるね。

左から「ゼットイージージャージ」「ゼットエキップジャージ」「ゼットスピードジャージ」 ©waveone

松尾 レーサー向けのスーツからエントリー向けまで全部で7種類のアイテムを展開しているんですね。ゆったりとしたフィット感で最もリーズナブルな「ゼットイージージャージ」は1枚6500円(税抜、新規注文5着~)、そしてエアロ効果を生み出すシリアスレーサー向けの「ゼットスピードジャージ」も1枚9000円(同)で作れちゃうんですね。既存のオーダーウェアで同等モデルに相当する「レジェフィットスピード半袖ジャージ」は1万4000円ですから、これはかなりリーズナブルだと思います。

左から「ゼットスピードデュアルスーツ」「ゼットフレックスビブショーツ」「ゼットサーモジャケット」「ゼットフレックスショーツ」 ©waveone

後藤 私は「ゼットエキップジャージ」を着てみました。ストレッチの効いた高機能素材「レジェハニカム」を使ったジャージで、Cyclist編集部の公式ジャージとしても着慣れている「レジェフィット半袖ジャージ」のZEE_LINEバージョンだそうだけど、軽くしなやかな着心地とフィット感はいつもの着用感とまったく遜色ありませんでした。同じクオリティで安く作れるなら、もう一着違うデザインを作ってみたくなるね(笑)。

イタリア製のソフトでしなやかな生地レジェハニカムを採用した「ゼットエキップジャージ」。適度なタイト感でレースはもちろん速度域の高いサイクリングまで幅広く着用できる Photo: Shusaku MATSUO
ストレッチの効いた高機能素材「レジェハニカム」。体にフィットしながら、さらりとした肌触りの良い生地 Photo: Shusaku MATSUO

 唯一変更点としては、脇下の部分にあるメッシュ仕様がなくなっていましたが、レジェハニカムはもともと透湿性も良い高機能素材なので、そういう細部の変更がコストダウンにつながるなら歓迎です。

松尾 僕が注目したのは「ゼットスピードデュアルスーツ」です。通常ラインの製品はプロ選手たちが着用しているようなプロスペックモデルですが、ZEE_LINEバージョンになると、1着あたり1万5000円(新規注文5着以上)で作れてしまうのは驚きです。オーダーウェアの価格イメージが変わりますね。

「ゼットスピードデュアルスーツ」。袖に空気抵抗の整流効果を意識したスピードライン生地を採用。ロードレースで主流となったフロントオープン式のワンピース Photo: Masami SATO

 実際に着てみると、着た瞬間はタイトでしたが乗ってみると丁度良い印象。お腹部分のセパレート部分が直立した姿勢では逆Vの字になり、突っ張った感じがありましたが、乗車姿勢になるとまっすぐちょうど良い形状になりました。突っ張り感がなく、動きづらさも感じない。首の裏側が深めにえぐれており、下ハンドルを持った姿勢でも不快感はありませんでした。立体的なパットも通常ラインと同じく、しっかりしたものが使われています。

背面には通気性の良い高機能ストレッチ素材「レジェ ハニカム」を採用。 細い形状でストレッチ性の高い襟は快適性と空気抵抗の軽減を併せ持つ Photo: Masami SATO

 肩回りに用いられているトレンドのエアロ素材が、空気抵抗軽減にも寄与している上に高級感も醸し出していて良いですね。サイドとフロントのパネルに用いられている生地は伸縮性が高く、一方で背面には汗抜けが良いレジェハニカムが用いられるなど、非常に考えられた素材構成になっていると思います。

ニーズに応じて選べる選択肢

松尾 これまでのクオリティと遜色ないにも関わらず、通常のラインよりお手頃価格に設定されているのはなぜなんでしょう?

後藤 まず大きな違いは、通常ラインの生産工場が日本国内であるのに対し、ZEE_LINEは国外で生産されているという点。でも、すでに同社のブランド「カペルミュール」の生産で実績のあるスリランカに生産拠点を置いているので、生産コストを抑えつつも品質については保証されているそうです。

 その上で、さらに通常ラインにあるサービスをいくつか省略することでコストダウンを図っているんだそう。例えば最低ロットが5着からだったり、生産前にプリント済み生地でデザインや色を最終確認するサービスがなかったり、縫い目をまたいで柄を合わせることができなかったり、パンツの内股カラーがブラックしか選べなかったり、ファスナーカラーが白か黒しか選べなかったり…。

通常ラインとZEE_LINEとの違い ©waveone

松尾 なるほど。逆に通常ラインでは細部にわたってきめ細かく対応してくれるんですね。

後藤 私は数人の仲間とおそろいのジャージを着てライドやイベントを楽しめれば良いので、安く仕上げられるならZEE_LINEの可能な範囲でデザインできれば十分。ZEE_LINEも個人的には「これは譲れない!」というほどのサービスは除外されていないし、むしろ懐に優しい方が「作ってみようよ」って仲間にも提案しやすい気がします。

ZEE_LINE全製品では縫い目をまたいだ柄合わせのサービスは行わない。また内股のカラーがブラック一択とすることで生産コストを下げている Photo: Shusaku MATSUO

松尾 僕もこのリーズナブルな価格に惹かれます。ただ、チームでレースを走る頻度が多い人には、万が一のことを考えて修理サービスは付けておきたいという人もいるでしょうね。通常のサイクリング等と比べると、乗る頻度も落車のリスクもあるので、破れたときに新しく作るとなるとお金もかかりますから。

 それと縫製部をまたいで柄合わせができなかったり、内股のカラーがブラック一択という点は、イメージを重視するチームにとってはデザインの幅が狭められると感じるケースもあるかもしれません。逆に最近はシンプルなデザインもトレンドなので、ゼロベースでデザインを起こすのであればその点は気にならないと思います。

後藤 大所帯のチームなら、生地の色の乗り具合を確認する「先行プリント」も重要なポイントかもしれないね。メンバーが多ければ多いほど色々な意見があるでしょうから、完成後に「イメージと違う」なんてことにならないように、見本で同意をとっておいた方がベターかと思います。

オーダージャージをもっと気軽に

後藤 そういう“こだわり派”のニーズには通常ラインのシリーズが適しているんでしょうね。通常ラインかZEE_LINEか、どちらを選ぶかはどんなサービスを重視するかにもよるのだと思います。価格とサービスのバランスをどう考えるか。そういう意味でZEE_LINEは、品質そのものを下げることなく「サービスを選ぶ」という方法で新しい選択肢を作った格好だね。

松尾 そうですね。ハイクオリティな素材とコストを重視するチームなら、ZEE_LINEという選択は最適だと思います。手頃な価格でチームジャージが作れるようになれば、ますますメンバー同士の楽しみも増えると思いますね。

(提供:ウエイブワン)

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