バイクインプレッション2019爆発的な加速を生む、高トルク型エアロロード BH「G8 Pro」

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
  • 一覧

 「BH」(ビーエイチ)のエアロロードモデルが型を新たに「G8」として登場した。今回インプレッションをお届けするのは、日本仕様のみにラインナップされるリムブレーキ仕様の「G8 Pro」。ブラッシュアップしたレーシングモデルをチェックした。

BHのエアロロードバイク「G8 Pro」 Photo: Masami SATOU

ACRでケーブル類を完全内装

 同ブランドのGシリーズは初代の「G1」が登場した2000年代から進化を重ねてきた伝統のカーボンバイク。当初からセミインテグラルシートポストを採用し、エアロ性能を追求したモデルを世に送り出してきた。モデルの数を重ねるごとに、トレンド織り込みつつ確かな性能アップを果たし、現在の8代目に至る。当然、今作もG7から形状や素材を見直し、新たな金型で製作されている。

ワイヤー類をステムに内蔵するACRシステムを使用 Photo: Masami SATOU
日本のみリムブレーキ仕様がラインナップされる Photo: Masami SATOU
左右に大きく張り出し、ボリュームのあるBB Photo: Masami SATOU

 大きく進化したポイントに、ヘッドへ用いられたACRシステムが挙げられる。ワイヤーやケーブル類をハンドルからステム、ヘッドチューブを通り完全に内装化するシステムで、見た目がスマートになるだけでなく、エアロ性能が向上している。ワイヤーがフォークコラム横を通る関係で、上側のベアリングが1.5インチへ大型化し、ハンドル周りの高剛性化も図られた。

 また、タイヤのクリアランスを確保するために、チェーンステーの幅をスリムにし、剛性確保のため縦方向にボリュームを持たせる形状となった結果、さらなる加速性能の獲得に結びついた。使用するカーボン素材も見直し、適材適所に採用。G7で使用されていた東レのカーボン素材「T800」「T700」に加えて弾性に優れたカーボン素材「M46J」をダウンチューブとシートステーに取り入れられている。

 もともと、ディスクブレーキ仕様のみのラインナップだったといG8だが、リムブレーキのバイクも未だに人気のある日本市場を鑑みて、国内のみG8 Proとしてリムブレーキ仕様が特別にラインナップされたという。ブレーキはダイレクトマウント式で、シートステーに直付けされている。

スプリンターのグライペルも愛用

 BHは筆者がとても好きなブランドである。軽量モデルの「ウルトラライト」も所有し、とても満足していたうえ、エアロロードの前々作「G6 PRO」のインプレを行ったときにはその瞬発力に虜になったほど。ただ、G7は少々方向性が変わったように思えた。確かに軽く、シャキシャキとした味付けで俊敏性は上がったが、トルクをため込んで一気に爆発するような加速感は薄まった印象を持っていた。一定のペースで走り続けるのであればしなやかで乗り心地も良く扱いやすいが、加減速やスプリントシーンではよりかっちりとしたG6の方が好みであった。

トルクをかけると粘りのある伸びやかな推進力を発揮する Photo: Masami SATOU

 今回登場したG8には、好きだったフィーリングが戻ってきていた。大きなギヤでトルクをかけた際の反発力も、形状と素材の変化が効いているのかハッキリと感じることができた。やや華奢に思えたハンドル周りの剛性もACRシステムの恩恵を受けて、頼もしく、しっかりしたものになった。弱アンダーステアでラインのトレースも楽だったハンドリングも磨きがかかった。G7の特徴だったしなやかで軽やかな身のこなしも併せ持ち、高速巡航が得意なオールラウンダーとして生まれ変わっていた。

 BHはプロコンチネンタルチームのアルケア・サムシックも使用している。パワフルなエーススプリンターのアンドレ・グライペル(ドイツ)は一時、ウルトラライトエヴォを使っていたとのことだが、現在はG8を好んで乗っているという。マッシブなスプリンターの力を受け止める性能が備わっている証しだろう。

 ディスクブレーキ仕様も試したところ、こちらも優秀であった。どちらか選ぶのであればディスクブレーキ仕様か。やはりディスクブレーキのメリットは計り知れず、リムブレーキに戻ると戸惑いを覚えるほどだ。しかし、ディスクブレーキへの過渡期である現在、続々とハイエンドモデルからリムブレーキ仕様がカタログから消えるなか、選択肢を残してくれているのはリムブレーキユーザーにとってはありがたい。手元に残るリムブレーキコンポーネントの移設先のフレームとしてG8 Proは十分に推せる一台である。

■BH「G8 Pro」
税抜価格:698,000円(アルテグラ完成車)、368,000円(フレームセット)
サイズ:XS(500)、S(580)、M(620)、L(660)、XL(670)
カラー:レッド/グリーン、マットグレー/ブルー、マットブラック/ブルー

松尾修作松尾修作

サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。

関連記事

この記事のタグ

バイクインプレッション ビーエイチ

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載