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入門!自転車栄養学<6>サイクリストの天敵・脚ツリ対策 原因を知って栄養面から予防策

by 河南こころ/Kokoro KAWANAMI
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 今回のテーマは、私も時折悩まされる「脚の攣り(つり)」です。私の場合は就寝中に起こるもので、痛いけど眠たいので処置も適当となり、無理やり寝てしまうと翌朝は歩行に支障をきたすほどの筋肉痛になっていたことも。足のつりを軽く考えてはいけないと、身をもって体験しました。ですが、この脚つり、起こる理由がわかると予防策がとれるんです。

サイクリストの天敵、脚つりを予防するには? Photo: Shusaku MATSUO

筋収縮の動きにカルシウムが関与

 そもそも「脚がつる」という現象は、脚の筋肉が痙攣している状態です。筋痙攣の原因は疲労や冷えのほか、栄養面から見ると水分やミネラルの不足と考えられています。特に長時間の運動や猛暑での運動は発汗量が多くなることによって、体内の水分量がどんどん減っていき、水分不足となってしまいます。また、汗は水分だけでなくミネラルも含んでいますので、汗をかくと体内の水分とミネラルの両方が体外へ出ていってしまうことになります。

 筋肉は水分を多く含んでいますので、体内の水分が不足してしまうと筋肉がスムーズに動かなくなることが想像できると思います。そしてミネラル(特にカルシウム)も筋肉をスムーズに動かすために必要なものとなります。

 筋肉を細かく見ていくと、最終的には「アクチン」と「ミオシン」という2つのタイプの筋フィラメント(細かい糸状の構造)となります(いきなり難しい話ですみません)。筋フィラメントの働きによって筋収縮が起こるのですが、この筋収縮の動きにカルシウムイオンが大きく関与しています。カルシウムは骨を作る材料として認識されていますが、実は筋収縮の調節にも関わっているのです。

 なので、発汗量が多いサイクリストは、水だけでなくスポーツドリンクを飲むようしてミネラルも一緒に補給するようにしましょう。もちろん普段の食事からもきちんとミネラルをとることも大切です。

摂り損ねがちな副菜等にミネラル

 ダイエット目的で自転車に乗られていたり、パフォーマンスアップのために減量をしているサイクリストもいらっしゃると思いますが、食事量が少ないとたんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が不足する可能性が高くなります。いかに摂取エネルギーを抑えて、栄養素は充足するよう摂取するか?というちょっと難しい問題になってきます。

 こんな時は、まず調理法を考えてみましょう。焼く、蒸す、煮る、茹でるなど油を使わない調理法がオススメです。あとは、私が思う食事の基本「バランス良く食べる」こと。“主食・主菜・副菜・乳製品・果物”の5つを毎食揃えるように心掛けます。なかなか取り入れにくい(忘れがちな)副菜・乳製品・果物にミネラルやビタミンが多く含まれています。

バランスのとれた食事例。栄養別に見ると… 画像提供: 河南こころ
摂り損ねがちな副菜やデザート類にミネラルが豊富に含まれている 画像提供: 河南こころ

 もし食事でとれなかった時は、間食として乳製品や果物をとるようにしてみてはどうでしょうか? 私は管理栄養士という立場でアスリートをサポートさせてもらっていますが、まず「食事は美味しく・楽しく」だと思っています。楽しく食べて、皆さんの楽しいサイクルライフが続きますように、陰ながら応援しています。

 連載『自転車栄養学』での私の担当は今回が最終回となります。短い期間でしたが、ありがとうございました。次回以降の後任は自身もサイクリストという、当連載にとって非常に適任な管理栄養士が担当しますので、引き続きどうぞお楽しみに!

河南こころ
河南こころ(かわなみ・こころ)

管理栄養士。女子フィギュアスケートバンクーバー五輪銀メダリスト、男子バレーボールVプレミアリーグ所属チーム、ラグビートップリーグ所属チームなどを栄養面からサポート。ロードレースチームの「シマノレーシング」を担当していた経歴をもち、現在も「シマノ鈴鹿ロードレース」で開催される栄養講座の講師を務めている。現在はオリックス・バファローズとフルタイム契約でどっぷり野球漬けだが、自転車ロードレースの主要な国内レースは常にチェックしているというロードレースファン。

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