Jプロツアー第18戦経産大臣旗はマトリックスパワータグが3位まで独占で獲得 アウラールがリーダージャージ

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
  • 一覧

 国内最高峰のロードレースツアー、Jプロツアーの第18戦となる「第53回JBCF経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ」が9月22日、広島県三原市の広島県中央森林公園サイクリングコースで開催され、マトリックスパワータグが完全にレースを掌握して、上位3位までを独占するワン・ツー・スリーフィニッシュを達成。優勝したオールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)がツアーリーダーの証であるプロリーダージャージを獲得した。

完璧なレース運びを見せたマトリックスパワータグがワンツースリーフィニッシュを達成し、オールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)が優勝を飾った Photo: Nobumichi KOMORI

伝統の一戦は最高グレードに

 今年で53回目の開催を迎える経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップは、今季のJプロツアーで4レースある最高グレードのプラチナに分類されるレースのひとつ。シーズン終盤に設定された最高グレードのレースは、年間ランキング争いに大きな影響を与えることはもちろんのこと、この大会の各チーム上位3選手のポイント合計で争われる団体成績で1位になったチームに授与される経済産業大臣賞の経済産業大臣旗(輪翔旗)の行方にも大きな注目が集まるレースだ。

経済産業大臣旗(輪翔旗)を巡る争いに向け、選手たちがスタートラインに整列を始める Photo: Nobumichi KOMORI
前年団体優勝のマトリックスパワータグを代表して、フランシスコ・マンセボ(スペイン)から今中大介・JBCF副理事長に輪翔旗が返還される Photo: Nobumichi KOMORI

 当初は1周12.3kmのコースを14周する172.2kmで争われる予定だった今レース。しかし、台風17号が接近するおそれがあることを考慮して、スタート時間が早められた上でレース距離も短縮して開催されることが決定し、13周159.9kmで開催されることになった。

レースは2周目に、有力選手がそろう8人の逃げ集団が形成される展開に Photo: Nobumichi KOMORI

 午前10時半にスタートしたレースは、ニュートラル区間を過ぎてリアルスタートが切られるとアタック合戦に。その中から10人程度の選手が若干先行する形で2周目に。その後、メイン集団から追撃を仕掛けた選手と先行していた集団からドロップした選手が数人入れ替わり、最終的に8人の逃げ集団が形成された。

メイン集団はマトリックスパワータグがコントロールを開始 Photo: Nobumichi KOMORI

■8人の逃げ集団
石橋学、孫崎大樹(チーム ブリヂストンサイクリング)
ホセビセンテ・トリビオ、アイラン・フェルナンデス(ともにスペイン、マトリックスパワータグ)
増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
入部正太朗(シマノレーシング)
柴田雅之(那須ブラーゼン)
中島康晴(キナンサイクリングチーム)

 一方のメイン集団は経産旗の獲得、アウラールによるプロリーダージャージ奪取、チームランキング首位の奪取を狙うマトリックスパワータグがコントロールを開始。それを受けて逃げ集団の2選手はローテーションに積極的に加わらない状況に。また、柴田もローテーションに加わらなかったため、逃げ集団は残る5人がローテーションを回して逃げ続ける展開になった。

マトリックスパワータグがコントロールするメイン集団がペースを上げ始める Photo: Nobumichi KOMORI
メイン集団とのタイム差が縮まる中、入部正太朗(シマノレーシング)が逃げ集団の先頭に立ってペースアップ Photo: Nobumichi KOMORI

 この後しばらくは5人がローテーションを回す逃げ集団と、マトリックスパワータグの日本人選手3人がコントロールするメイン集団との力勝負の状況が続いたが、マトリックスパワータグの佐野、小森、安原の日本人3選手が捨て身のペースアップを見せたメイン集団が少しずつタイム差を縮めていき、残り4周となる10周目にはその差が1分を切ろうかという状況になった。

フランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)がオールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)を引き連れて逃げ集団を追走 Photo: Nobumichi KOMORI
最悪なタイミングのパンクで遅れてしまった岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が前を追うも届かず、プロリーダージャージを明け渡す結果になった Photo: Nobumichi KOMORI

 すると、ここまで日本人選手のアシストで脚を温存していたフランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)がアウラールを引き連れてアタックを仕掛け、集団から飛び出す展開に。この動きに岡篤志と堀孝明(ともに宇都宮ブリッツェン)、徳田優(チーム ブリヂストンサイクリング)の3人が反応し、5人の追走集団が形成された。5人の追走集団は先行する逃げ集団に向けて快調に飛ばしていったが、このタイミングで岡がパンク。チームメートの堀もストップして車輪を差し出し岡をレースに復帰させたが、追走集団からは脱落してしまうことになった。残る3選手は、ほどなくして先行していた逃げ集団に合流し、逃げ集団は9人になってレースは終盤戦に入った。

マトリックス有利な体制で終盤へ

 終盤戦に入ったレースは、先行する9人の逃げ集団の逃げ切りが濃厚な状況に。すると、逃げ集団も勝利に向けた動きで活性化してペースアップ。そのペースアップについていけない選手が次々とドロップし、逃げ集団はマンセボ、トリビオ、アウラール、徳田、増田、入部の6人に。勝負はこの6人に絞られることになった。

6人になった先頭集団の先頭をフランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)が固定でけん引する Photo: Nobumichi KOMORI

 その後、6人の先頭集団内では大きな動きは生まれず、最終周へ。最終周に入っても特に抜け出すような動きは生まれず勝負はゴールスプリントに持ち込まれることになった。ゴールスプリントになると数に勝るマトリックスパワータグの優位は揺るがず、残る3選手は置き去りにされる形でマトリックスパワータグの3選手がフィニッシュ。アウラール、マンセボ、トリビオの順でフィニッシュして、マトリックスパワータグが表彰台を独占した。当然ながら、各チーム上位3選手の成績で争われる団体賞もマトリックスパワータグが1位になり、3年連続で輪翔旗を手にした。

ワンツースリーフィニッシュを達成したマトリックスパワータグの3選手 Photo: Nobumichi KOMORI
敢闘賞は序盤から逃げ続けて5位になった増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が獲得 Photo: Nobumichi KOMORI
団体優勝もマトリックスパワータグが獲得。3年連続の輪翔旗獲得になった Photo: Nobumichi KOMORI
優勝したオールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)がプロリーダージャージを奪取した Photo: Nobumichi KOMORI

 この結果、年間ランキングでも変動が。個人ランキングは岡からアウラールに移り、アウラールは首位の証であるプロリーダージャージに袖を通した。また、チームランキングの首位もチーム ブリヂストンサイクリングからマトリックスパワータグに移り、マトリックスパワータグの完全勝利と言える1日になった。ただ、個人、チームともに1位と2位の差はごくわずか。残り4戦で順位の変動が起きることはまだあり得るので、まだまだ目が離せない。なお、23歳未満のランキングトップの選手が着用するネクストリーダージャージ は、ここ数戦は出場がないが今村駿介(チーム ブリヂストンサイクリング)が堅守している。

 次戦、第19戦はは9月28日(土)、群馬県前橋市で「まえばしクリテリウム」が開催される。

■「第53回 JBCF 経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ」リザルト
1 オールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)4時間8分14秒
2 フランシスコ、マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)
3 ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)
4 徳田優(チーム ブリヂストンサイクリング)
5 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+2秒
6 入部正太朗(シマノレーシングチーム)+21秒
7 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)+3分57秒
8 孫崎大樹(チーム ブリヂストンサイクリング)+4分32秒
9 黒枝士輝(チーム ブリヂストンサイクリング)+4分33秒
10 柴田雅之(那須ブラーゼン)+4分34秒

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

Jプロツアー2019

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載