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つれづれイタリア〜ノ<136>ユリ・フィロージ選手に聞いた 「デルコ・マルセイユはどんなチーム?」

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 2019年にUCIプロコンチネンタルチーム、NIPPO・ヴィニファンティーニ・ファイザネは活動が終了し、多くの日本人選手とスタッフはイタリアからフランスのチーム、デルコ・マルセイユに合流してNIPPO・デルコ・ワンプロヴァンスとなります(参照記事:『NIPPOが紡いだ世界への道 ロードレースは国内でメインストリームになり得るか』)。イタリア色の強かったチームから一変、フランスのデルコ・マルセイユとはどんなチームなのか。ファンの誰もが気になるところです。2019年のジャパンカップに参加し、NIPPO(2015〜17)とデルコ(2018〜19)の両チームを経験したユリ・フィロージ選手(イタリア、1992年1月生まれ)に両チームの特徴を聞いてみました。

ユリ・フィロージ Photo: Marco Favaro

◇         ◇

—まず、自分自身はどんなレーサーですか?

 アマチュア時代は長いヒルクライムが好きでした。現在、どちらかというとアップダウンと集団スプリント向きになりました。集団に混ざり、最後の競り合いの喜びを噛み締めています。危ないけど興奮します。

—この変化をどのように感じましたか?

 かつては上りでアタックしていました。一人でゴールを切りたかったからです。しかし、今となっては集団の接戦のほうが私の性格に向いているような気がします。

—自転車競技への関心はいつ持ちましたか?

 小さい頃は、様々なスポーツを経験しました。サッカー、ランニング、体操など。全部好きでしたが、父はフランチェスコ・モゼールの熱狂的なファンで、私は影響をもろに受けました(笑)。最終的に自転車競技を選びました。

─ジャパンカップの出場は何回目ですか?

 3回目です。

ジャパンカップスタート前のユリ・フィロージ Photo: Marco Favaro

—今年(2019年)のジャパンカップはどうでしたか?

 クリテリウムはスプリンター向きですが、雨の影響でアスファルトが滑りやすく、ちょうど私の真後ろで集団落車がありました。その時、レースが中断され、リズムが狂ってしまいました。最終スプリントに加わることができませんでしたが、3位はチームメートのブレントン・ジョーンズ(オーストラリア)が入ったので、満足しています。オンラインレースではキャプテンをサポートしました。

最初の逃げに乗り、チームのために働くユリ・フィロージ Photo: Marco Favaro

—2015年にNIPPO・ヴィニファンティーニ・デローザ(当時)でプロデビューしました。このチームでの経験はどうでしたか?

 プロデビューにあたり、いくつかのUCIワールドチームからのアプローチがありましたが、まだ早すぎると感じて、まずUCIプロコンチネンタルチームを経験したかったのです。その時NIPPOのプロジェクトに目が止まり、若手を育てる姿勢が私にぴったりだと感じました。

 キャンプテンはダミアーノ・クネゴで、3年間をこのチームで自分を磨きました。日本人選手も多く、彼らに対しとても好感を持ちました。日本人選手は違うレース文化から来ていたので、最初はかなり戸惑っているように見えましたが、互いに知識を共有しあい、色々教え合うことができました。良い経験でした。

2017年のNIPPO Vini Fantiniのチームプレゼンテーションにて Photo: Marco Favaro

デルコ・マルセイユは国際色豊かなチーム

—NIPPOでは主に日本とイタリアと言った特殊な環境にいました。逆にフランスに拠点を置くチーム、デルコ・マルセイユはどうですか?

 2017年にグランプレミオ・チッタ・ディ・ルガーノ(UCI 1.HC)に勝ちましたし、フランスのレースにも好成績を残していたので、デルコの監督から声がかかり、移籍を決めました。このチームも育成をモットーにしているし、NIPPOとの繋がりも昔からあると聞きました。同じヨーロッパのUCIプロフェッショナルチームですし、違いはあまりないだろうと思っていましたが、チームの雰囲気も出場レースもかなり違います。

—どのような違いですか?

 チームはフランスチームというより国際色豊かなチームだと思います。フランス語より英語が使われます。でもスペイン人も、イタリア人もいますし、NIPPOに所属したグローズ選手(ルーマニア)もいたし、英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、自然と様々な言葉が話せるようになります。スタッフも一生懸命にコミュニケーションを取ろうとしています。とても勉強になりました。

メイン集団にいるデルコ・マルセイユの選手たち Photo: Marco Favaro

—フランスのレースとイタリアのレースは違いがありますか?

 フランスのレースは好きです。イタリアとは違い、ナーバスでアップダウンが多い。レース展開も早い。最初から最後まで緊張が解けません。私のスタイルに合っています。残念ながら思ったより結果を残せなかったです。ちょうど勝負の時にパンクをしたり、落車に巻き込まれたり、不運に見舞われ最終スプリントに入れなかったです。これもレースの運命です。

 個人的には移動に悩まされました。イタリア北部トレンティーノ州に住んでいますので、レース会場までの移動は長かったです。フランス国土は意外と広いです。これに慣れないと体調を整えることができません。

—来シーズンから、バルディアーニ・CSF・ファイザネ、イタリアのチームに移りますね。

 そうですね。バルディアーニというチームに移籍します。プロになってからずっと声がかけられていたので、フランスで積んだ経験をイタリアのレースにも生かしたいと思います。楽しみです。

ユリ・フィロージ(Iuri Filosi)

1992年1月17日生まれ
【所属チーム】
2011: Team Idea(イタリア)
2012–2013: Viris Maserati(イタリア)
2014: Team Colpack(イタリア)
2015–2017: Nippo–Vini Fantini(イタリア)
2018–2019: Delko–Marseille Provence KTM(フランス)
2020– Bardiani-CSF-Faizane
【主な成績】
2014年:ヨーロッパ選手権 U23ロードレース2位
2016年:Volta Limburg Classic 5位
2017年:Gran Premio Città di Lugano優勝、GC 4 Jours de Dunkerque / Tour des Hauts-de-France 8位、GP Nobili Rubinetterie-Coppa Papa Carlo-Coppa Cittá di Stresa 7位
2018年:Tour of Taihu Lake
2019年:第4ステージ 5位、Tour of Oman 第2ステージ 4位

マルコ・ファヴァロMarco FAVARO(マルコ・ファヴァロ)

東京都在住のサイクリスト。イタリア外務省のサポートの下、イタリアの言語や文化を世界に普及するダンテ・アリギエーリ協会や一般社団法人国際自転車交流協会の理事を務め、サイクルウエアブランド「カペルミュール」のモデルや、欧州プロチームの来日時は通訳も行う。日本国内でのサイクリングイベントも企画している。ウェブサイト「チクリスタインジャッポーネ

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