宇都宮の目抜き通りで争われる白熱の集団スプリントワールドクラスのスピードバトル! ジャパンカップクリテリウム有力選手プレビュー

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 いよいよ今週末に、栃木県宇都宮市で第28回ジャパンカップサイクルロードレースが開催される。10月20日(日)の本戦を前に、様々なイベントが催されるが、なかでも19日(土)に開催されるジャパンカップクリテリウムは、もう一つの目玉というべきレースだ。今年で記念すべき10回目の開催となるクリテリウムをプレビューする。

宇都宮市大通りを封鎖して開催されるジャパンカップクリテリウム。国内で世界トップクラスのスピードを体感できる貴重な機会となる Photo: Yuzuru SUNADA

昨年同様に宇都宮駅前の大通りで開催

 レースが行われる場所は、オフィスビルや商業施設が立ち並ぶ、宇都宮駅西口から伸びる宇都宮市大通りだ。上川原交差点から、池上町交差点までの約1.2kmの道路を完全封鎖して開催される。宇都宮の中心地で開催されるアクセスの良さも相まって、年々観客数が増加。かつては1周1.55kmの周回コースで行われていたが、観戦ポイントを増やすために、2016年よりコースは1周2.25kmに延長された。

昨年はミラノ〜サンレモ、パリ〜ルーベ優勝などの経験を持つジョン・デゲンコルプが勝利 Photo: Yuzuru SUNADA

 また、高校生が出場する「ホープフルクリテリウム」、女子選手による「ウィメンズクリテリウム」、そしてガールズケイリンの選手たちによる「ガールズケイリンスペシャルレース」も開催。

 メインイベントである「ジャパンカップクリテリウム」は日曜日に開催される本戦に出場するトップ選手の多くが出場し、周回コースをパレード2周ののち15周する、計38.25kmで争われる。ほとんど平坦であるが、フィニッシュ手前の数百メートルはわずかに上り勾配となっている。また、4、8、12周目に設けられたスプリントポイントで先頭通過した選手も表彰対象となる。

 短い平坦レースとあって、毎年のように集団スプリントに持ち込まれる。特に最終盤、位置取りのために加速する大集団の姿は迫力満点だ。

トップスプリンターを擁するワールドチーム

 参加するワールドチームは5チームだ。なかでもソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)は優勝最有力候補だといえよう。通算25勝をあげている実績と、10月6日に行われたグラン・プレミオ・ブルーノ・ベゲッリで勝利しており、コンディションも上々のようだ。3年ぶりの出場となる新城幸也のサポートにも注目だ。

グラン・プレミオ・ブルーノ・ベゲッリで勝利したソンニ・コルブレッリ Photo: Yuzuru SUNADA

 そして、トレック・セガフレードの別府史之も注目選手の一人となるだろう。史上最多3度目のジャパンカップクリテリウム優勝を目指す。

2015・2016年とクリテリウム連覇を果たした別府史之 Photo: Yuzuru SUNADA

 チームメイトのエドワード・トゥーンス(ベルギー)も有力候補となる。今シーズンは安定した走りで出場全レースで完走しており、さらに9月21日に行われたプリムス・クラシックで優勝しており、秋にかけてコンディションが上がってきている印象だ。

 ミッチェルトン・スコットのディオン・スミス(ニュージーランド)はまだメジャーな勝利はないものの、ワールドツアーでも素晴らしいスプリントを見せており、伏兵として上位に絡んでくるかもしれない。

 EFエデュケーションファーストとユンボ・ヴィスマは豪華メンバーが揃ってはいるものの、本戦を重視したチーム編成でスプリンターは不在だ。そのなかでも、先日、今季限りでの引退を表明したテイラー・フィニー(アメリカ、EFエデュケーションファースト)の走りに注目したいところだ。

カノラを中心に、粒ぞろいなプロコン勢

 プロコンチネンタルチームは4チームが出場。今季限りでチーム解散が決定しているNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネは2017年覇者のマルコ・カノラ(イタリア)を中心に戦うだろう。

2017年に優勝したマルコ・カノラは、同年のジャパンカップ本戦も制した Photo: Yuzuru SUNADA

 そのときは、集団内で落車が発生した影響もあったものの、ラスト700mからのロングスパートを成功させており、終盤の位置取り等、チームメイトのサポートも重要となるだろう。伊藤雅和、中根英登、初山翔、そしてトレーニーの石上優大らの走りにも注目だ。

2017・2018年とカチューシャ・アルペシンに所属していたバティスト・プランカールト Photo: Yuzuru SUNADA

 そのNIPPOが来季からタイトルスポンサーに就任予定のデルコ・マルセイユ プロヴァンスは初出場。ブレントン・ジョーンズ(オーストラリア)は、10月のツアー・オブ・タイフーレイクでステージ勝利をあげており、とても状態が良い。

 同じく初来日のワロニー・ブリュッセルは自転車大国ベルギーを本拠地に置くチーム。高いスプリント力を持つバティスト・プランカールト(ベルギー)をエースに据えて挑むだろう。

 6度目の出場となるチーム ノボノルディスクは、所属選手が全員1型糖尿病患者というチームで、世界中の1型糖尿病患者に勇気を与えるミッションを背負う。残念ながらスプリンターは不在であるが、2010・2012年にハンガリー王者となったペーテル・クストルに注目したい。

決して劣らない国内勢も戦力充実

 海外コンチネンタルチームは4チームが出場。雨澤毅明が所属するリュブリャナ・グスト・サンティックも出場するが、残念ながら雨澤は直前で欠場となってしまった。

 そして、迎え撃つ国内コンチネンタルチームは7チーム。キナンサイクリングチームは、中島康晴・大久保陣・雨乞竜己・荒井佑太とスプリント力の高い選手が勢揃い。中間スプリントだけでなく、国内勢による優勝も期待できる戦力だ。

今季限りで現役を引退する雨乞竜己(2017年ジャパンカップクリテリウムにて) Photo: Yuzuru SUNADA
Jプロツアー総合優勝を飾ったオールイス・アウラール Photo: Nobumichi KOMORI

 マトリックスパワータグは、来季カハルラル・セグロスエレヘアーへの移籍が決まっているオールイス・アウラール(ベネズエラ)に注目だろう。高いスプリント力を生かした積極的な走りを見せたい。

 地元、宇都宮ブリッツェンは小野寺玲がエーススプリンターを務める。同じく高いスプリント力を持つ鈴木龍、シクロクロスで多くの実績を誇る小坂光ら、パワーのあるチームメイトも揃っており、念願の初優勝を狙う。

Jプロツアーの宇都宮クリテリウムでは2連覇を飾っている小野寺玲 Photo: Nobumichi KOMORI

 全日本王者の入部正太朗を擁するシマノレーシングは、スプリントを得意とする黒枝咲哉と中井唯晶に期待がかかる。また地元栃木県に本拠地を置く那須ブラーゼンからは、キャプテンの下島将暉で勝負に挑みたい。チーム ブリヂストンサイクリングは、昨年の中間スプリント賞を獲得した孫崎大樹と、黒枝士揮のコンビネーションに注目だ。

 チームUKYOは本戦に向けたメンバー構成のため、スプリンターは不在となっている。同じく日本ナショナルチームもスプリンター不在だ。

2013年に優勝したスティール・ヴォンホフ(中央)とチームメイトだったネイサン・ハース(右から2番目) Photo: Yuzuru SUNADA

 最後にクリテリウムのみ出場する「クリテリウム・スペシャル・ライダーズ」には、大の日本好きで知られるネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン)と、過去2度のクリテリウム優勝を誇るスティール・ヴォンホフ(オーストラリア)が出場。

 3度目の優勝の期待がかかるヴォンホフであるが、2018年限りで現役を引退しており、当日のコンディションは未知数。また、2017年に競輪選手として初めてジャパンカップクリテリウム完走を果たした渡辺正光は、今季はJプロツアーにも出場するなどロードにも力を入れており注目したい。

歴代ジャパンカップクリテリウム優勝者一覧

2010年:トーマス・パルマー(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)
2011年:スティール・ヴォンホフ(オーストラリア、ジェネシス・ウェルネスアドヴァイザーズ)
2012年:ヤロスラフ・マリチャ(ポーランド、サクソバンク・ティンコフバンク)
2013年:スティール・ヴォンホフ(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
2014年:クリストファー・サットン(オーストラリア、チーム スカイ)
2015年:別府史之(トレックファクトリーレーシング)
2016年:別府史之(トレックファクトリーレーシング)
2017年:マルコ・カノラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)
2018年:ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)

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