プロダクトレポートドレスアップ&軽量化 マニア心をくすぐるKCNCの製品たち

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クイックシャフトは軽量化チューンアップの定番だクイックシャフトは軽量化チューンアップの定番だ

 1990年代後半に訪れたMTBブームとともに、アルマイト加工(陽極酸化処理)によって彩色された軽量アルミパーツが登場し、ライダー達はこぞってカラフルなパーツへと交換していった。筆者自身も少ないバイト代を握り締めては、バイクショップに足繁く通ってパーツを買い求めていたものだ。

 現在はコンポーネントパーツの専用設計化が進み、純正外の部品を使用する事をメーカーが推奨しなくなってきていることもあり、カスタムパーツを製造するメーカーは少なくなってきている。しかし、フレームやホイールなど主要部品を軽量化してしまえば、残された軽量化の道は、小さいパーツの重量を少しづつ削っていくことしかない。究極の軽量化は「チリもつもれば…」なのだ。

 1996年創業のKCNCは、そうした軽量化ニーズに応えるべく、アルミ切削パーツの専業メーカーとして地位を築き上げてきた。かつて群雄割拠したカスタムパーツメーカーを寄せ付けないレベルの、高精度に加工した製品のみを生産している。
 

シマノ10S用ロードカセット

チタン製のスプロケットはアルミ製の物と違った輝きを見せるチタン製のスプロケットはアルミ製の物と違った輝きを見せる

 このスプロケットをご覧いただきたい。とにかく「軽い」の一言。展示品の重量を計測することはできなかったが、手で持った瞬間にわかるほどの軽さである。軽量化がタイム短縮に直結するヒルクライムにおいて、これは武器になるはずだ。決戦用ホイールに取り付ける「決戦用スプロケット」といっても差し支えないだろう。

アルミ製のアームは極限まで肉抜き加工が施されているアルミ製のアームは極限まで肉抜き加工が施されている

 ギアの歯はチタン製、裏側のアームは7075アルミニウムを塊から削り出したものだ。アームの各ギア板を止めるピンの脇まで徹底的に削りこまれている。これ程までに凝った加工がなされているのに、バイクに組み付けたら全く見えない。全力でヒルクライムを駆け抜けた後には、取り外して綺麗に清掃し、熱い走りを思い出しながら晩酌を楽しむのもいいだろう。税込5万400円。

シマノ10S用ロードカセット(ライトウェイプロダクツ ジャパンHP)
 

チタニウムジョッキーホイール

 この小さな部品に考えられる限りのテクノロジーが詰め込まれている。まるで、アクセサリーなのではないか?と思えるほど美しい仕上げだ。ベアリングのアルマイトの輝きが、デザイン上のアクセントとして効いている。

セラミックベアリングを採用したチタン製の「究極のプーリー」セラミックベアリングを採用したチタン製の「究極のプーリー」

 1個あたりのお値段は、なんと1万8900円。恐らく市場にあるプーリーの中で最高ランクといえる価格で、シマノ・デュラエースのリアディレーラー本体にも迫る水準だ。ディレーラーには上下2個のプーリーが使用されるため、セットで使えばディレーラー本体の値段を大幅に超えてしまう…恐ろしい。

 デイレーラープーリーの歯の素材は通常、樹脂が多い。チェーンによる摩擦が大きい事と、消耗品でもあるからだ。しかしこのプーリーの素材はチタニウム。対磨耗性と摩擦を軽減させるDLC(ダイアモンド・ライク・カーボン)という表面処理がされている。

 自転車の回転部分で「一番速く回転する部品は何処か?」というと実はディレーラープーリーである。この部分には高負荷・高回転に強いセラミックベアリングが採用されている。すべてにおいて抜かりはない。ディレーラーはクランクに次ぐ自転車の「顔」とも言えるパーツなので、カスタマイズによるドレスアップ効果も高いだろう。

チタニウムジョッキーホイール(ライトウェイプロダクツ ジャパンHP)
 

ロード C ブレーキ CB1

 乗鞍などのヒルクライムレース会場で、このブレーキを目にした人は多いことだろう。とにかく「軽い」の一言。そしてこのメカニカルな切削痕と無骨な造形に心を奪われてしまう。重量はデュラエースと比較すると約半分の150グラム(前後セット)しかない。

軽量ブレーキの代名詞とも言えるROAD C BRAKE。ヒルクライムレースでは目にする事も多い軽量ブレーキの代名詞とも言えるROAD C BRAKE。ヒルクライムレースでは目にする事も多い

 冷間鍛造されたデュラエースと比較すると、剛性は落ちるためヒルクライム向けとも言える。抜群の軽量性に、ブランドイメージも相まって存在感は別格。ヒルクライムレース会場で多く見かけるのも頷ける。

 また、美しく個性的なルックスは、シンプルな街乗りバイクのカスタマイズにも相性が良いだろう。昨今、ブレーキ装着の是非が叫ばれる「ピスト」にも、このブレーキならお洒落でカッコいい。税込3万9900円

ロード C ブレーキ CB1(ライトウェイプロダクツ ジャパンHP)
 

カンチレバーブレーキ 7075アルミ

 シクロクロスが盛んな現在は、このブレーキは恐らくシクロクロス車に装着するライダーが大半であろう。形状もシクロクロスに最適なクリアランスの大きいものが採用されている。シクロクロスはバイクを必ず担ぐので、バイク本体の軽量化は重要だ。こういった軽量ブレーキは見た目以上の効果がある。タイヤのグリップも低いので、ロックさせないようにブレーキの効きを抑えたセッティングにする事も多くあるので、軽量化による剛性の低下も影響は少ないだろう。実戦的なレーシングパーツと言える。

マニア心をくすぐるパッケージングもKCNCの魅力のひとつマニア心をくすぐるパッケージングもKCNCの魅力のひとつ
こういった小物の一つでも丁寧な切削加工がなされているこういった小物の一つでも丁寧な切削加工がなされている

 個人的なノスタルジーを掻き立てられたのは、ワイヤー受けである。切削加工がふんだんに施された部品には、MTBブーム時代のカスタムパーツを思い起こさせられる。

 街乗り中心にシクロクロス車を組んでいるライダーにとっては、バイクの見た目をポップに仕上げるのに最適なパーツだろう。すべてのパーツが綺麗に箱に収まっている様は、持っているだけでほおが緩んでしまいそうだ。税込4万7250

カンチレバーブレーキ 7075アルミ(ライトウェイプロダクツ ジャパンHP)

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 「機能一辺倒」といったカーボンパーツが多い昨今、KCNCは個性的な魅力を放っている。ヒルクライム用決戦バイクの製作においても、注目のパーツブランドであることは間違いない。(レポート 鈴木良則)

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