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旅サイクリスト昼間岳の地球走行録<42>海外ツーリングでも妥協しない 美味しくて効率の良いキャンプ飯と日本食

by 昼間岳 / Gaku HIRUMA
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 旅の前半と後半で、走行中の自炊について大きく変わった事が二つある。一つ目はタッパーを買い、夕食を二食分作り半分は翌日の昼飯のお弁当にしたことだ。もちろん暑い国は痛むのでやらなかったが。それまでは自炊の昼飯はほぼ全てインスタントラーメンだった。手軽で簡単だが、荷をほどきバーナーを用意して、食べて片づけてパッキングをしてと、非常に手間がかかるし、そもそも飽きるし体にも良くない。メキシコなどではライムを絞ったり、寒い国ではバターを入れたり、「味の素」が手に入ればコクを出したり飽きないように試行錯誤したが、結局は気休めにしかならなかった。

宿で大量にキーマカレーを作り、翌日のお昼用にサンドイッチとして取り分ける Photo: Gaku HIRUMA

お弁当で燃料・水・時間を節約

 タッパーでお弁当を携行するメリットは非常に大きかった。まず燃料と水の節約になること。野宿では基本的に水は補給できないので、このメリットは非常に大きい。夕食時にいつもの2倍の料理を作って取り分けるだけなので、手間もかからず良いことづくめだ。さらに昼食の時間が短くなり、その分の時間を走ったり昼寝に使えるのは大きかった。

お昼をお弁当にすると、時間がかなり有効活用できる Photo: Gaku HIRUMA

 そして、2つ目が野宿で米を炊くようになったこと。先ほど書いたが、野宿ではできるだけ水を節約したい。日本だったら精米の精度が高いので、米を研がなくても美味しいご飯が炊けるが、海外の米は研がないとぬか臭さが消えず、美味しくなかった。僕は日本式の炊飯しか知らなかったので、米を水で研いで捨てるという作業が勿体無く思え、野宿では敬遠して、水の補給が容易な国以外ではほとんど水を最小限に抑えたパスタしか作らなかった。

“食革命”を起こしたピラフと「だしの素」

 ところが、アルゼンチンで出会ったサイクリストに油で炊き込むピラフを教わってからは、野宿でも米をよく炊くようになった。最大のメリットは米を研がずに美味しいお米が出来るので、水の節約になるということだった。パスタより少ない水で米が炊けるというのは、ものすごく衝撃的だった。

生米を研がずに油で炒めるピラフは、目から鱗のやり方だった Photo: Gaku HIRUMA

 まず米を研がずに油で炒めるという点。こうすることによってぬか臭さが消え、美味しいご飯に炊きあがる。米と野菜、肉(手に入れば)を、米が半透明になるまで炒めたら、水を入れる。野宿なので分量は適当だが、水が多ければリゾット風に、少なければ炊き込みご飯風になるだけなので、あまり気にしない。

 コンソメ等で味を付けたら、炊き上がるのを待つだけ。白米の炊飯と違い、途中で蓋を開けても問題ないので、炊き上がりが不安だったら蓋を開けて確認できるし、油で炊いてるので焦げ付きにくいと、まさにサイクリストの走行中の自炊にピッタリだった。

豚の角煮はコーラとだしの素で作る。日本では割と知られたコーラ煮だけど、欧米人の驚くリアクションも楽しい。その後試食させてあげると毎回感激してくれた Photo: Gaku HIRUMA

 コンソメであれば世界中のスーパーや商店でも買えるので、洋風の味付けであればピラフ以外にも使えて重宝した。

 それでもやはり日本食を食べたくなるのが日本人だと思う。短期の旅行などでは、日本からインスタントの味噌汁やレトルト食品を持っていく人もいるとは思うが、長期旅行で持っていくとしたら「だしの素」を持っていくことをお勧めする。

自炊をしていると市場歩きがぐっと楽しくなる。自炊好きなサイクリストは世界遺産よりもまずスーパーと市場へ向かう Photo: Gaku HIRUMA

 粉末で軽い「だしの素」はまさに海外ツーリング向きで、親子丼や牛丼、ソーメンのツユや和風の炒め物などなど、入れるだけでなんとなく日本食っぽく作れる優れものだった。世界中のホステルやゲストハウスには大体キッチンが付いているので心ゆくまで日本食を作れるし、海外の市場を歩いて見知らぬ食材と和の調和を考えながら物色し、宿に帰ってのんびりと調理するのはものすごく楽しい作業だった。

昼間岳昼間岳(ひるま・がく)

小学生の時に自転車で旅する青年を見て、自転車で世界一周するという夢を抱いた。大学時代は国内外を旅し、卒業後は自転車店に勤務。2009年に念願だった自転車世界一周へ出発した。5年8カ月をかけてたくさんの出会いや感動、経験を自転車に載せながら、世界60カ国を走破。2015年4月に帰国した。『Cyclist』ではこれまでに「旅サイクリスト昼間岳の地球写真館」を連載。ブログ「Take it easy!!

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