Jプロツアー第20戦「まえばし赤城山ヒルクライム」はトリビオが優勝 2位マンセボでマトリックスがワン・ツー

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 国内最高峰のロードレースツアー、Jプロツアーの第20戦「第3回JBCFまえばし赤城山ヒルクライム」が9月29日、群馬県前橋市の前橋合同庁舎エリアから赤城山総合観光案内所までの21.5kmで開催され、レース中盤過ぎに先行した5人の集団から終盤に抜け出したホセビセンテ・トリビオとフランシスコ・マンセボ(ともにスペイン、マトリックスパワータグ)がワン・ツーフィニッシュを達成。年間ランキングで個人、チームともに首位に立つマトリックスパワータグが群馬ラウンドを連勝で締めくくった。

盤石の走りで先行したマトリックスパワータグの2人がワン・ツーフィニッシュ。ホセビセンテ・トリビオ(中央右)が優勝、フランシスコ・マンセボ(中央左)が2位に Photo: Nobumichi KOMORI

序盤はクラブチームがペースメイク

 前日に開催された「JBCFまえばしクリテリウム」に続き、群馬ラウンドの2戦目として開催となった「JBCFまえばし赤城山ヒルクライム」。一般サイクリスト3000人以上が参加する人気のヒルクライムイベントに組み込まれる形で、Jプロツアーは2017年以来2年ぶりの開催になった。

スタートは午前7時。朝日が昇る中スタートラインに整列する選手たち Photo: Nobumichi KOMORI
正式スタート地点までパレード走行をする選手たち Photo: Nobumichi KOMORI

 コースは群馬県前橋市の前橋合同庁舎エリアから、赤城山総合観光案内所までの21.5km。大まかに分けて前半は直線の緩斜面、後半は九十九折りの急斜面という構成で、平均勾配6.4%、最大勾配は9.4%と激坂と呼べるほどのコースではないこともあり、チーム戦略が有効に働く部分が多い。特に前半の緩斜面区間でのチーム戦略次第ではエースの脚をしっかり温存できるため、ヒルクライムながらロードレースのような一面が見られるコースとして知られている。

赤城大鳥居を集団が通過していく Photo: Nobumichi KOMORI
正式スタート直後、渡邊正光(群馬グリフィン)、大場政登志(弱虫ペダルサイクリングチーム)、中川由人(リオモ・ベルマーレ レーシングチーム)の3人が抜け出す Photo: Nobumichi KOMORI

 午前7時に前橋合同庁舎エリアをスタートしたレースは、正式スタートが切られると早速、渡邊正光(群馬グリフィン)がファーストアタック。この動きに大場政登志(弱虫ペダルサイクリングチーム)と中川由人(リオモ・ベルマーレ レーシングチーム)の2人が反応して、3選手が先行する展開になった。しかし、この逃げはほどなくして集団がキャッチ。集団はひとつになった。ひとつになった集団の先頭に立ったのは、クラブチームの東京ヴェントス。チームランキング上位につけるUCIコンチネンタルチーム勢のお株を奪うコントロールで、レース序盤のペースを作ることになった。

ひとつになった集団の先頭で東京ヴェントスがペースメイクする Photo: Nobumichi KOMORI

マトリックスの攻撃、マンセボが集団を破壊

 人数を減らしながらも集団のけん引を続けた東京ヴェントスだったが、間もなく8km地点が迫ろうかという段階になると、マトリックスパワータグが先頭を奪ってけん引を開始する展開に。向川尚樹、佐野淳哉と順に先頭でペースを作り、代わったアイランフェルナンデス(スペイン)がスピードを上げると、集団後方では堪え切れずに千切れていく選手が出る状況になった。

厳しい勾配の区間に入り、集団はマトリックスパワータグがコントロールを開始 Photo: Nobumichi KOMORI

 するとこのタイミングで、マンセボが集団からアタック。この動きに石橋学(チーム ブリヂストンサイクリング)が反応すると、さらにトリビオ、徳田優(チーム ブリヂストンサイクリング)、オールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)の3人も続き、5人の先頭集団が形成される展開になった。

フランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)が集団からアタックを仕掛けて抜け出す Photo: Nobumichi KOMORI
コースの沿道には前橋八木節協会をはじめ選手と参加者に声援を送る団体が多数見られた Photo: Nobumichi KOMORI
フランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)のアタックに4人が反応し、5人の先頭集団が形成 Photo: Nobumichi KOMORI

マトリックス対ブリヂストンの争いに

 5人の先頭集団では、マンセボが積極的に先頭に立ってどんどんペースを上げていく。トリビオ、石橋、徳田の3人はなんとかそのペースに食らいついていくものの、ツアーリーダーの証であるプロリーダージャージを着るアウラールはたまらずにドロップ。先頭集団は4人になった。

フランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)の強力なけん引に、チームメートのオールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ)がドロップ Photo: Nobumichi KOMORI

 4人になってもなお、積極的に先頭を引くのはマンセボ。残る3人も必死に食らいついていくが、お構いなしとばかりにマンセボはそこからさらにアタックを仕掛け、単独で抜け出す展開に。その後しばらくは単独で先行するマンセボと、それを追う3人という状態が続いたが、3人の集団からタイミングを見計らってトリビオが追撃のアタックを敷けて抜け出すと、そのまま先行するマンセボに合流し、先頭はマトリックスパワータグが2人、チーム ブリヂストンサイクリングの2人がそれを追う展開になった。

ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)が合流して2人になった先頭の後方にチーム ブリヂストンサイクリングの2選手が見えるが、その差は縮まらない Photo: Nobumichi KOMORI

 ペースを刻みながら着実に残り距離を減らしていくマトリックスパワータグの2人に対し、追うチーム ブリヂストンサイクリングの2人もタイム差を広げられずに食らいついていったが、最後までタイム差を縮めることはできず。フィニッシュに姿を現したマンセボとトリビオは勝利を確信し、手を取り合ってフィニッシュ。マンセボが先頭を譲りトリビオが優勝を飾った。

手を取り合ってフィニッシュする1位のホセビセンテ・トリビオと2位のフランシスコ・マンセボ(ともにスペイン、マトリックスパワータグ) Photo: Nobumichi KOMORI

マトリックス勢が個人・団体とも首位をキープ

 一方、先頭集団からドロップしたアウラールは、オーバーペース気味だったことが災いして、チームメートのサポートを受けながらしっかりとペースを刻んできた岡篤志(宇都宮ブリッツェン)を含む集団からも遅れてしまう事態に。10位でフィニッシュしたアウラールは、プロリーダージャージはキープしたものの、5位でフィニッシュした岡にわずかながら個人ランキングのポイントを詰められることになった。

オーバーペース気味になり先頭集団から遅れたオールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)はさらに遅れ10位でフィニッシュとなったが、プロリーダージャージはキープした Photo: Nobumichi KOMORI

 次戦、第21戦は10月5日(土)、山口県山口市のきらら博記念公園で「維新やまぐちタイムトライアル」が開催される。チームタイムトライアルでの開催のため獲得ポイントはチームランキングにのみ加算され、個人ランキングには反映されない。第20戦を終えた時点のチームランキングで、1位のマトリックスパワータグと2位のチーム ブリヂストンサイクリングのポイント差は、わずか269ポイント。1位に600ポイントが与えられるこのレースの結果次第では順位が入れ替わる可能性もあるので注目だ。

表彰式。左から2位のフランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)、優勝のホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)、3位の徳田優(チーム ブリヂストンサイクリング) Photo: Kensaku SAKAI

■第3回 JBCF まえばし赤城山ヒルクライム 結果
1 ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ) 57分42秒
2 フランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ) +0秒
3 徳田優(チーム ブリヂストンサイクル) +18秒
4 石橋学(チーム ブリヂストンサイクル) +23秒
5 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +50秒
6 米谷隆志(リオモ・ベルマーレ) +54秒
7 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +58秒
8 岡泰誠(イナーメ信濃山形) +1分0秒
9 前原直幸(VC福岡) +1分4秒
10 オールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) +2分9秒

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