ジャパンカップクリテリウム【詳報】写真判定の末、僅差で決着 大規模落車でレース一時中断の波乱も

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 10回目の開催を迎えた「ジャパンカップクリテリウム」。終盤の大規模な落車でレースが一時中断するアクシデントが発生するも、選手たちは再び走り出した。有力選手のアタックが入り乱れるなか、スプリントで抜け出したのは優勝候補に挙げられていた2人。写真判定の末、僅差でスプリンターのエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)が先着した。

ジャパンカップクリテリウムの上位3人。左から2位のソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)、エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)、3位のブレントン・ジョーンズ(オーストラリア、デルコ・マルセイユ・プロヴァンス) Photo: Shusaku MATSUO

前方での落車で集団がストップ

 波乱が起きたのは10周目に突入する佳境のタイミングだった。2.25kmのショートコースを15周するスプリントレースの最中、フィニッシュに向けて位置取り争いが激しさをみせた一瞬に起きた。集団前方左側で落車が発生し、後方から来る選手たちの脚もストップ。先頭は大幅に人数を減らし、それ以外の選手は足止めを喰らう形となった。バイクの破損や怪我で走り出せない選手も多く、レースが止められ一時騒然となった。

宇都宮の目抜き通りを封鎖して開催 Photo: Shusaku MATSUO
詰めかけた観客前をパレードラン Photo: Shusaku MATSUO
観客とタッチしながらパレードする山本元喜(キナンサイクリングチーム) Photo: Shusaku MATSUO

 ニュートラル措置が取られ、協議が行われた結果、残り5周回からリスタートする運びとなり、レースは振り出しに戻された。なお、落車をした選手に大きな怪我はなく、再びスタートラインへとついた。

 ここまで、ニールソン・パウレス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)が持ち前の独走力を発揮し、単独で逃げを決行。スプリンターを擁さないユンボ・ヴィスマはツール・ド・フランス総合3位のステフェン・クライスヴァイク(オランダ)も積極的に動くなど、チームとして揺さぶりをかけていた。また、佐野淳哉やフランシスコ・マンセボ(ともにマトリックスパワータグ)も先頭でレースを展開していた。

スタート前、リラックスした表情をみせた別府史之(トレック・セガフレード) Photo: Shusaku MATSUO
スタートラインにつく新城幸也(バーレーン・メリダ) Photo: Shusaku MATSUO

 メイン集団ではUCIワールドチームのけん引が目立った。別府史之のほかイル・ロンバルディアを制したばかりのバウケ・モレマ(オランダ)、ツール・ド・フランスでマイヨジョーヌを着用していたジューリオ・チッコーネ(イタリア)らトレック・セガフレード勢、新城幸也やスプリンターのソンニ・コルブレッリ(イタリア)擁するバーレーン・メリダ勢が強力にペースメイクし、トップチームとしての格を見せつけていた。

優れた独走力を持つニールソン・パウレス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)が逃げ続けた Photo: Shusaku MATSUO
ソンニ・コルブレッリ(イタリア)を従える新城幸也(バーレーン・メリダ) Photo: Shusaku MATSUO
バウケ・モレマ(オランダ)とジューリオ・チッコーネ(イタリア)が集団をコントロール Photo: Shusaku MATSUO
大規模な落車の影響で一時レースが中断 Photo: Shusaku MATSUO

 波乱の展開からしばしのリスタートを切られると、残す距離も短いことからさらに激しいアタックの応酬となった。号砲と同時にモレマがスプリントのような加速でアタックを仕掛けると、再びパウレスも反応。先頭をけん引する選手が入り乱れる展開にスピードが上がり、集団は縦一列に形を変えて観客の前をハイスピードで走り抜けた。

リスタート後に即アタックを仕掛けるバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) Photo: Shusaku MATSUO
残り少ない周回数のなか、別府史之(トレック・セガフレード)がペースアップで揺さぶりをかける Photo: Shusaku MATSUO

別府、新城がエースをアシスト

 有力チームが前方を固める中、UCIワールドチームに所属する日本人選手2人の走りも光った。別府は単独でアタックを試みる積極的な走りをみせ、新城はエーススプリンターのコルブレッリを従え、最終局面に備えた。

僅差で勝敗が決した Photo: Shusaku MATSUO

 アタックを仕掛けた別府だったが、集団に戻りチームに合流。ラスト1周の最終コーナーから加速し、トゥーンスを力強くリードアウトした。その結果、コルブレッリとの争いを制し、大会初制覇を果たした。第3位にはオーストラリアクリエリウムチャンピオンのブレントン・ジョーンズ(デルコ・マルセイユ・プロヴァンス)が入っている。日本人最高位は5位に入った孫崎大樹(チーム ブリヂストンサイクリング)だった。

 優勝したトゥーンスは表彰式で「非常に僅差の勝利だったが、勝てて嬉しい」とコメント。レース再開後は全力で走り、バーレーン・メリダと逃げを生まないようコントロールをしたことを明かし、別府のサポートが勝利へ繋がったとチームメイトの働きを強調した。コルブレッリは「数ミリでのゴール勝負となったが、僅差で争えたことは素晴らしく楽しいものであった」と振り返った。

 翌20日はいよいよメインレースの「ジャパンカップサイクルロードレース」が午前10時から、森林公園の特設コースで開催される。

■ジャパンカップクリテリウム結果※リスタート後のタイム
1 エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) 13分33秒
2 ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)+0秒
3 ブレントン・ジョーンズ(デルコ・マルセイユ・プロヴァンス)

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