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栗村修の“輪”生相談<169>30代男性「妻が今より走れるようになるには?」40代男性「体力が衰えe-BIKEが気になります」

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 ロード歴2年、夫婦で週末ホビーライダーをしています。相談は妻に関してです。

 妻は40代半ばでそこまで運動の経験がなかったので体力はなく、フラットペダルで落車の経験がありビンディングペダルは敬遠しています。

 山が登れないとか巡航速度が緩め(約20km/h)だとかに不満はないのですが、もう少し走れるようになると、今まで行けなかった場所に行けたり、世界は広がるのではないかなと思うときもあります。

 今より走れるようになるため、何をすべきでしょうか?

(30代男性)

 
 栗村さん、こんにちは。私は数年前までは、夏はロード、冬はシクロクロスとレースを楽しんでおりました。

 40代も半ばを過ぎ、体力の衰えとともに、他人との競争よりは自分との戦いの方にシフトし、今は年に数回エンデューロを楽しんでおります。

 そうしたなかで、気になるのがe-BIKEです。最近栗村さんもe-BIKEの可能性について口にされていますよね。

 ただ、手(足?)を出すべきかどうか躊躇してしまう自分がいます。一度e-BIKEの味を知ると、普通の自転車に乗らなくなるような気がするからです。

 e-BIKEと普通の自転車の両刀使いは可能か? 栗村さんはいかがお考えですか?

(49歳男性)

 今回は、2つのご質問にまとめてお返事します。というのも、どちらのご質問に対する答えも、世界的にブームになっている「e-BIKE」がキーワードになるからです。

 まず1つ目から。仲のいいご夫婦ですが、どうせならストレスなく、一緒にサイクリングを楽しみたいですよね。こんなときは、e-BIKEの出番です。

 モーターの出力が乗り手を助けてくれるe-BIKEは、「エンジン」の差を埋めてくれます。このご質問のケースなら、奥様がe-BIKEに乗り換えると、旦那さんは特に上り区間で引きずり回される立場になるかもしれません。いいトレーニングになりますよ。

 あと、あまり知られていないのですが、e-BIKEに乗ると立ちごけが減るんですよ。踏み出しをモーターがサポートしてくれるからでしょうね。落車が怖い奥様には、その点でもお勧めです。更に現時点の私の知識で思いつくメリットをいくつかご紹介いたしますね。

e-BIKEのメリット

◯低速時のサポートによりフラつきが減るのでクルマの多い車道走行が安全になる

◯上り坂や発進時などエネルギーを消耗する部分がサポートされるので長時間ライドが可能になる

◯旦那さんとの立場が逆転し、奥様のドSスイッチがONとなり、旦那さんの苦しむ顔を見ることが著しく快感となって、ペダルをもっと強く踏みたいという欲求が高まる(注意:旦那さんがサイクリングを拒否するようになるかもしれません…)

e-BIKEはライダー間の脚力差を埋めることができ、グループサイクリング向き Photo: Ikki YONEYAMA

 ただ、e-BIKEはまだ登場してから日が浅いので、他の有効な使い方(メリット)が見えていない面もあります。特に、日本ではそう。その意味では、2つ目のご質問はごもっともです。普通の自転車の立場は、これからどうなるのか?

 先に僕の考えを申し上げますと、将来的には、ほとんどの自転車に電動ユニットが乗る気がしています。というのも、想定されるメリットがとても多いからです。街乗りユーザーならもちろん、スポーツとして自転車に乗る人々にとっても、脚力差を埋められますし、円運動の効率が上がってペダリングが上手くなるという話も聞きました。ジムのエアロバイクみたいなトレーニングモード(サポート強度を意図的に変えることによって運動強度をコントロールする)が搭載されるかもしれません。そもそも、「普通の自転車とe-BIKE」という垣根がなくなる可能性もあります。

 そう考えると、黎明期である今は一番楽しい時期かもしれませんね。たしか「iPhone」が世に出はじめた当初は、大半の人たちが「タッチパネル式の電話なんて使いづらいし必要ない」と言ってガラケーを評価していた気がします。しかし現在はご存知の状況です。

 そういう意味では、もちろん両刀使いも含めて、早めにe-BIKEの楽しみ方を見つけたもの勝ち、とも言えそうです。ぜひ質問者さんには、e-BIKEのパイオニアとして、新しい道を切り開いていただきたいですね。

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
 ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまで、タイトルを「輪生相談質問」としてお寄せください。

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栗村修の“輪”生相談

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