都内から約3時間でアクセスレースにキャンプそして絶品ディナー アウトドアを満喫「HUB バイクロア」蓼科で初開催

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 埼玉県秋ヶ瀬の森で始まった「おとなこどもの自転車運動会」として、数ある自転車関連イベントの中で独自の地位を確立したバイクロア。日本各地で様々な自転車の楽しさを伝えている中、新たなイベント「HUB BIKELORE」(ハブ バイクロア)が9月7、8日に長野県茅野市の蓼科で開催されました。そのイベントの詳細を“足より口が回るサイクリスト”として局地的な知名度を持つ栗林亮太さんにリポートしてもらいます。

初開催された「HUB BIKELORE」。レース参加者が帰着し、賑やかさが生まれ始めた会場 Photo: Ryota KURIBAYASHI

そもそもHUBって?そもそもバイクロアって?

 「バイクロア」は、毎年12月に埼玉県さいたま市秋ヶ瀬で開催されている「秋ヶ瀬の森バイクロア」、5~6月の初夏に山梨県北杜市白州で行われる「白秋の森バイクロア」を中心に、日本各地様々な場所で開催されてきました。過去には愛媛でも、さらにはさいたま市で開催されるツールドフランスさいたまクリテリウムではキッズロアとして行われています。その土地その土地で様々な人々を繋げてきたバイクロア。このネーミングにも説得力があります。

左手にはブリュワリー、左手にはULTRA GEAR MARKETが出展する会場 Photo: Masataka OBAYASHI

 蓼科(たてしな)に向かう道中、渋滞に巻き込まれながら、筆者の頭の中にふと「HUB BIKELORE」の“HUB”って何だろう? と疑問が生まれました。到着後、オーガナイザーに聞いてみたところ、Hは宿泊施設(HYTTER)の名称から、Uは共催される「ULTRA GEAR MARKET」、Bは「BIKELORE」と、それぞれの頭文字に加え、英単語のHUB(結節点・中心)の2つの意味を掛け合わせたとのことです。

蓼科という高原リゾートという絶妙な立地

バイクロアと言えばもちろん子供にもやさしい。今回もキッズ用コースが用意され、晴天の中走り回る子供の姿が見られた Photo: Masataka OBAYASHI

 今回の「HUB BIKELORE」が開催されたのは長野県茅野市、蓼科湖畔にあるHYTTER(ヒュッター)という施設。東京からは中央道を使い、約3時間ほどでアクセスが可能です。

 そもそも蓼科(たてしな)という読み方すら最初はおぼつかない場所ですが、会場に向かう峠道を走っていると、日本が世界に誇る名だたる大企業の保養施設の入り口が次々に現れ、ここが日本有数の避暑地であることをまず思い知らされます。

 「HUB BIKELORE」の開催時期は、残暑が残る9月初旬。そしてイベント当日は、この蓼科が位置する標高1000m地帯でも30℃を越える気温でしたが、湿度が低かったため、都市部の30℃とはまた違う心地よい暑さを感じながら、会場に到着しました。

キャンプ初心者にもやさしいお風呂併設のHYTTER

HYTTERの入り口に位置するサイン。会場内にはなんとサウナまで設置されていた Photo: Ryota KURIBAYASHI

 会場の「HYTTER LODGE&CABINS」(ヒュッター ロッジ&キャビンズ)は、2018年にオープンしたばかりの施設。バイクロアはこのHYTTER内にあるキャンプ場がメイン会場となります。LODGE&CABINの名前が示す通り、キャンプ場でありながら、カフェバーや、宿泊可能なロッジ(ホテル)が隣接しています。

 ロッジの一部は改修中で、今後も複数回に分け全体的なリノベーションが行われるとのことでした。会計処理はクレジットカードの利用が可能なため、昨今急速に加速するキャッシュレス社会にもしっかりと対応しています。

蓼科湖畔に建つ「HYTTER」。内部はリノベーションされ、現代的な雰囲気に Photo: Ryota KURIBAYASHI

 また、会場全体も非常にコンパクトな造りになっていて、キャンプ場からロッジまでは徒歩で5分もかかりません。様々なアクティビティをこなした後、ロッジ内にお風呂で汗を流してさっぱりした体で就寝することも可能です。(お風呂の利用は有料)

ゆったりとした時間が流れるメイン会場

 筆者が会場に到着した時間は、ちょうど初日のレース&ライドのスタート直後だったため、会場も少しのんびりしたムードでした。

 そんな中、会場で流れるのは、”女性に優しいハードコアクルー“として知られる「JAZZYSPORT」クルーの程良くレイドバックした曲。バイクロアらしい空間を彩るクルーたちは、最早欠かせない存在です。

 出展ブースを巡れば、松本市からは「THE SOURCE DINNER」や、すぐ近くの八ヶ岳に拠点を構える「8 peaks BREWING」、遠く関西からは気鋭のブリュワリーである「Derailleur Brew Works」が出展。バイクロアの魅力の1つであるバラエティに富んだフード&ドリンクブースが展開されていました。

地元長野県をはじめ、東京近郊からも話題のpodcast「replicantfm」や「EYL」など多くのガレージブランドが出展 Photo: Masataka OBAYASHI
共催の形を取った「ULTRA GEAR MARKET」。手前のALTRAブースではサンプルが超破格で出品されていた Photo: Masataka OBAYASHI

 バイクロアと共催のイベント「ULTRA GEAR MARKET」では、バイクロアではお馴染みの自転車を通した洋服との付き合い方を考えるブランド「ALL YOURS」や、トレイルランニング業界に新しい風を吹き込んだ「Run boys! Run girls!」といったブランドの出展も行われており、様々なギアが並んでいました。

 余談ですが、この様な場所では通常価格よりもかなり割安で様々なギアを手に入れられるため、筆者もついつい財布の紐が緩んでしまい、トレイルランニングシューズを購入してしまいました。

会場の外に足を延ばした2つのレース

 初日はそんなゆったり空気の流れる会場の外で、2つのレース(ライド)が開催されていました。1つは甲府市のショップSUNDAY主催による蓼科の名所を巡る「Cosmic Echo」。2つ目は北八ヶ岳のグラベルとダウンヒルを満喫する「DEER HUNTER」です。

上位入賞者向けの景品に向け、必死でペダルを踏むライダー Photo: Mansanman

 どちらもメイン会場から外に足を伸ばし、蓼科近辺の風光明美な場所を巡るという点では同じですが、「DEER HUNTER」に関しては、アクティビティアプリSTRAVA(ストラバ)がスポンサード。コースには移動区間(リエゾン)と計測区間(スペシャルステージ)に分かれ、タイムで順位が付けられるレースとなっていました。上位入賞者には記念品も贈られるため、楽しいバイクロアの中にシリアスな場面が生まれていたとか、いないとか…。

「DEER HUNTER」でグラベルを楽しむ参加者 Photo: Ryota KURIBAYASHI 

予約ができなくなるほど盛況なディナー

 太陽も傾きはじめた夕方頃には、2つのライドに参加したライダーたちが続々と会場に帰着。会場内も賑やかな雰囲気に様変わりしはじめました。

 そんな中で蓼科湖に浮かぶスワンボートと自転車を組み合わせた「BEAUTIFUL SWAN RACE」や、出展したブリュワリーと連携して開催された「BEER RACE」。そして、各地のバイクロアでも名物レースとして存在感を示す「SUNSET RACE」などの催しが立て続けに始まりました。イベントが終わるころには夜の帳が降りて、昼間とはまた違った雰囲気となっていました。

 「SUNSET RACE」が終わって表彰式も落ち着いた頃、会場中心部にはテーブルが並べられ、「THE SOURCE DINNER」が提供するディナーがスタートします。筆者も会場に到着してから、たまたまこの情報を耳にして予約することができましたが、最終的には予約できない人も出てしまうほど盛況でした。

 ディナーで提供された料理は、予想をはるかに超えるクオリティ(野外という事もあって、もっと簡易的なものを想像しておりました)で、空腹も相まってあっという間に完食。今後のバイクロアでも是非実施してほしいと思わせてくれる新しい可能性を感じさせてくれるものでした。

「THE SOURCE DINNER」が提供するディナープレート。合わせて提供された「Son of the Smith Hard Cider」とのマッチングも抜群 Photo: Ryota KURIBAYASHI

 その土地の景色をサドルの上から楽しみ、地元の素材を使った美味しい料理をショーアップされた空間で堪能する。アメリカでは極地的な人気を誇り、日本でも愛知県の足助エリアで開催された「Chris King Gourmet Century Ride」(クリスキング グルメセンチュリーライド)では、その様な楽しみ方が提唱されていました。日本でもこの流れが加速するものと期待が膨らみましたが、日本では2016年を最後に開催が途絶え、このような体験をできる機会が惜しくも失われてしまいました(アメリカ本国では現在も継続的に開催しています)。

 今回のバイクロアで行われた試みは、その楽しみ方に再び光を当てるもので、同イベントの大きなハイライトだったと思います。今後、各所で開催されるであろうバイクロアで、同様のコンテンツが用意されることを期待したいと思います。

夜10時には消灯する健康的なイベント

 そんなディナーイベントも終わると時刻はもう夜9時。参加者はテントサイトや会場のバースペースなどで、思い思いの時間を過ごします。出展したブリュワリーも一部の樽を繋いで、引き続きお酒を提供していたため、飲酒で困ることはなかったのではないでしょうか。

夜の帳が降りたキャンプサイト。レース終わりの会場に再びゆったりとした空気が流れる Photo: Ryota KURIBAYASHI

 会場の関係で夜10時過ぎにキャンプ場は消灯となり、参加者は翌日に備えることとなりますが、筆者は翌日朝には東京に戻る必要があったため、消灯のタイミングで涙を飲んで会場を後にすることに。当日は諏訪湖花火大会が開催され、いつも以上に渋滞が懸念されましたが、混雑に捕まることなくスムーズに東京に帰着しました。

バイクロア1番の名物レースオウルクラス(仮装レース)も盛り上がった 

 常に渋滞に悩まされる中央道を使うことを考えると、早朝に出発して蓼科で1日中遊んだ後、渋滞がなくなる頃を見計らって東京に帰るというのも非常に有効な手段だと思います(ベストは翌日までしっかり楽しむことなのですが)。

 筆者は体験することがかないませんでしたが、翌日には「Run boys! Run girls」が主催するランニングイベントや、バイクロア1番の名物レースオウルクラス(仮装レース)が開催され、大いに盛り上がり、最後には虹まで出現したとのこと。会場では冬に開催される秋ヶ瀬でのバイクロアの話題も早くもチラホラと聞こえてきました。毎回新しい試みを我々に提供してくれるバイクロア。秋ヶ瀬の森では一体どんなサプライズを提供してくれるのか、冬の訪れを楽しみに待ちたいと思います。

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