篠さん注目・2019年のニュース“山が性癖”でも足をつく 奥深いオフロードの世界に足を踏み入れた年に

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 女性サイクリストで、ブロガー&モデルとしても活躍する篠さんが選ぶ今年のニュースは、自身が出場したグラベルイベント「グラインデューロ」について。ロードバイクがメインだった篠さんが、今年から足を踏み入れたオフロードの世界の魅力について綴られています。

悪路に悪戦苦闘しましたが、無事に完走しました ©GRINDURO JAPAN

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オフロードイベントは楽しいがモットー

 私が注目したニュースは、今年が国内初開催となったグラベルイベント「グラインデューロ ジャパン」について書かれた 《 アメリカ発注目のグラベルイベント『グラインデューロ・ジャパン』荒天の中264人が斑尾を激走》です。私も参加してきました。

 これまではオンロードやヒルクライムレースへの出場がメインでしたが、今年からオフロードイベントに初挑戦。 グラインデューロは私が出走したイベントの一つです。そこにはロードバイク乗りでもオフロードを存分に楽しめる要素がたくさん詰まっていました。

悪天候の中集まった264人が駆け抜けたグラベルイベント「グラインデューロ」 ©GRINDURO JAPAN

 残念なことに大型の台風19号が直撃した影響で、全長29.7km、獲得標高は890mに短縮されました。しかし、短くはなりましたが、舗装路、グラベル、ダートなど様々な路面が含まれたルートになっており、総合力が試されました。

 グラインデューロの会場でまず感じたことは、参加者たちの雰囲気がロードバイクのイベントと異なることでした。オフロードレースである前に、グラベル好きの集まりでもあるので、レース会場のピリピリした空気は全くなかったです。

グラインデューロの会場ではピリピリした雰囲気はなく、リラックスできる空間が広がっていました(本人提供写真)
他の参加者との交流も楽しめるのがこのイベントの特徴 ©GRINDURO JAPAN

 スタートからフィニッシュまでのタイムを競うのではなく、コース上に設けられた3カ所の「SS」(計測区間)の合計タイムを競うため、計測区間以外では時間に追われることがないので心の余裕がありました。エイドや走行中に参加者同士でしっかり交流もできる居心地のいい空間でした。

オフロードイベントでの気付き

 イベントにはサーヴェロのグラベルバイクをお借りして出走しました。私にとって初めてグラベルロードを乗る機会だったのですが、ロードバイクのポジションや操作感が近いため、とても乗りやすい印象でした 。

うっそうとした森の中の未舗装路を進みます ©GRINDURO JAPAN

 普段から険しく、時には未舗装路も出現する深い里山を走っている経験が生きて無事完走できましたが、イベント当日は雨が降り続け、泥に車輪を取られたり、普段滑らないところで滑ったりと、最初から最後までドキドキハラハラでした。落車こそしなかったものの、何度も危うい場面がありました。

グラインデューロでは予想外に年代別優勝を飾りました ©GRINDURO JAPAN

 予想外の結果に年代別優勝を収めましたが、3つの計測区間のタイムを比較したところ、ほとんどは長い上り区間で稼いだタイムのおかげでした。テクニカルな下り区間では全く歯が立たず、路面のコンディションが悪ければ悪いほど、オフロード経験の浅い自分と経験者の差が顕著に出るんだなと実感した日でした。

 沢山の人が押し歩いた急勾配の「デスクライム区間」は普通に登り切れたので、筋力に助けられてばかりだと改めて思い知らされ、喜びよりも反省が大きかったのは皮肉ですね。

ロードバイク乗りには是非とも一度乗ってもらいたいMTB

 元々、オンロードをメインとする私が、オフロードイベントに出てみようと決意したのには、あるきっかけがありました。それは、お世話になっているショップ「サイクルハウスミカミ」で開催されたMTB体験ツーリングです。

 ロードバイクで真っ平らな舗装路を走るのに慣れていましたが、トレイルはアスファルトと違ってタイヤの接地面が不安定です。太いタイヤさえあれば初見でもすいすい走れると思っていた自分が恥ずかしくなるぐらいイベントでは全く歯が立ちませんでした。

石や木の根を超えるマウンテンバイクはスキルアップに最適 (本人提供写真)

 石が無造作に転がっていたり、地面に張り巡られた木の根、丸太の倒木、横を見下ろせば崖のようなシングルトラック、あり得ない斜面の下りの数々…。未舗装の山道といえもっと優しいイメージでしたが、マウンテンバイカーは私の想像を遥かに超えた過酷な道を走っていました。

 得意な上りでも、それほど急こう配ではないのにも関わらず開始10秒で呆気なく足ついたのは今でも忘れられません。勢いでは上れず、障害物を一つ一つ丁寧に処理して初めてちゃんと前に進まなければらりません。自分のバイクコントロールスキルの低さを突き付けらました。

 全然上手く乗れないのが悔し過ぎて、でも楽しくて未知な世界に足を踏み入れたような気がしてワクワクしました。気が付けば2週間後にはハードテールMTBを注文していました。

 MTBはロードバイクとは同じ“自転車”でありながら、全く別の乗り物でした。早く走ることよりも、丁寧に小さい障害物を一個一個処理して進むことがスキルをアップさせてくれます。

MTBツーリングを体験後、すぐに車両も購入しました (本人提供写真)

 体重移動の仕方、体全体を使ってバイクを進ませる感覚、バイクとの一体感を高めやすい。普段使わない上半身を鍛えられたりと、自分に足りないものを補ってくれる最高の遊び道具に思えました。

 オフロードを走るのにかなりの集中力が必要なため、2時間も乗ればお腹いっぱいになりますから、時間のない人やロードバイクの練習の合間に息抜きに乗るにも最適です。これがオフロードバイクに挑戦していこうと思わせた理由です。

 2019年は従来のMTB向けのハード大会だけでなく、グラベルロード系でも楽しめるイベントも増加し、グラベルロードやオフロード用パーツも徐々に増えて、オフロード界全体が盛り上がりをみせた年となりました。ハードルは以前よりもぐっと下がってきたのではないかと思います。少しでも興味が湧いた方はぜひ来年、オフロードの世界を体験して頂きたいです。

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