全カテゴリーのチャンピオン決まる弱虫ペダルチームが男子エリートとU23のダブル制覇 シクロクロス全日本選手権

by 織田達 / Satoshi ODA
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 愛媛県内子町で開催された第25回シクロクロス全日本選手権大会、2日目の12月8日は朝から快晴のもと、男女U15、U17、男女ジュニア、男子U23、そして女子エリートと男子エリートの日本一を決めるレースが行われ、全カテゴリーのチャンピオンが決まった。

この日誕生したチャンピオンたち Photo: Satoshi ODA

前で展開した前田公平が2連覇

 男子エリートは、この日の最高気温14℃に達する午後2時にスタート。出走した69人の先頭で350mの直線の後に最初のコーナーに飛び込んだのは、横山航太(シマノレーシング)だった。

男子エリート69人が県道56号の道いっぱいに広がって加速していく Photo: Satoshi ODA

 横山に続くのはディフェンディングチャンピオンの前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)、2017年チャンピオンの小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)、2011年〜2015年チャンピオンの竹之内悠(ToyoFrame)、2016年チャンピオンの沢田時(TEAM BRIDGESTONE Cycling)、そしてMTB-XCOの王者である山本幸平(Dream Seeker MTB Racing Team)。さらに中里仁(Speedvagen Family Racing)、丸山 厚(チーム アレ リドレー)らの有力勢が続く。1周回完了時には、竹之内を先頭に小坂、前田、横山、山本、沢田の6人の先頭パックが出来上がる。

階段セクションをいく男子エリートの先頭集団 Photo: Satoshi ODA
小田川の川上の方向に向かっていく男子エリート先頭集団 Photo: Satoshi ODA

 3周目に入り横山がサドルのトラブルでピットに入ったことでパックから遅れてしまい、さらには4周目に沢田がパンクによりパックから脱落した。前田、小坂、竹之内、山本の4人は直線ごとに先頭を交代するも、若干牽制し合うような仕草もあり、それまで6分10秒台で刻んでいたラップタイムが20秒台になる場面もあった。

前々で展開することを心がけたという前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム) Photo: Satoshi ODA

 残り2周回、山本がキャンバーの激坂の登り切る直前に足をつくことで3人から遅れ始めた。最終回直前に前にいた前田、竹之内はスピードアップすると小坂が遅れ、勝負の行方は前田と竹之内の二人の戦いになる。引きちぎりたい前田はきつそうな表情を浮かべつつもペースアップ。竹之内も引き離されない。ホームストレートには二人同時に階段を駆け上がり並んで入ってきた。先に竹之内がスプリント体制に持ち込むが、前田が捲り両手を上げてフィニッシュし、昨年に続き2連覇を達成した。竹之内が2位。小坂が3位となった。このレースの完走者は30人。9周回だった。

竹之内悠(ToyoFrame)とのスプリント勝負を制して両手を突き上げフィニッシュする前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム) Photo: Satoshi ODA
男子エリート表彰式 Photo: Satoshi ODA

男子エリート優勝 前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)のコメント

 今年もこの日本選手権で一番高い所に立ててホッとしています。沿道からたくさんの応援をいただいて、最後までいいレースが繰り広げられたと思います。観ている方も楽しかったのではないかと思います。また1年間このチャンピオンジャージを着られることを誇りに思います。また来年の日本選手権にむけて頑張りたいと思います。

 ゴールするまで気の抜けない展開で、序盤から前にいてレース作れたのが良かったんじゃないかと思います。

 去年、選手権で勝てたので、割といい緊張状態の中で臨めたと思います。

 U23のレースでチームメイトの織田選手が優勝していたので、これは僕も行くしかないと思っていたので、無事にU23とエリートでジャージを獲れたことは素直に嬉しく思います。

 この全日本選手権を迎えるにあたってシーズンを通して、様々ないろんな方に応援頂いて、今日またスタートできて、表彰台の真ん中に立つことができました。ありがとうございました。

強さを発揮した松本璃奈も2連覇

 19人が出走した女子エリート、ホールショットを奪ったのは唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)だったが、ピットをすぎてキャンバーに向かう階段で松本璃奈(TEAM SCOTT Japan)が先頭を奪う。唐見はキャンバーで転倒してしまい、6番手まで順位を落とした。松本に続いたのは今シーズン安定して好リザルトを残す赤松綾(SimWorks Racing)、そして西山みゆき(Toyo Frame Field Model)。

女子エリートトップを快走する松本璃奈(TEAM SCOTT JAPAN) Photo: Satoshi ODA<br />CXNATS-22.jpg

 自分の得意なコースだと思ったと語る松本は2周目、3周目と赤松より10秒以上早いラップタイムを重ね30秒ほどのリードを奪った。赤松と西山の差も30秒程度だったがやがて西山のペースが落ち赤松との差は1分近く広がった。赤松が松本の差を7秒ほど詰めて最終周に突入するが、踏みなおした松本を捉えることはできなかった。マキノ、野辺山と悔しい思いをしたと語る松本はU23年齢域ながら全日本のタイトル連覇を達成した。

女子エリート2番手を走行する赤松綾(SimWorks Racing) Photo: Satoshi ODA
女子エリート表彰式 Photo: Satoshi ODA

女子エリート優勝 松本璃奈(TEAM SCOTT JAPAN)のコメント

 マキノから全然調子が上がれなくて(MTBの)海外遠征で自分自体疲れているなと感じていて野辺山で散々泣いて悔しい思いをしました。2週間本気でできることを全部出し切りました。それで掴めたこの金メダル、本当に嬉しいです。ありがとうございました。

 特にプレッシャーもなく、得意なコースだなと思いつつひとつひとつミスしないようにやりきれました。MTBのオリンピック代表候補としても上がってます。今日でシクロクロスのシーズンは終わりですが、来週はマレーシア、MTBのレースが迫っています。オリンピックに出場できるように頑張りますので、応援よろしくお願いします。

織田聖がU23最終年を優勝で飾る

男子U23スタート、第1コーナー目指して全力で踏んでいく選手たち Photo: Satoshi ODA

 午前中の最後のレースとして行われた男子U23のレースでは2週間前のUCI-C1の野辺山で好走し表彰台にも登りタイトル連覇を狙う村上功太郎(松山大学)と2017年のU23チャンピオンの織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)との一騎打ちが予想されたが、スタートでペダルキャッチのミスを犯した村上が集団の前に出られず足留めを喰らった隙にホールショットを奪った織田が村上より10秒以上早いラップタイムを重ね、最終的には村上に2分以上の大差をつけて、U23最後の年にチャンピオンジャージを取り戻した。3位には序盤2位を走っていた積田連(SNEL CYCLOCROSS TEAM)が入った。

2分以上の大差で2年ぶりのU23チャンピオンとなった織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) Photo: Satoshi ODA
スタートで出遅れた村上功太郎(松山大学)が積田連(SNEL CYCLOCROSS TEAM)をキャッチして2番手に上がる Photo: Satoshi ODA
男子U23表彰式 Photo: Satoshi ODA

男子U23優勝 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)のコメント

男子U23と男子エリートで2冠を達成した弱虫ペダルサイクリングチームの小田聖(左)と前田公平(右) Photo: Satoshi ODA

 スタートしてホールショット獲れてそのまま逃げきれた感じですけど、落ち着いてレース運んで最後は2分以上差をつけて勝つことができたので良かったと思います。

 このコースはロードレースのようなデンマークの世界選手権に似たようなコースレイアウトでハイスピードかつテクニカルなセクションもいくつかあり、その中でもロードレースの要素が多いので、自分がフランスのロードレースに挑戦してレースができているので、ロードの持ち味を出しきれて勝てたと思います。最初は功太郎コールの応援が多くて、徐々に僕への応援も聞こえてきたので良かったなと思います。

 これでUCIポイントもしっかり取れて、今の所世界選手権で2列目スタートできる位置にいるので、しっかりと世界選手権に向けて調整していきたいと思います。応援ありがとうございました。

男子ジュニア1年目の村上裕二郎が優勝

 男子ジュニアはゴールスプリントで村上裕二郎(松山工業高校)が松本一成(TEAM SCOTT JAPAN)を下し、ジュニア1年目でタイトル奪取。3位には昨年の全日本選手権で好走した鈴木来人(BonneChance)が入った。

男子ジュニアのスタートもまだ影が長い Photo: Satoshi ODA
先頭を走る松本一成(TEAM SCOTT JAPAN)に追いつき背後に張り付く村上裕二郎(松山工業高校) Photo: Satoshi ODA
スプリントで勝利した男子ジュニアチャンピオンの村上裕二郎(松山工業高校) Photo: Satoshi ODA
男子ジュニア表彰式 Photo: Satoshi ODA

 また二人だけで争われた今年から正式にカテゴライズされた女子ジュニアは渡部春雅(駒澤大学高等学校)が石田唯(北桑田高校)を下して優勝した。

ビデオを撮影する母親から声援を受ける女子ジュニア渡部春雅(駒澤大学高等学校) Photo: Satoshi ODA
女子ジュニア表彰式 Photo: Satoshi ODA

 朝の第1レースとして行われた男女のU17、U15のレースでは、男子U17は柚木伸元(Pro Ride)が圧勝した。女子U17では大蔵こころ(松山城南高等学校)が優勝。男子U15では佐々木啄人(ボンシャンス)が優勝。女子U15ではU17との混走でも2位の位置で走った日吉愛華(LimitedTeam846まるいち)が優勝した。

男子U17表彰式 Photo: Satoshi ODA
女子U17表彰式 Photo: Satoshi ODA
男子U15表彰式 Photo: Satoshi ODA
女子U15表彰式 Photo: Satoshi ODA

男子エリート
1位 前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)56分33秒
2位 竹之内悠(ToyoFrame)+0秒
3位 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)+13秒

女子エリート
1位 松本璃奈(TEAM SCOTT JAPAN)0:43:41
2位 赤松綾(SimWorks Racing)+29秒
3位 西山みゆき(Toyo Frame Field Model)+0:02:05

男子U23
1位 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)50分56秒
2位 村上功太郎(松山大学)+2分12秒
3位 積田連(SNEL CYCLOCROSS TEAM)+3分19秒

男子ジュニア
1位 村上裕二郎(松山工業高校)39分54秒
2位 松本一成(TEAM SCOTT JAPAN)+2秒
3位 鈴木来人(BonneChance)+58秒

女子ジュニア
1位 渡部春雅(駒澤大学高等学校)38分32秒
2位 石田唯(北桑田高校)+55秒

男子U17
1位 柚木伸元(Pro Ride)31分36秒
2位 永野昇海(イナーメ信濃山形)+1分5秒
3位 長島慧明(FM730)+2分45秒

女子U17
1位 大蔵こころ(松山城南高等学校)27分37秒
2位 中島瞳(TRIGON with KURE/BOUNCE)+22秒
3位 水谷彩奈(新潟)+3分28秒

男子U15
1位 佐々木啄人 (BonneChance) 32分59秒
2位 澤井千洋(TEAM GRM)+58秒
3位 水上央渉(ブラウブリッツェン)+1分41秒

女子U15
1位 日吉愛華(LimitedTeam846まるいち)27分39秒
2位 西原夕華(TOYO CT)+2分39秒

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