現役最多・通算157勝の名スプリンター37歳グライペルが来季ワールドチーム昇格のイスラエルサイクリングアカデミーに移籍

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 アンドレ・グライペル(ドイツ、アルケア・サムシック)が、来季よりカチューシャ・アルペシンのワールドツアーライセンスを引き継ぐ形でワールドチームに昇格するイスラエルサイクリングアカデミーへの移籍を発表した。通算157勝は現役最多、さらにグランツール区間22勝を誇る名スプリンターが新天地での復活を目指す。

2年ぶりのワールドチーム復帰となるアンドレ・グライペル。写真は2016年ジロ・デ・イタリア第5ステージ Photo: Yuzuru SUNADA

2019年シーズンはわずか1勝のみ

 グライペルは2006年にドイツ籍のTモバイルチームでプロデビューを飾ると、チーム コロンビア・HTC時代の2009、2010年と2年連続で20勝以上をあげるトップスプリンターとして活躍した。2011年からオメガファルマ・ロット(現ロット・スーダル)に移籍して以降も、コンスタントに10勝以上をあげていた。

 そのパワフルなスプリントと、屈強な体格から「ザ・ゴリラ」のあだ名がつき、2017年にはゴリラの着ぐるみに扮装して『GO GORILLA』というポップチューンを熱唱。

 楽曲はiTunesで販売し、その売上は自身の母親も患っていたALS(筋萎縮性側索硬化症)と戦う人たちのために寄付するとのことだった。グライペルはシーズン中も母親の看病のために、自宅から実家まで数百キロを往復することも多々あった。しかし、闘病の末、母親は2017年末に他界した。

アルケア・サムシックでは思うような活躍を見せられなかった Photo: Yuzuru SUNADA

 そうして、2018年オフには8年在籍したロット・スーダルを離れ、フランス籍プロコンチネンタルチームのアルケア・サムシックと2年契約を結んだ。

 しかし、1月に行われたアフリカ・ガボンで行われたレースで移籍後初勝利を飾ったものの、以降のレースでは全く奮わず。ツール・ド・フランスでは第21ステージで6位となったのが最も良い着順で、プロデビュー以来17回出場したグランツールでワーストの結果となってしまった。すると、10月1日にアルケア・サムシックとの2020年の契約を破棄したことを発表。また、ツール参戦前より細菌感染症を患っていたことも明らかにしていた。

 去就が注目されるなか、11月5日にイスラエルサイクリングアカデミーへの移籍を発表。同チームはカチューシャ・アルペシンを吸収合併する形で2020年シーズンよりワールドチームへの昇格が決まっていた。グライペルにとって、2年ぶりの大舞台復帰となる。

 チームはグライペルの経験がチームにプラスの効果をもたらすだけでなく、昇格1年目のシーズンで勝利できる選手として期待しているようだ。

 プレスリリースのなかで、グライペルは「私は過去を振り返る人ではありません。未来のことを考えて、ここからスタートしたいと思っています。そして、勝利するために全力を尽くします」とコメントしている。

未だに多くの選手が来季の去就未定

 徐々に2020年シーズンの登録選手が確定するチームが出てくるなか、2019年にワールドチームに所属した選手のうち、依然として46人もの選手が来季の契約を手にしていない状況だ。特に30歳以上の実績豊富な選手が多く含まれている。

 イスラエルサイクリングアカデミーに吸収されたカチューシャ・アルペシン所属の選手の多くが去就未定となっており、イスラエルサイクリングアカデミーもまだ10人程度は登録選手に空きがある状況であるため、年内には去就が決まる選手もいるだろう。しかし、それでもざっと数えて20人近くは去就未定のまま年を越しかねない状況となっている。

2020年以降の契約がない主な選手

 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)
ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、モビスター チーム)
ローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ)
サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト)
ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)
サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)
カルロス・ベタンクール(コロンビア、モビスター チーム)
イエール・ファネンデール(ベルギー、ロット・スーダル)
アンドレイ・アマドール(コスタリア、モビスター チーム)
エンリーコ・バッタリン(イタリア、カチューシャ・アルペシン)
ニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)
リック・ツァベル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)
ルイス・フェルファーク(ベルギー、チーム サンウェブ)
ハリー・タンフィールド(イギリス、カチューシャ・アルペシン)

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