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安井行生流ロードバイクの選び方<6>コンポーネント選びは何を基準に決めているか 僕が機械式変速を好む理由

by 安井行生 / Yukio YASUI
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 今回はコンポーネントの選び方を紹介します。コンポを選ぶ基準もフレームやホイールと同じ。「操作することでどれだけ快感を得られるか」です。変速レバーを倒したときや、ブレーキレバーを握ったときに、どれだけ「気持ちいい」と感じられるかを重視しています。

コンポーネント選びも操作の快感があるかどうかで決めています Photo: Yukio YASUI

コンポには気持ちよさの種類がある

 僕が好きなのは7800系デュラエースと、最近のカンパニョーロです。気持ちよさにもいろいろありますが、78デュラの美点は操作フィールのカッチリ感。いかにも精密な機械を操作しているというあの感じは、他のどのコンポにもないものです。剛性の高いアルミレバーと、流れがスムーズなケーブルルーティングのなせる技でしょう。

7800系デュラエースは操作フィールのカッチリ感が美点。精密機械を操作している感覚は他のどのコンポにもない Photo: Yukio YASUI
スムーズなケーブルルーティング Photo: Yukio YASUI

 カンパニョーロの美点は、まずはあのブラケット形状。手のひらにピタリとフィットし、ダンシングでもまるで吸い付いたかのように手からバイクが離れません。そして、あのシフトアップ操作。親指に体重を乗せながら、ちょっと硬いレバーをガン! ガン! と押し込んで力強く加速していくあの快感は、カンパにしか宿らないもの。

手のひらにピタリとフィットするフィーリング。ダンシングでもまるで吸い付いたかのように手からバイクが離れない Photo: Yukio YASUI
特有の操作感覚はカンパでしか得られない楽しみ Photo: Yukio YASUI

 僕が好きなこの2つのコンポは、「気持ちよさ」の種類が全く違うんですね。

 性能(変速スピード、制動性能など)ももちろん大事ですが、僕は「絶対的な性能」より「気持ちよさ」を重視してしまいます。といっても、変速スピードや制動性能が低かったら気持ちよさも減じてしまうので、「気持ちよさ」の絶対条件が「性能」と言えるかもしれません。

「機械との対話」を楽しむという価値観

 重量や変速段数などのスペックはさほど気にしません。重量は軽いにこしたことはありませんが、極端に軽いと耐久性やシフトフィールが犠牲になることがあります。変速段数は、今のところ多くて困ることはないですが、個人的にはどうでもいいです。さすがに7段とか言われると厳しいですが、10段以上であれば十分。走りに行く場所が決まってれば、むやみやたらとワイドレシオにする必要ないですし。

機械式変速には操作する楽しみがある。レバーを操作して変速が済むまでの過程が対話のようにさえ思える Photo: Yukio YASUI

 電動変速はあまり好みではありません。先述の通り、僕は変速操作に「気持ちよさ」「操作する楽しみ」を求めます。それには、スイッチをポチッと押す電動変速ではなく、レバーをグイッと倒して金属ケーブルを引っ張ってディレーラーをガチャンと動かす機械式変速がいいんです。

 シフトアップのとき、ラチェット機構の爪が外れ、バネに引っ張られてディレーラーがカコンッと小気味よく動く。シフトダウンのとき、ディレーラーのバネの力に逆らってレバーを動かし、最後に爪が入ってカチッというクリアなショックが指に伝わる。そういう「機械との対話」を求めているんです。

 それに、全身をダイナミックに使う自転車という運動には、電動変速よりストロークも操作力も大きい機械式変速のほうが合ってると思うんです。指先と体の動きのバランスがいいんですね。構造が古典的なのでトラブルの原因が分かりやすく、自分で対処しやすいという理由もあります。

 近々、ディスクロードをアルテグラで組む予定なんですが、STIレバーはDi2の8070ではなく、機械式変速の8020系にするつもりです。油圧ブレーキなのでブラケットはやや太くなってしまいますが、僕は「ブラケットの細さ」よりも「機械式変速の楽しみ」をとりました。

 といっても、電動変速を否定しているわけではないので誤解なきよう。目的や好みによっては、機械式変速より電動変速のほうが合っているという人もたくさんいると思います。

フレームとの相性も考える

 さらに、僕はコンポとフレームの相性をすごく気にします。

 人間とは不思議なもので、変速レバーの操作感が軽くてカッチリしていると、どんなフレームであっても挙動まで軽快でシャープに感じるものなんです。逆に、レバーの操作フィールがヌメッとしていると、自転車の挙動までモッサリしているように思えてしまいます。それを逆手にとって、フレームとコンポのバランスを取るんです。

剛性の高いルック・785ヒュエズRSにはカンパニョーロで組んでフレームの持つ刺々しさを緩和  Photo: Yukio YASUI

 僕は、硬いフレームにはカンパニョーロを、しなやかなフレームにはシマノを入れ、バランスさせることが多いです。例えばルック・785ヒュエズRSはかなり剛性が高いので、カンパニョーロで組んで、フレームの持つ刺々しい部分を緩和させました。メリダ・スクルトゥーラは素晴らしいしなやかさが長所なので、シマノで組んで手先をカッチリさせ、フレームのしなやかさを引き立てるように組みました。

 僕はいつもフレームとのバランスを考えてコンポを選んでいます。

安井行生
インプレッションライダー・安井行生(やすい・ゆきお)

大学在学中にメッセンジャーになり、都内で4年間の配送生活を送る。ひょんなことから自転車ライターへと転身し、現在は様々な媒体でニューモデルの試乗記事、自転車関連の技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆する。今まで稼いだ原稿料の大半をロードバイクにつぎ込んできた自転車大好き人間。

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