アジア最高峰の大会が開幕過去最高レベルの選手が宇都宮に集合 ジャパンカップチームプレゼンテーション

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 宇都宮を舞台にしたジャパンカップサイクルロードレースが10月18日に開幕した。夜には市中心部のオリオンスクエアで出場チームによるプレゼンテーションが開催され、国内外合わせて22チームが集結。過去最高レベルのトップ選手たちが、詰めかけた4500人の前で顔見せ。それぞれレースへの意気込みを語った。

UCIワールドチームに所属する2人、新城幸也(バーレーン・メリダ)と別府史之(トレック・セガフレード)も揃い踏み Photo: Shusaku MATSUO

選りすぐりの国内トップチーム

 日本ナショナルチームはU23代表として活躍するメンバーに加えて、3年ぶりにナショナルチームで走る小林海(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)を据えた布陣。ジャパンカップサイクルロードレースは初出場となる小林は「遠くから応援しにきてくれた人たちのためにも、覚悟を決めて頑張りたい」と語った。

欧州チームに所属する小林海(ジョッティ・ヴィクトリア・パルマ―)がチームを牽引する Photo: Shusaku MATSUO
日本ナショナルチームのメンバー Photo: Shusaku MATSUO

 地元・栃木県に本拠地を置く那須ブラーゼンは、ジャパンカップ用にチームロゴを配したうちわを準備。キャプテンの下島将暉は、2017年のクリテリウムで7位に入っており、「当時は雨のなかカオスなスプリントだった。雨が降ったら期待してください」とコメントした。

地元チームの那須ブラーゼン Photo: Shusaku MATSUO
アジア選手権トラック金メダリストをメンバー入りさせたチーム ブリヂストンサイクリング Photo: Shusaku MATSUO

 トラック競技でも活動しているチーム ブリヂストンサイクリングは、10月17日に行われたアジア選手権チームパシュートで金メダルを獲得した沢田桂太郎、近谷涼を中心にスピードのある選手が揃う。六峰亘監督は、本戦のロードレースはツアー・オブ・ジャパン総合7位の石橋学を中心に戦うと宣言。石橋は「今年は強い選手が来ているので、上位に食らいつけるよう頑張りたい。東京五輪の選考ランキングのポイントを重ねていきたい」と抱負を述べた。

 シマノレーシングは、野寺秀徳監督が「チーム一丸となって全員で掴んだ勝利」と語る全日本選手権で優勝した入部正太朗を擁する。入部は「チーム一丸となってこのジャージに恥じないよう、自分に与えられた仕事をこなして貢献したい」と語り、チーム力で2日間を戦うことをアピールした。

ナショナルチャンピオンを擁するシマノレーシング Photo: Shusaku MATSUO
日の丸のナショナルチャンピオンジャージを纏う入部正太朗(シマノレーシング) Photo: Shusaku MATSUO
登場時にはエースがアシストに指示するシーンも Photo: Shusaku MATSUO

 大声援を受けながら地元・宇都宮ブリッツェンが登場。昨年は強豪チームを差し置き、集団コントロールを担う戦略を見せていたが、清水裕輔監督は「パフォーマンスじゃない。結果を出すためにやった。今年も本気で優勝を狙う」と力強い言葉を残した。また、この日にプロコンチネンタルチームのデルコ・マルセイユ プロヴァンスへの移籍を発表した岡篤志は「ジャパンカップがブリッツェンで走る最後のレース。なんとしてもサポーターの前で良い走りができるよう頑張りたい」とコメントした。

デルコ・マルセイユ プロヴァンスへの移籍が発表された岡篤志(宇都宮ブリッツェン) Photo: Shusaku MATSUO
地元の期待を背負う宇都宮ブリッツェン Photo: Shusaku MATSUO

 キナンサイクリングチームはスポンサーのヨネックス社にちなんで、バドミントンをしながら登場。元・全日本王者の山本元喜は「今シーズンはアジアツアーをいっぱい回ってきて、明日も明後日も目立てるよう、どうにか表彰台に立てるよう動きたい」とコメント。また、今シーズン限りでの引退を表明している雨乞竜己は「現役最後のレースで、納得できる走りをしたい」と抱負を語った。

ヨネックスのラケットでシャトルを観客に打ち込みプレゼント Photo: Shusaku MATSUO
キナンサイクリングチームのメンバー Photo: Shusaku MATSUO

 毎年、パフォーマンスが注目されるマトリックスパワータグが登場。1チームの持ち時間は4分と念を押された安原昌弘監督は「4分で終わるように1時間ミーティングしてきた。雨が降ろうが、風が吹こうが、暑かろうが、寒かろうが、(会場に来ている)あなたたちこそが主役!サンキューエブリバディ!」と、演説を打っていた。また、プロコンチネンタルチームのカハルラル・セグロスエレヘアーへの移籍が決まったオールイス・アウラール(ベネズエラ)を育てた手腕をアピール。「プロコンチネンタルに行きたい人はウチに来てください」とも語った。

マトリックスパワータグ Photo: Shusaku MATSUO
名物の監督節がさく裂した Photo: Shusaku MATSUO
恒例の寸劇が繰り広げられたマトリックスパワータグ Photo: Shusaku MATSUO

 アジアのレースにも活動の幅を広げているチームUKYO。桑原忠彦監督は「今回は、スプリンターのレイモンド・クレダー(オランダ)がお休みなので、日曜のロードレースにかけている。調子が良いのは畑中勇介」とエースを指名。また、U23全日本選手権に加えて、インカレと国体でも勝利した武山晃輔は「今回は1軍のエース中のエースである畑中さんがいるので、お膳立てができるようなレースをしたい」と語った。

国体、インカレ、全日本U23を制した武山晃輔(チームUKYO) Photo: Shusaku MATSUO
チームUKYOのメンバー Photo: Shusaku MATSUO

NIPPOは有終の美を飾れるか

 2013年に出場したジェリーベリーの系譜を継ぐチームで、久々の来日となったワイルドライフ・ジェネレーション。ダニー・ファンホーテ監督は「普段、アメリカではクリテリウムをよく走っているので、土曜のレースを頑張りたい」と抱負を述べ、注目選手としては19歳のライアン・ジャストラブ(アメリカ)をピックアップした。

ワイルドライフ・ジェネレーション Photo: Shusaku MATSUO

 オセアニアチャンピオンジャージを着用して登場したベンジャミン・ダイボール(オーストラリア)を中心としたチーム サプラサイクリング。ダイボールは今年のツール・ド・とちぎ初日のプロローグで勝利、2013年ツアー・オブ・ジャパンの富士山ステージで勝利するなど日本での活躍が光る選手だ。「日曜のコースはタフだけど楽しみにしている。(現在首位の)アジアツアー個人ランキングトップを守るためにも、ベストを尽くしてトップ10に入りたい」と抱負を述べた。

来季NTTへの移籍が決まっているベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、チーム サプラサイクリング) Photo: Shusaku MATSUO
チーム サプラサイクリング Photo: Shusaku MATSUO

 スロベニアのコンチネンタルチーム、リュブリャナ・グスト・サンティックのトーマス・ポリャネック監督は「宇都宮がふるさとのように感じている。我々の哲学は攻めることだ。常にアタックして逃げに乗ることだ」と語り、逃げのスペシャリストとして知られるベンジャミン・ヒル(オーストラリア)は2年ぶりの出場となり、「シーズン後半はこのレースに向けて調子を上げてきた。ここに戻ってこれて嬉しい。全力を尽くしたい」とコメントした。

リュブリャナ・グスト・サンティック Photo: Shusaku MATSUO
タイランドコンチネンタルサイクリングチーム Photo: Shusaku MATSUO

 チーム ノボノルディスクからは、通算6度目のジャパンカップ出場となるシャルル・プラネ(フランス)が「大好きな日本のためにスペシャルなジャージを作ってきた。日本のファンの前で良い走りを見せたい」と抱負を述べた。

特別ジャージで臨むノボノルディスク Photo: Shusaku MATSUO
育成を目的としたベルギーのプロコンチネンタルチーム、ワロニー・ブリュッセル Photo: Shusaku MATSUO

 今季限りで解散が決まっているNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネは、ジャパンカップがラストレースとなる。日本代表として世界選手権にも出場した中根英登は「先週、イタリアの最終戦を終えたばかり。良い調子で走れていたので、その調子が維持できていたらいいなと思う」とコメント。2017年にクリテリウム・ロードレースと連勝を飾ったマルコ・カノラ(イタリア)は「今のチームとして走る最後のレースなので、良い思い出をつくりたい」と語った。

この大会が最終レースとなるNIPPO・ヴィーニ・ファンティーニ・ファイザネ Photo: Shusaku MATSUO
イタリアの最終戦を終え、良いコンディションを持って臨む中根英登 Photo: Shusaku MATSUO
2年前、クリテリウムとロードレースの両レースを制したマルコ・カノラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニ・ファンティーニ・ファイザネ) Photo: Shusaku MATSUO

 ジャパンカップ初出場ながら、日本人選手2人の加入が決まっているデルコ・マルセイユ プロヴァンスは若い選手を多く連れてきた。そのなかでも、以前NIPPO・ヴィーニファンティーニで走っていたイウリ・フィロージ(イタリア)や、直近のレースでステージ優勝を飾ったブレントン・ジョーンズ(オーストラリア)の経験のある2人がチームの中心となる。

来季、日本人選手も所属するデルコ・マルセイユ プロヴァンス Photo: Shusaku MATSUO
クリテリウムスペシャルチーム Photo: Shusaku MATSUO

 2011・2014年にロードレース優勝を飾ったネイサン・ハース(オーストラリア)、2011・2013年にクリテリウム優勝を飾ったスティール・ヴォンホフ(オーストラリア)を擁するクリテリウム・スペシャル・ライダーズが登場。大の親日家であるハースは「日本に来て、3時間しか経っていない。まだ時差ボケにもなってないけど、明日の朝がキツいかもしれない」と語った。昨年限りで現役を引退したヴォンホフは、1年のブランクを感じさせない絞り込まれたボディで登場し「フレッシュな気持ちでいる。明日の夜、また表彰式に上がれるよう、期待してほしい」とコメントしていた。

豪華すぎる選手を揃えたワールドチーム

 ワールドチームのトップバッターにトレック・セガフレードが登場。別府史之だけでなく、一週間前にイル・ロンバルディアを制したバウケ・モレマ(オランダ)、ツール・ド・フランスで大活躍のジューリオ・チッコーネ(イタリア)らの登場に、会場から大歓声が湧き上がった。

台風19号の復興を目的に、募金を呼び掛けた別府史之(トレック・セガフレード) Photo: Shusaku MATSUO

 別府史之は「世界チャンピオンとロンバルディアを勝って、今は強力なチームになっている。他のチームも良いメンバー揃えているので、良いレースになると思う。明日のクリテリウムはエドワード(トゥーンス)と自分の2人を軸にレースを組み立てていきたい」と語った。また、台風19号により大きな被害を受けた地域でレースを行うにあたって、トレックブースに募金箱を設置することも合わせて発表した。

観客にバウケ・モレマら選手からプレゼントが投げ込まれる Photo: Shusaku MATSUO
強力な布陣で臨むトレック・セガフレード Photo: Shusaku MATSUO

 UCIチームランキング首位のユンボ・ヴィスマは、総合優勝を飾ったブエルタ・ア・エスパーニャに出場したメンバー5人を含む、非常に強力なメンバーを揃えてきた。ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ優勝を飾った際、観客とハイタッチしながらフィニッシュをしたセップ・クス(アメリカ)は「(元々やっていた)マウンテンバイクの文化だった」と語り、その表彰台で一気飲みしていたビールが実はノンアルコールだったという舞台裏を明かしてくれた。

ツール・ド・フランス総合3位のステフェン・クライヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) Photo: Shusaku MATSUO
本気度がうかがえる選手を揃えたユンボ・ヴィスマ Photo: Shusaku MATSUO

 昨年に続いての出場となるロベルト・ヘーシンクは「チッコーネ、モレマ、(マイケル)ウッズが強いけど、我々も強い。ぜひ注目してほしい」と力強いコメントを残した。

 ロンド・ファン・フラーンデレン優勝を飾るなど、躍進のシーズンを送ったEFエデュケーションファーストからは、チームGMのジョナサン・ヴォーターズが来日。「シーズンの終わりに、もう一勝したい」と抱負を述べた。今回が現役最後のレースとなるテイラー・フィニー(アメリカ)は引退後にアートをやりたいと語り、「日本が大好きだ。村上春樹が好き。絵を描いたり、音楽、ファッションなどいろんなアートをやりたい」とコメントした。

この大会をもってプロ選手を引退するテイラー・フィニー(アメリカ、EFエデュケーションファースト) Photo: Shusaku MATSUO
マイケル・ウッズ(カナダ)を筆頭に、勝利を目指すEFエデュケーションファースト Photo: Shusaku MATSUO

 2016年以来の登場の新城幸也は、バーレーン・メリダとしては初出場となる。「久々のジャパンカップなので気合いは十分。とても良いメンバーが揃っていて、何枚もカードある。どんな展開でも行ける強みがある」とチーム戦力を分析。エースとして期待のかかるソンニ・コルブレッリ(イタリア)は、「古賀志の上りは2回試走したが、かなりキツい印象を受けたが、個人的には好き」と手応えを感じている様子だった。

「久々のジャパンカップで気合十分」と語った新城幸也(バーレーン・メリダ) Photo: Shusaku MATSUO
スプリントに強いソンニ・コルブレッリ(イタリア) Photo: Shusaku MATSUO
さまざまな展開に対応するメンバーをそろえたバーレーン・メリダ Photo: Shusaku MATSUO
ディフェンディングチャンピオンのミッチェルトン・スコット Photo: Shusaku MATSUO

 大トリには昨年の優勝チームであるミッチェルトン・スコットが登場。昨年は選手として走ったマシュー・ヘイマンは監督として再び来日。「自転車で上るよりは、車で坂を上った方が楽だ」と話し、会場の笑いを誘っていた。また、東京オリンピックのトラック競技でメダル獲得を目指すキャメロン・マイヤー(オーストラリア)は「久しぶりの日本を楽しみたい。日曜日はタフなレースになると思う」と語った。

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