日本人選手の採用も今後検討「NTTプロ・サイクリング」が都内で来季方針と新ウェアを発表 テクノロジーでチームを強化

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 UCI(国際自転車競技連合)ワールドチームのチーム ディメンションデータが2020年、チーム名を「NTTプロ・サイクリング」へ変更するにあたり11月12日、東京都・大手町で記者会見を開いた。NTTはスポンサーにとどまらず、技術パートナーとしてチームにテクノロジーリソースを提供してくことを発表。データを活用したトレーニングや戦略の提案を取り入れ、レースでの勝利を目指す。

新しいウェアとともに会見に臨んだ選手たち。左からヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー)、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)、ミケル・ヴァルグレン(デンマーク)、ニコラス・ドラミニ(南アフリカ)、サミュエレ・バッティステッラ(イタリア)、ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア) Photo: Kenta SAWANO

NTTブランドを前面に押し出す

 チームはUCIワールドチームライセンスを獲得した2016年から、NTTグループであるディメンションデータのスポンサーを受けて活動。また一方でディメンションデータは、ツール・ド・フランスの大会側にもITソリューションサービスを提供している。リアルタイムのスピードや選手のパワーといったレースデータを解析し、放送局を通じてロードレースファンへ情報を届けてきた。今季はNTTとして同レースにサポートし、データ活用だけでなくモバイル端末やアプリケーションの提供を行っていた。

東京都・大手町で記者会見が開かれた Photo: Kenta SAWANO
NTTグループ31社が統合された「NTTリミテッド」 Photo: Kenta SAWANO

 NTTは今年6月、グローバルで事業を展開するにあたり、ディメンションデータやNTTコミュニケーションズの海外事業といった企業を統合。従業員数4万人、110億ドルの規模になる「NTTリミテッド」を発足させた。リブランディングに際し、サポートを続けてきたチームの名称や体制も変化させたという。

日本の街中を彷彿とさせるビジュアルも公開 Photo: Kenta SAWANO

 NTTリミテッドのエティエンヌ・ライネック氏(CTO)は「イノベーションはビジネスだけでなく、スポーツにも良い影響を与えます。例えばロードレースでもデータを収集し、解析することでトレーニングプログラムも変わるでしょう。ただのスポンサーではなく、会社として大きく貢献をしたいと思います」と積極的にチームへ関わる姿勢を明かした。

チームの取り組みについて説明する代表のダグラス・ライダー氏 Photo: Kenta SAWANO
「データを活用した取り組みはチームをさらに成長させる」と述べたエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー) Photo: Kenta SAWANO

 会見のために来日した選手は6人。NTTのロゴマークが施された新しいチームウェアに身を包んで登場した。来季から加入するヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー)のほか、今年の世界選手権ロードU23(23歳未満)を制したサミュエレ・バッティステッラ(イタリア)はアルカンシエルジャージを着て臨んだ。

NTTのロゴマークが大きく入った新チームウェア Photo: Kenta SAWANO

 NTTがもたらすソリューションについてエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)は「データの解析は我々のトレーニングの質を変えるでしょう。チームはさらなる成長にフォーカスしており、すでにヘッドコーチのダニエル・グリーンはデバイスやデータを活用し、トレーニングプランを組み立てています」と説明した。

来季もチームバイクはBMC製に Photo: Kenta SAWANO
アルカンシエルジャージにサインをするサミュエレ・バッティステッラ(イタリア) Photo: Kenta SAWANO

 日本でのスケジュールについて「オリンピックコースには下見と写真撮影のために少しだけ行く予定。日本での滞在はとてもエキサイティングだね」と明かした。来季の目標としてはクラシックシーズンでの活躍と、ツール・ド・フランスでのステージ勝利を狙うという。

チームの意思決定をデータがサポート

 同社のピーター・グレイ氏(シニアヴァイスプレジデント)は具体的な取り組みを明かした。「アスリートが最適なコンディションを保つため、一つのプラットフォームで共有していきます。選手はシーズン中、世界中に散らばっていますが、選手の健康状況をモバイルアプリを通じて把握し、トレーニングプログラムをコーチやメディカルスタッフが指示できる体制を作ります」

チームへの積極的なリソース提供を行うと発表したピーター・グレイ氏(NTTリミテッドシニアヴァイスプレジデント) Photo: Kenta SAWANO

 「データアナリティクスや機械学習を活用し、チームが最も効果的に活動できるリソースの配布も予定しています。どのレースでどの選手が最も活躍に適しているのか、レースを最適に走る戦略、また、選手獲得のためのプロフィール解析などチームの意思決定に良い影響を与えるでしょう。NTTがイノベーションを提供し、現場のスタッフが判断をする流れです」と説明した。チーム代表のダグラス・ライダー氏もNTTのサポートを歓迎し「最終的には経験を持つ現場が判断するが、NTTからのデータはより良い意思決定に繋がる」とコメントした。また、チームの来日に際して一部の日本人選手や大会オーガナイザーと会う予定があることも明かした。今後、日本人との連携予定もあるという。

NTTリミテッドの種田哲也氏 Photo: Kenta SAWANO 

 NTTリミテッドのマーケティング担当・シニア・バイス・プレジデントの種田哲也氏は、日本でどうやってチームの活動を認知させていくかという質問に対して、「まず日本でこのスポーツの人気を出していくか。今はオリンピックの直前ですごくタイミングが良い。ライダー氏も言っていたが、日本人の選手を獲得することができれば、我々のチームの注目度もあがっていくし、自転車ロードレースがより日本でも市民権を得ていくと考えています」と展望を話した。

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