バイクインプレッション2019鋭い加速の軽快フルアルミレーサー エディメルクス「ブロックハウス67」

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 ツール・ド・フランス個人総合優勝5回を始め、数々のビッグレースで金字塔を打ち立てた伝説的ロード選手のエディ・メルクス。自身の名を冠したブランドのバイクは質実剛健な走りでサイクリストを魅了してきた。今回は軽量アルミレーサー「ブロックハウス67」のインプレッションをお届けする。

エディメルクス「ブロックハウス67」 Photo: Masami SATOU

 メルクス自身が初めてグランツールでステージ勝利を飾ったのは1967年のジロ・デ・イタリア第12ステージ。厳しい山頂ゴールを制した土地の名前がブロックハウスだった。今回紹介するブロックハウス67は、この勝利が由来となっている。

シートステーに潰し加工が施される Photo: Masami SATOU

 フレームは6069トリプルバテッドを使用したフルアルミフレームに、1-1/8と1-1/2の上下異径ベアリングを用いたフルカーボンフォークをセットした構成。フレーム重量は1190g、フォークは360gに抑えられている。比較的オーソドックスな仕様だが、チェーンステーにはエディメルクスの他ラインナップに共通する潰し加工が施され、振動吸収性の向上が図られている。

 構成を見て、一昔前のアルミレーシングバイクという第一印象を受けた。スムーズさを速さとリンクさせる現代のトレンドとは方向性が違うイメージだ。金属の特性を生かしたスパルタンな走りは乗り手の相性にも印象が左右されるが、筆者としては大好きな分野である。

エディ・メルクスが初めてグランツールでステージ勝利を飾った地の名前が車名に冠している Photo: Masami SATOU
上下異径のヘッドチューブ Photo: Masami SATOU

 実際に乗車してペダルを踏みこむと、そのダイレクトな推進力に思わず「おぉ進みが軽い!」と声が出た。重量に関していえばブロックハウス67よりも軽量なカーボンバイクは山ほどあるだろう。しかし、速さと軽さを実感しやすく“乗って軽い”のである。

 やや大きい角度のスローピングフレームが重心を下げ、ダンシングやスプリントをより軽快に、Mサイズで69mmというBB下がりが反応性の良さを演出しているのだろう。アルミレーシングバイクといえばパリパリとした乗り味のものが多いが、ブロックハウス67はウィップ感もあり、気持ちの良い伸びやかな走りが特徴的であった。

機敏な加速が気持ちが良く、いつまでもダンシングしていたくなる乗り味 Photo: Masami SATOU

 気になる乗り心地だが、カーボンバイクと比較すると分が悪いが、そこまで悪い印象は受けない。今回は25Cのタイヤが装着されていたが、さらに太い28Cまでのタイヤ幅に対応しているため、振動吸収性を向上させることも可能だ。

 フレームセット価格が12万5000円と手が出しやすいのもポイント。初めてレースに挑戦を考えているサイクリストや、学生レーサー達にガシガシと使い込んで欲しい。機敏な加速が武器なのでクリテリウムで威力を発揮するだろう。カーボンバイクにはないピュアで鋭い走りを楽しめた1台であった。

■エディメルクス「ブロックハウス67」
税抜価格:125,000円(フレームセット)、207,000円(ティアグラ完成車)、275,000円(アルテグラ完成車)
サイズ:XS(2019モデルのみ)S、M、L
重量:1190g(フレーム)、360g(フロントフォーク)

松尾修作松尾修作

サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。

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