女子ジュニアの岩元杏奈は49位世界選ロード男子U23は1位が失格の波乱 バティステッラが優勝、石上優大が32位で完走

by 武井きょうすけ / Kyosuke TAKEI
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 イギリス・ヨークシャーで開催のUCIロード世界選手権は9月27日、男子U23と女子ジュニアのロードレースが行われ、男子U23ではイタリアのサミュエレ・バティステッラ、女子ジュニアはアメリカのメーガン・ジャストラブがそれぞれ優勝した。日本勢は男子U23で石上優大(AVC AIX EN PROVENCE)が32位、今村駿介(チーム ブリヂストンサイクル)が112位、女子ジュニアで岩元杏奈(日本体育大学)が49位でそれぞれ完走。松田祥位(エカーズ)は途中棄権となった。

波乱となった男子U23ロードレースの上位3人。(左から)2位のステファン・ビッセガー、優勝のサミュエレ・バティステッラ、3位のトーマス・ピドコック Photo: Yuzuru SUNADA

女子ジュニアもアメリカが優勝

 女子ジュニアは、男子ジュニアに続きアメリカ勢の優勝となった。86kmに設定されたコースは、今大会の中では珍しくほぼ平坦基調。レースは序盤からジュニア特有の落車、バイクトラブルが多く、日本の岩元も位置取りが後方固定となってしまったため、何度もこれらに巻き込まれ、その度に脚が消耗していく展開となった。

ゴールスプリントを制したメーガン・ジャストラブ(アメリカ)が優勝 Photo: Yuzuru SUNADA

 単独での逃げはあるがレース展開に大きな影響はなく、メイン集団はペースを上げながらゴールへ向かう。しかしゴール手前6kmの上りで、岩元は耐えきれずメイン集団から脱落してしまった。

 残り3km、ハロゲイドのダウンタウンに入る上りで、個人タイムトライアルで優勝したロシアのアイグル・ガレーヴァが飛び出し、これにアメリカのジャストラブが唯一付き、2人がメイン集団からやや先行する。一方メイン集団は2人を追い込むものの、最終コーナーで集団落車が発生してしまう。

先行する2人の後ろでメイン集団は落車が発生 Photo: Yuzuru SUNADA

 最終ストレートではジャストラブが先行する形。先頭の2人は若干の駆け引きの後、スプリントでジャストラブがそのまま優勝する形となった。2位には追走集団から追い込んだベルギーのジュリー・デウィルデ、3位はオランダのリーケ・ノーイエンが入り、最後失速したガレーヴァは4位となった。

岩元杏奈のコメント

ゴール後悔しがる岩元杏奈 Photo: Yuzuru SUNADA

 ただ悔しい。楽しもうと思っていたが、集団の密度が高くとても怖く、どうしても前に上がることができなかった。楽しくレースができなかった。私が出場していたアジアのレースとは全く違う。残り6kmの上りで前につきたかったが、落車に巻き込まれてしまい離れてしまった。
来年からはアンダー23にカテゴリーが上がる。ジュニアでこの差だと、カテゴリーが上がれば上がるほど差が広がってしまう。この悔しさを忘れないようにしたい。

女子ジュニアの上位3人。(左から)2位のデウィルデ、優勝のジャストラブ、3位のノーイエン Photo: Yuzuru SUNADA

イーコフがスプリントを制すも失格に

 男子U23はレース後に1位ゴールの選手が失格となる波乱の結果となった。日本チームは石上が終盤までメイン集団で粘りながら、あと一歩のレースを見せ第3集団で完走。今村は最終走者近くで完走。また松田は石上のために仕事を行い途中リタイア。それぞれが力を尽くしたレースだった。

 U23は当初は187kmの予定。しかしコースの厳しさと天候の悪化により、日没が近付いていたこともあって、後半のハロゲイドサーキットを3周回から2周回へ減らし173kmのレースとなった。しかし完走することさえ難しいコース。厳しさは全く変わらない。プロ契約を取るために、なんとしてでも結果を出したいU23の選手たち。序盤から各国が攻撃を続けペースが緩まず、日本チームは後方で苦戦が続いた。

メイン集団にあと一歩で残れなかった石上優大 Photo: Yuzuru SUNADA

 レース開始から50km過ぎ、イギリスが主導権を握る15人ほどの逃げ集団が形成された。メイン集団では逃げに乗らなかった(乗せなかった)アメリカがハイペースで追走を続ける。1分前後の差で高速チェイスが1時間以上続いた。日本チームは映像では最後尾での展開が多く、前に上がることはできない。

 100km過ぎから始まる断続的な上りでは、まずアメリカがペースを作り集団は崩壊。120km過ぎに現れる壁の上りでメイン集団は急速にペースアップ。松田と今村は石上のために力を使い果たし集団から脱落し、石上がメイン集団で耐え続ける。

 その後130km過ぎの下り基調のローリング区間では、横風を利用しノルウェー、デンマーク、オランダ、イギリスが一気にペースアップ。優勝候補の選手たちが入った25人が先行し、横風で力負けをした30人弱が追走をする。石上はこの横風に対応することができず、後方集団になってしまった。

 25人の先頭集団は勢いを止めずそのまま周回コースへ。追走集団では石上も積極的にローテーションに加わったがあと一歩で先頭集団をキャッチアップできず、力尽きた。

ハロゲイドの周回へと入ったメイン集団 Photo: Yuzuru SUNADA

 ハロゲイドの周回コースに入り、先頭集団ではアタック合戦に。その中でイタリアのバティステッラの攻撃に対して優勝候補の一人、シクロクロスの現U23王者でもあるイギリスのトーマス・ピドコックが反応。6人の先行集団が形成された。

逃げグループ。先頭から2位のビッセガー、優勝のバティステッラ、3位のピドコック Photo: Yuzuru SUNADA

 残り1周、若干の先行をする逃げ集団。ローテーションを回しながら追走を追いつかせたくない。思惑は一致。ピドコックが積極的にけん引に入る中、上りで2人が脱落して先頭は4人になる。

 これで決まるかとも思われたが、後方からオランダのニルス・イーコフら3人の追走グループが、土壇場残り1kmでのキャッチアップに成功した。そのまま7人でのスプリントとなり、優勝候補のピドコックが沈む中、ひときわ長身のイーコフが力強いスプリントで集団の先頭を取った。

ゴールスプリントを制したイーコフが力強いガッツポーズ。しかしレース後失格に Photo: Yuzuru SUNADA
積極的なレースも勝利を逃したピドコックはゴール後涙 Photo: Yuzuru SUNADA

 ゴール後、喜びのインタビューを受けるイーコフ。しかし表彰は行われず、審判団の協議が長く続いた。レース前半の高速チェイス中の中継映像に、遅れた状態からチームカーのスリップストリームやボトルの受け渡しを利用して、集団へと復帰するイーコフの姿が映し出されていたのだ。

 最終的に審判団はイーコフら3選手の失格を決定。2番手でゴールしたバティステッラが男子U23の世界王者となった。

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