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栗村修の“輪”生相談<163>30代男性「疲労を短期間で回復する、もしくは翌日に持ち越さないようにするためには?」

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育児中の通勤ライダーです。朝、子供を保育園に預けてから片道約25km程度自転車通勤しています。

 往復ともにほぼ平坦な道のりなのですが、最近いざ帰ろうとすると往路と比べて脚とギヤが非常に重く感じられる時があります。登園、出社、お迎え時間とそれぞれリミットがあるため、強度高めの走り方になってしまっていて疲労がたまっているからなのかと思いますが、勤務時間中にもできるような疲労を抜くテクニックはあるでしょうか?

 お迎え時間に間に合わせるため、また翌日の出社時間もあわてず安全に走れるように教えていただければと思います。

 よろしくお願いします。

(30代男性)

 ほんわかするような、切実なような、なかなか複雑なご質問です。

 まずもっとも大事なことからお伝えするとですね、1日50kmの「強度高め」のトレーニングというのは相当ハードです。週末を完全休息日にするとしても、月1000kmを高強度で走るわけですから、これはもうホビーレーサーとしてかなりのレベルです。

 まあ、短時間・高強度は今の流行りではあるんですが、プロ選手でも毎日やると疲弊します。質問者さんが疲れるのも無理はありません。

 なので、疲れを軽減するためには強度を落とせばいいのです。仮に片道25kmを1時間で走っているならば、少しペースを落として1時間10分で会社に着くようにする。それだけでぜんぜん違うはずです。

 プロ選手だって毎日死ぬまで追い込んでいるわけじゃなく、TSS(トレーニングストレススコア)やCTLといった数値で疲労度をコントロールしているわけですよ。無理はいけません。

 が、たぶん、これだけでは答えになってないですよね。質問者さんはお子さんの登園、出社、お迎えというハードなステージレースに参加されているわけですから、単にペースを落とすだけでは脚切りを喰ったり、監督(奥様)に怒られたりする恐れがあるんでしょう。

疲労回復のプロ、ツール・ド・フランス通算4回の総合優勝を誇るフルームにとっても、育児は“とてもハードなスポーツ”だそう Photo: Yuzuru SUNADA

 だったら、簡単なストレッチや食事、サプリで工夫するしかないのですが、話はそう簡単ではありません。もちろんこういった工夫は大切なんですが、疲労を全て吹き飛ばすほどの効果はないでしょう。

 そこで僕がお勧めしたいのがe-BIKE(電動アシストスポーツ自転車)です。日本人サイクリストにはまだe-BIKEに抵抗がある方もいそうですが、e-BIKEブームは世界的な流れです。スポーティーでいいバイクがたくさん出ていますよ。車体重量も軽くなり航続距離もどんどん伸びています。

 現状、日本国内では時速24km/hでアシスト機能がオフとなるのでほぼ平坦な道のりの質問者さんには物足りないかもしれませんが、それでも、信号の立ち上がりやちょっとした上り坂、そして向かい風など、疲労の原因となるシチュエーション下では確実にアシスト機能が働くので、強い疲れを感じる時はアシストモードを「強」にすると運動強度を調整することが可能となります。もちろん脚がフレッシュな時はアシストモードをオフにすれば普通の自転車として走れます。

 なので、毎日ロードバイクに乗るのではなく疲れてきたらロードタイプのe-BIKEも投入して、疲労度を調整されてはいかがでしょうか。実は最近の僕は毎日のようにe-BIKEという新しい可能性を持った自転車の使い道を考えているんですが、質問者さんのおかげで、疲労度の、もっと格好良くいえばTSSの調整にも使えることに気づきました。

 クリス・フルームもどこかで言っていたように育児はとてもハードなスポーツですから、質問者さんやその奥様はアスリートだと言えるでしょう。ならば、疲労度の管理は絶対に必要です。

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまで、タイトルを「輪生相談質問」としてお寄せください。

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