GRXで組んだバイクで実走インプレッション「野辺山グラベルチャレンジ」に初参加 シマノGRXで分かったグラベルの楽しみ方

by 澤野健太 / Kenta SAWANO
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 未舗装路を快適に走る「グラベルロード」、そしてそのために開発されたシマノのグラベルアドベンチャーコンポーネンツ「GRX」シリーズとはどんなものなのか? 実際に同コンポーネンツで組んだグラベルロードで、初開催の「野辺山グラベルチャレンジ」(11月24日開催)にエントリー。八ヶ岳南麓の大自然と周辺に広がる未舗装林道を含んだ道のりを楽しみながら実走し、その使用感を試した。

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シマノGRXで組んだグラベルバイクで「野辺山グラベルチャレンジ」に挑戦 Photo: Kei TSUJI

八ヶ岳の未舗装林道でインプレッション

野辺山グラベルチャレンジのコース図

 ロードバイク乗りが多いCyclist編集部だが、ひそかにオフロード好きだった編集長・澤野が満を持して、話題のグラベル用コンポーネンツ「GRX」のインプレッションに手を挙げた。その舞台に選んだのが、日本でグラベルロードを普及するために初開催された「野辺山グラベルチャレンジ」。中でも約50kmの距離でタイムを競うレース種目にエントリー。レースと言っても、2カ所のタイム計測区間以外は、のんびり八ヶ岳山麓の風景を楽しみながらグラベルを楽しむことができる。

滝沢牧場には朝6時半から第1回の野辺山グラベルチャレンジの参加者であふれた Photo: Kenta SAWANO
シマノGRXの電動コンポーネンツ(DI2)仕様のRX815系で組んだサーリーのミッドナイトスペシャル Photo: Kenta SAWANO 

 11月24日の野辺山・滝沢牧場は夜明けの6時から雨と霧が立ち込めていた。走るのには少し大変だがGRXコンポーネンツの真価を試すには絶好の環境と言える。コーヒーを飲みながら、空が明るくなるのを待つと、スタート地点にはシクロクロス車やマウンテンバイクに加え、近年増えつつあるグラベルロードに乗った参加者が続々と集まってきた。一般のレースに比べると、かなり自由な雰囲気でワクワクしてくる。

GRXで組んで野辺山に持ち込んだ『Cyclist編集部弐号』 Photo: Kei TSUJI

 それぞれのスタイルを持ったサイクリストがそれぞれの趣味に合わせた自慢のバイクを持ち込んだ。そんな中、ブラック系のGRXの電動コンポーネンツ(DI2)仕様のRX815系で統一した「Cyclist編集部弐号」グラベルロードは狙い通り、ハイテク機材とクラシックスタイルがマッチした雰囲気で目立っていた。

シクロクロス、MTBなど、参加者は思い思いのバイクでエントリーしていた Photo: A.HARUYAMA

使いやすいサブブレーキレバー

 朝7時、いよいよ野辺山グラベルチャレンジのスタートの笛が鳴り、一行は滝沢牧場をスタート。すぐに牧草地のジープロードを走る。前に見えるはずの八ヶ岳は霧のため見えないが、山に向かって延々と上りが続いた。おひとり様参加の私は、ハンドル上部を持ったリラックスしたポジションで、周りの人との会話を楽しんだ。サブブレーキレバー「BL-RX812」は、小ぶりなレバーだが、油圧式のため軽い力でしっかりとした制動力を発揮。ときおり現れる水たまりや轍でも指1、2本でのスピードコントロールをすることができた。

笹が茂るグラベル区間を満喫しながら走る Photo: Kei TSUJI 
サブブレーキレバー「BL-RX812」は油圧式で小ぶりながら効き味抜群だった Photo: Kei TSUJI 
マットブラックで統一され、サブブレーキレバー「BL-RX812」をつけてもハンドル周りはすっきり Photo: Kei TSUJI 

握りやすいブラケット

 5kmほど走ると、いよいよ上りのグラベルの傾斜もきつくなり、STRAVAチャレンジ区間(2.5km)、1回目のタイム計測区間(SS1=4.4km)に入った。スタッフが旗を振るのに合わせ、ブラケットを握り、少し体に力を入れ、スピードアップした。

最初のタイム計測区間「SS1」の上りがスタート Photo: Kei TSUJI 

 霧もかかり手も滑りやすい環境だったが、ブラケットには小さな溝が何本も入っているため、持ちやすく握りやすい。冬用の厚めのグローブをしていてもその握りやすさを実感した。さらに油圧式のため、小さな力で良く利くので、野辺山の風景を楽しむ余裕も生まれた。

最初の計測区間がスタート。ブラケットを持ってペダルに力を込めた Photo: Kei TSUJI 
小ぶりでグリップも握りやすいGRXのSTIブラケット Photo: Kei TSUJI 

 タイム計測区間を上り切ると、雨も霧も晴れ、快晴のヘリポートに到着。上り切った参加者を祝福するように、大きな虹が山頂付近にかかっていたので、バイクを並べて記念撮影した。

第1計測区間のゴールでは、大きな虹がかかり参加者を祝福した Photo: Kenta SAWANO

スタビライザー機構でチェーン落ちなし

 ステージ1の最高地点標高1900mを上り切ると、そこからは待ちに待ったダウンヒル区間だ。PROのフレームバッグ「DISCOVER フレームバッグ」に入れていたアウターを着込み、下りで体が冷えないように気を遣った。フレアハンドルの下部を握って、スピードを微調整。最速でスムースに走れるラインを探して紅葉が進む八ヶ岳山麓を下った。

リアディレーラーのスタビライザー機構のおかげで、チェーン落ちは一度もなし Photo: Kenta SAWANO 

 大きめの砂利や石も混じる下りで、バイクが跳ねるシーンもあり、通常のロードバイクコンポならチェーンのバタつきが気になるところ。しかしGRXのリアディレーラーはマウンテンバイク(MTB)譲りのスタビライザー機能付き。スタビライザーをオンにすると、激しい凹凸でもチェーンが暴れず、その振動も少なく、実際に一度も落ちることがなかった。また下りでスピードを上げ、そのまま上るようなアップダウンの悪路でも確実な変速ができた。

グラベル用タイヤで楽々に泥区間クリア

 ステージ1を終え、滝沢牧場に戻りランチを済ませてから、ステージ2に出発。秋から冬に入る野辺山の青い空が広がっていた。ステージ2は終盤まで八ヶ岳付近の雄大な山々を遠くに眺めながら、のどかな公道を進んだ。クライマックスは終盤の2回目のタイム計測区間だ。距離は3.1kmだったが、序盤は深い泥の轍が続いていた。多くの出場者が通った後の道は、どこを通っても足をとられそうで、実際に30C前後のタイヤのシクロクロス車で挑戦している参加者はバランスを崩したり、止まったりして大変そうだった。

泥に苦しんだステージ2のタイム計測区間 Photo: Kenta SAWANO 
足元をしっかり支えてくれたGRXのグラベル用ホイール「WH-RX570」にヴィットリアのグラベル用タイヤ「Terreno DRY」47C Photo: Kei TSUJI 

 一方、私はGRXのグラベル用ホイール「WH-RX570」にヴィットリアのグラベル用タイヤ「Terreno DRY」47Cを履かせていたため問題なし。MTBばりに安定感抜群で、どのラインを選んでも、滑ったりすることなく、軽いギアで戦車のように泥の間を進んでいった。グラベルゾーンも考慮し気圧は1.8bar。チューブレスであることもあり、パンクのリスクも少なく精神的にも最後まで安心して走れたのも大きい。

最後のタイム計測区間を抜けると、天国のような牧草地帯が歓迎してくれた Photo: Kei TSUJI 

 悪路を走り切った参加者を迎えたのが、このイベントのために開放された美しい「海ノ口牧場」。八ヶ岳をバックに牧草地が広がり、遠くに最後のエイドとなるラファの移動式カフェが見えた。そこに設定されたタイム計測区間のゴールまで、景色は美しいが、実はここが最後の芝生のヒルクライム区間だった。深い芝生に足をとられるようなシチュエーションでも47Cタイヤのアドバンテージを生かし、滑りやすい芝生をしっかり捉え、計測区間のフィニッシュラインを通過した。

安定した走行を支えてくれたGRXのグラベル用ホイール「WH-RX570」  Photo: Kei TSUJI
初参加の「野辺山グラベルチャレンジ」をノートラブルで余裕のゴール Photo: A.HARUYAMA

 ここからはゴールの滝沢牧場まで、リズムの良い舗装路のアップダウンをクリアしながら、少しずつ下っていく。グラベルイベント出場は初めてで、普通よりブレーキを多めにかけた1日。速度調整でGRXのレバーを軽く握りつづけていたが、レバーの指が当たる部分の平面の面積が広く、とても指をかけやすく、軽い引きで速度調整でき、長い下りでも疲れが少なかったように感じる。これは転倒の防止にも役立つだろう。

気持ちの良いついつい笑顔になる一日だった Photo: Kei TSUJI 

 最後はDJがらぱさんの「お帰りなさい。お疲れ様でした~」という暖かい声に、手を振ってゴール。全身も泥だらけながらノートラブル、ノーストレスで最後までグラベルを思う存分、楽しみ尽くすことができた。それも、あらゆる条件下でもしっかり止まって、しっかり変速できるGRXコンポーネンツのおかげ。泥だらけになったバイクを眺めながら、次はどこへ出かけようかと、次の旅に思いを馳せた。

(提供:シマノセールス)

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