宇都宮森林公園でプロレース前日に熱戦ジャパンカップ・オープン男子は花田聖誠が制す 女子はフォースターが独走勝利

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 宇都宮市にて開催されている「ジャパンカップサイクルロードレース」で使用する森林公園周回コースにて、「オープンレース 男子・女子」が、10月19日に開催された。男子は10.3kmの周回コースを7周する、計72.1kmで争われ、8人による集団スプリントを制した花田聖誠(チームユーラシア・IRCタイヤ)が優勝した。女子は周回コースを3周する計30.9kmで争われ、アラーナ・フォースター(ニュージーランド、ハイアンビション2020.jp)が独走逃げ切りで勝利した。

集団スプリントを制し、初優勝を飾った花田聖誠 Photo:Yuu AKISANE

生き残った8人が僅差のスプリント

 オープンレース前には、大粒の雨が降っていた森林公園だったが、レースがスタートする頃には雨が上がり、時折晴れ間が見える天気へと回復した。オープン男子には学生チーム、強豪クラブチームに所属する選手、Jプロツアーで活躍する若手選手、世代別代表選手などを含む100人以上によるハイレベルな争いが期待されていた。

スタートラインに並ぶオープンクラス男子 Photo: Shusaku MATSUO

 鹿屋体育大学、山中湖シクリスムフォーマションの面々が最前列を確保。レースはスタート直後から、活発な動きを見せ、一時的に逃げ集団が形成されるものの、決定的な逃げには繋がらず。

山中湖シクリスムフォーマションは最前列に並ぶ Photo: Shusaku MATSUO
勢いよくスタートを切るオープン男子 Photo: Shusaku MATSUO

 2周目終了時点で、花田を含む4人の選手が先頭集団を形成。「この逃げが決まるとは思っていなかった。前待ちと、米谷(隆志、昨年の優勝者)選手に先行される展開を避けたくて、最初から仕掛けようとした」と花田自身が振り返る動きを見せたが、3周目の中間スプリントポイントが近づく頃には後続集団に吸収された。

僅差での勝負を制した花田聖誠(チーム ユーラシア・IRC) Photo: Shusaku MATSUO
終盤逃げた福田圭晃はホイール半分の差で先着されるも2位入賞を果たした Photo: Shusaku MATSUO

 4周目に入ると、福田圭晃(山中湖シクリスムフォーマション)、宇佐美颯基(明治大学)を含む4人が先行する展開となった。「勝てる要素があったので逃げた」と、福田自身が振り返ったように、集団に対して50秒ほど差が開いていった。しかし、周回を重ねるごとに4人の逃げは人数を減らして、最終周回に入ったところで、先頭とメイン集団のタイム差は35秒程度となった。

終盤、2人で逃げ続けた福田圭晃(山中湖シクリスムフォーマションン)と宇佐見颯基(明治大学) Photo: Shusaku MATSUO
逃げた2人を追うメイン集団 Photo: Shusaku MATSUO

 しかしほどなくして先頭では宇佐美が失速。福田も「脚には余裕があった。ただ、タイム差が35秒だと、後続は一回もがけば追いつける距離だと思い、一人で行くことはできなかった」と語るように、思った以上に後続集団を引き離せなかったことで、集団に戻る決断をした。

 逃げを吸収した集団は8人まで人数を減らし、そのまま集団スプリントに持ち込まれた。最終コーナーの立ち上がりからロングスパートを仕掛けたのが花田だった。最終周回まで逃げていた福田もスプリントに挑むものの、わずかに及ばず。両手を広げて雄叫びをあげながら、花田が優勝を飾った。

福田圭晃(右)との僅差の争いを制した花田聖誠(中央) Photo: Yuu AKISANE
ゴール後に橋川健監督と喜びを分かち合った Photo: Shusaku MATSUO

 レース後に花田は「スプリントの“かかり”では福田選手に負けると思ったので、コーナー曲がったタイミングから先頭でスプリントすると決めていた。最後は10cmくらいの勝負になって冷や冷やしたけど、勝てて良かった」とコメント。「来シーズンはアンダー最後の年なので、ヨーロッパのレースと日本選手権で結果を残して、ヨーロッパのチームにステップアップしたい」と意気込みを語った。

オープン男子の表彰台 Photo: Shusaku MATSUO

男子オープンレース2019 結果
1 花田聖誠(チームユーラシア・IRCタイヤ) 1時間58分53秒
2 福田圭晃(山中湖シクリスムフォーマション) +0秒
3 床井亮太(作新学院大学)
4 平井光介(エカーズ)
5 小林弘幸(信州大学)

チーム力を生かして独走勝利

 男子オープンレースのスタートした2分後に、女子オープンレースが開始。19人の選手がスタートを切った。

 スタート直後に、前年度王者の石上夢乃が落車するハプニングが発生。石上はそのままリタイアとなった。先頭はハイアンビション2020.jpがコントロールし、11人程度の集団のまま1周回目を終えた。

 古賀志の上りで、ロウラ・ロサーノラミレス(コロンビア、ハイアンビション2020.jp)がペースメイク。集団をふるいにかけ、ダウンヒルに入る頃には先頭が4人程度まで減っていた。下りきって、向かい風の区間に差し掛かったところで、フォースターが抜け出すことに成功。独走に持ち込んだ。

 後続集団はチームメートのブレアンナ・ハルグレイヴ(オーストラリア)、ロサーノラミレス、唐見実世子(弱虫ペダル サイクリングチーム)、西加奈子(LUMINARIA)、榎本美帆(MIVRO)の5人のみとなっており、ハルグレイヴとロサーノラミレスが抑え役として追走を封じ込めていた。

 先頭のタイム差は30秒前後で推移するなか、フォースターは個人タイムトライアルのように踏み続けた。そうして、後続に37秒差をつけて独走逃げ切り勝利を飾った。

独走で勝利を飾ったアラーナ・フォースター(ハイアンビション2020.jp) Photo: Shusaku MATSUO
唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)は3位に Photo: Shusaku MATSUO

 2位争いはハルグレイヴが制し、3位に唐見が入り、かろうじてハイアンビションのワンツースリーフィニッシュを阻止した。

 フォースターは1年前まで医師をしていたホビーレーサーだった。自転車にハマったので医師を辞めて、今シーズンからヨーロッパのUCIチームに加入しながらレースを転戦。来シーズンはアンディ・シュレク(ルクセンブルク)のチームへの加入が決定している。

 「女子レースの価値が高くないなかで、ヨーロッパのレースみたいな盛り上がりがあって、それは大会のボランティアやスタッフの熱意を感じた。ヨーロッパのレースみたいでとても楽しかった。自転車はどんな薬よりも、身体に良い。健康にもなれるし、体質も変わってくるし、なにしろポジティブになれる」と笑顔で語っていた。

笑顔でバイクを掲げるアラーナ・フォースター(ハイアンビション2020.jp) Photo: Shusaku MATSUO
オープン女子の表彰台 Photo: Shusaku MATSUO

女子オープンレース2019 結果
1 アラーナ・フォースター(ニュージーランド、ハイアンビション2020.jp) 57分8秒
2 ブレアンナ・ハルグレイヴ(オーストラリア、ハイアンビション2020.jp) +37秒
3 唐見実世子(弱虫ペダル サイクリングチーム)
4 ロウラ・ロサーノラミレス(コロンビア、ハイアンビション2020.jp) +41秒
5 榎本美帆(MIVRO) +1分31秒

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