自転車で四国と台湾の交流促進EHIMEサイクリングプロモーション隊が台湾一周の「FORMOSA900」に挑戦 四国一周をPR
愛媛県のサイクリング資源をPRする「EHIMEサイクリングプロモーション隊」10人が、11月9日~16日の日程で開催された台湾一周のサイクリングイベント「FORMOSA900」(フォルモサ900)に参加し、環島(ファンダオ:台湾一周)を達成した。一行は四国一周サイクリングの公式ジャージを着用しPRを行いながら、台湾の豊かな自然や地元の人との触れ合いを堪能。隊の一員とした参加して愛媛県自転車新文化推進課の佐川功二さんのリポートでお届けする。
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協定に基づいた派遣
同隊は、愛媛県自転車新文化推進協会と台湾自行車新文化基金會が、2017年3月に締結した「四国一周・台湾一周友好交流協定」に基づいてイベントに派遣された。今回は「捷安特(ジャイアント)日本騎士團」の一員として、四国一周サイクリングの公式ジャージを着用。四国一周と台湾一周サイクリングの交流促進を目的に、大会でPR活動を展開しながら台湾でのサイクリングを楽しんだ。
11月9日に台北市庁前で開催されたスタートセレモニーでは、台湾内外から集まったチームを紹介。会場ではこれから始まる「環島」への期待感と高揚感が溢れていた。
イベント初日は、自動車とバイクで渋滞する市街地を抜け、淡水川に沿ったサイクリングロードを通り、西海岸側へ。海岸沿いに立ち並ぶ白い風車を背景に、自転車専用レーンを南下する快適なサイクリングとなった。
イベント前半戦、台湾南端の恆春までの約500km(4日間)は、真夏並みの日差しと暑さだったが、アップダウンが殆どなく、追い風を背に順調に進むことができた。
折り返しにあたる5日目は、台湾の西から東に横断する460mの峠を越えるコース。途中、先住民族の子どもが通う牡丹小学校で記念撮影を行う場面もあった。峠では台湾のサイクリストたちと「加油!!」(頑張れ)と声を掛け合いながら全員無事に上りきった。その長い下り坂を終えると、これまでとは表情の異なる鮮やかなブルーの太平洋が眼下に広がり、一行から歓声が上がった。
サイクリストに優しい工夫
後半戦の東側は、少し単調な西側とは異なる風景が広がる。眼前に迫る山脈や森林の並木道、遠くまで広がる田園地帯など、変化に富んだ景観に台湾の多面的な魅力を実感。適度なアップダウンや廃線敷きを改良したサイクリングロードを走行し、飽きのこないライドとなった。
コースの途中、安全な走行が難しい花蓮から宜蘭の区間は列車で移動することになったが、台湾では自転車をそのまま車両に積み込めるほか、駅構内も自転車の導線に配慮するなど、サイクリストに優しい工夫が施されている。サイクリングアイランド四国の実現を目指すうえで、非常に参考となった。
迎えた最終日は快晴で、現地ガイドによると「この時期の台湾一周で全行程が天候に恵まれたことは初めて」とのこと。急遽ルートを変更し、台湾最東端の三貂角燈塔を目指した。斜度15%の坂道を上るのはきつかったものの、展望台から望む太平洋の美しさは格別。その後、ノスタルジックな街並みとランタン(天燈)飛ばしで有名な十份に立ち寄り、それぞれ願いことを書いたランタンを大空に飛ばした。
現地ガイドやチームスタッフによる手厚いサポートや仲間との協力により、大きなアクシデントもなく、ゴールとなる松山駅(ソンシャン)へ到着。全員無事に完走した。参加者からは、「成し遂げられるか不安だったが、チームで走ることが大きな力になった」「肌で感じた台湾一周の魅力を愛媛に戻ってサイクリング仲間に伝えたい」「両地域の交流が盛んになり、台湾のサイクリストも四国一周にきてくれれば嬉しい」との声が聞かれた。
ゴール後に行われた慰労会では、台湾自行車新文化基金會から、完走証と完走メダルが授与された。既に四国一周サイクリングを達成した人には、ゴール後、「四国一周×台湾一周ダブル達成ジャージ」がプレゼントされ、満面の笑みでの記念撮影で幕を閉じた。