DI2+スチールで快適仕様に話題の新コンポーネンツ、シマノ「GRX」でグラベルロードを組んでみた

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 未舗装路をハイスピードで駆け抜ける新ジャンル「グラベルロード」。トレンドを加速すべく、シマノからグラベルアドベンチャーコンポーネンツ「GRX」シリーズが発表された。しかし、グラベルに必要な性能やメリットって何であろうか? 素朴な疑問に答えるべく、Cyclist編集部でグラベルロードを組み立て、グラベルイベントに挑戦する。

話題のグラベルアドベンチャーコンポーネンツ「GRX」でバイクを1台組んでみた Photo: Kairi ISHIKAWA

組付時に各部の特徴をチェック

 GRXは大きく分けて3つのグレードで構成されている。電動コンポーネンツ(DI2)仕様のRX815系、機械式変速に油圧ブレーキを組み合わせ、アルテグラグレードに相当するRX810系、そして105グレードに相当するRX600系だ。今回、グラベルロードを組むにあたってチョイスしたのはRX815系。フレームには、フラットマウントディスクブレーキなどの最新規格にも対応するスチールバイク「サーリー・ミッドナイトスペシャル」を選んだ。最新DI2コンポーネンツと、シックな雰囲気を醸し出す細身のフレームを組み合わせ、落ち着いた大人のグラベルロードを目指した。組み上げ後は、人気とともに増加するグラベル系イベントへ積極的に編集部で出場していく予定だ。

グラベルアドベンチャーコンポーネンツ「GRX」 ©SHIMANO
用意したGRXはRX815系。油圧ブレーキにDI2を組み合わせたモデルだ Photo: Shusaku MATSUO

 どうしても普段からオンロード寄りの情報に触れることが多い編集部一同。「何が未舗装路で必要とされる機能なのだろうか」と、いまいちピンとこない部員も。そこで、コンポーネンツとフレームセットから組み上げる“バラ完”の様子を依頼したプロショップで観察。パーツ単体からグラベルに求められる機能や形状、その理由を探った。

ハンドルは12度の角度がついたPRO「ディスカバーミディアムフレアハンドルバー」 Photo: Shusaku MATSUO
レバーの支点が高い位置にあり、軽いタッチで確実なブレーキングが可能に Photo: Shusaku MATSUO

 まずはハンドル周りから組み立てていく。選んだハンドルバーはPROの「ディスカバーミディアムフレアハンドルバー」で、その名の通りバーエンドに向かって末広がりの“ハの字”になるフレア形状となっている。フレアハンドルのメリットは、幅広になったことで、悪路でも車体コントロールが容易という点が一つ。また、フロントにハンドルバッグを取り付けても、レバー操作を邪魔しないことが挙げられる。

 次にGRXのSTIレバーを装着する。「ST-RX815」もレバーが外側にせり出した形状となっており、変速やブレーキング時にレバーへ指が届きやすい設計となっている。変速スイッチはブラケット上部、親指の中ほどで押せる位置にあり、握りこんだままの変速が可能に。握りが細身で、指が3本入るスペースが確保されているのも特徴の一つだ。くっきりと滑り止めデザインもフードに施され、悪路でも確実なグリップを生む。

上ハンドル部に手を置きながら操作できる注目の油圧式サブレバー「BL-RX812」もラインナップ Photo: Shusaku MATSUO

 サブブレーキレバー「BL-RX812」もラインナップされているのが特徴だ。上ハンドルを握ったままでもブレーキングが可能で、わざわざSTIレバーへと手のポジションを変える必要がない。コンパクトでショートなレバーだが、油圧式のため軽い力でしっかりとした制動力を発揮する。長距離派のサイクリストにも嬉しい装備だ。

ブラケット内側にも変速スイッチを設置 Photo: Shusaku MATSUO
レバー類を装着するとロードバイクとは異なった幅広のポジションになることが分かる Photo: Shusaku MATSUO

未舗装路走行で求められる機構

 チェーンがケージ内を通るリアディレーラーには様々な路面状況に対応可能なコンポーネンツならではの機構が備わっている。通常、凹凸ある路面を走行すると、歯車が収まるリアディレーラー下部のプーリーケージが縦方向に動き、チェーンも上下してしまう。変速機能が落ちるだけでなく、チェーンの脱落や様々なトラブルを起こす原因となってしまうため、マウンテンバイク(MTB)のリアディレーラーにはスタビライザーが搭載され、これを防いでいる。GRXはこのスタビライザー機能を取り入れ、悪路走行にも対応。スイッチでON/OFFができ、シチュエーションに合わせて調整が可能となった。

大きなギア比にも対応するキャパシティを持つリアディレーラー Photo: Shusaku MATSUO
スタビライザーを内蔵し、ON/OFFを切り替えるスイッチを擁する Photo: Shusaku MATSUO

 また、ダブル仕様とシングル仕様の2種類が用意されたクランクセットの歯数に基づき、リアディレーラーも最大ローギア34Tの通常仕様と、最大42Tのローギアまで対応する仕様の2種がラインナップ。今回はフロントダブル仕様なのでノーマルの「RD-RX815」を選んでいる。

抜け感とハイテクコンポがミックス

 グラベルロードには太いタイヤが用いられることが殆どで、フレーム接触を避けるためにチェーンステーが外側に逃げる設計となっていることが多い。同時にチェーンもロー側で擦ってしまう可能性があるが、GRXのフロントディレーラーはチェーンラインを延長。FD-RX815-Fは2.5mm拡張したことで、タイヤとチェーンの接触を防いでいる。

太いタイヤを考慮したジオメトリーでも、安定した変速を可能にするチェーンラインを確保 Photo: Shusaku MATSUO
ワイヤレス化したDI2をアプリで設定 Photo: Kairi ISHIKAWA
GRXグレードのグラベル用ホイール「WH-RX570」をチョイス。今回はチューブレスタイヤを装着する Photo: Shusaku MATSUO

 ホイールはGRXグレードの「WH-RX570」を装着する。700Cと650Bのラインナップが用意されているが、乗り心地とコントロール性を重視して650Bをチョイスした。チューブレスリムを採用したモデルなので、今回はもちろんチューブレスタイヤを選んだ。シーラントを適量使用し、一気に空気を入れてビードを出す。グラベルでの乗り心地の良さと対パンク性能を考慮すると、チューブレスタイヤ一択である。

 これらのグラベル専用パーツが、ヘッドセットの圧入やボトムブラケットのタップ立てが終わった真新しいフレームに組付けられていく。最後にDI2のワイヤレスユニットを装着し、タブレットのアプリ「E-TUBE PROJECT」で変速機の設定、チェックを行えば完成だ。

丁寧に組み上げられていくニューバイク Photo: Shusaku MATSUO

 完成したグラベルロードは狙い通り、ハイテク機材とクラシックスタイルがマッチしたクールで、そして遊び心溢れる抜け感を纏った装いとなった。パーツカラーが統一され、全体的にスマートないで立ちに。リム外形が700Cよりも小さく、タイヤ幅のある650Bサイズのホイールが余裕のあるクリアランスを生んだ。これでガンガン未舗装路にも突っ込んでいけるはず。フレームバッグを取り付ければ、思わず旅したくなるスタイリングとなった。

RX815系GRXを組み込んだグラベルロードバイクが遂に完成! Photo: Shusaku MATSUO
初挑戦のグラベルイベントは「野辺山グラベルチャレンジ」! Photo: Kairi ISHIKAWA

 グラベルライドに挑戦する日は11月24日、編集長・澤野が長野県信州エリアで開催される「野辺山グラベルチャレンジ」へと挑む。編集部チョイスのグラベルロードはどのような走りを見せるのか。次回はイベントに参加し、グラベルライドに最適化されたGRXの実力をフィールドで試し、レポートをお届けする。

<2>シマノGRXで分かったグラベルの楽しみ方⇒

(提供:シマノセールス)

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