市役所の「自転車まちづくり推進室」が牽引“自転車のまち”堺でコミュニティサイクルが人気 交通環境整備に本腰

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 “自転車のまち”として知られる大阪府堺市で、安価に借りられるコミュ二ティサイクルが市民や観光客のあいだに浸透し、人気を集めている。自転車部品最大手のシマノ本社や、自転車博物館サイクルセンターなどが立地する堺市では、“自転車の市民権”を尊重したまちづくりを進めており、コミュニティサイクルは取り組みの牽引役となっている。(レポート 岡田由佳子)
 

1日乗って300円 便利でお得なシステム

 堺市のコミュニティサイクルは2010年にスタート。市内には、コミュニティサイクルで使用される自転車を管理する「サイクルポート」と呼ばれるスペースが6カ所設置されている。

堺市では自転車のまちづくりを推進する取り組みの一つとしてコミュニティサイクルが人気を集めている。仁徳陵古墳などの観光地がある百舌鳥駅前サイクルポート堺市では自転車のまちづくりを推進する取り組みの一つとしてコミュニティサイクルが人気を集めている。仁徳陵古墳などの観光地がある百舌鳥駅前サイクルポート

 貸出・返却は、有人ポートでは午前5時から翌日午前1時まで、無人ポートでは24時間可能だ。利用料金は軽快車300円、電動アシストが400円、回数券が1000円(5回分)、ほかに定期券などもあってリーズナブルだ。

 さらに、利用者は無料でひったくり防止カバーを借りられたり、観光客向けに「堺まちあるきマップ」が配布されたりと、サービスは充実している。

 その利便性の高さから、市内ではいたるところでコミュニティサイクルの利用者が目にとまり、市民の足として浸透していることを実感できる。
 

自転車道を整備 独自の自転車条例制定も

 コミュニティサイクルだけでなく、堺市では交通環境の整備や行政施策の面でも大きな変化が訪れている。

コミュニティサイクルに使用される自転車コミュニティサイクルに使用される自転車

 市は2009年4月に「自転車まちづくり推進室」を設置。歩行者と自動車が優先されがちな日本の交通環境において、人にも環境にも優しい自転車の利用者に理解ある施策を打ち出してきた。

 今年(2013年)の10月までには、歩行者、自転車、自動車の3者が安心して移動できる環境整備のため、新たに自転車道を整備する予定だ。歩行者と自転車、自動車を明確に分離して市民の安全を確保する。

 また、平成25年度内を目標に、堺市独自の自転車に関する条例を制定する。条例には、防犯登録・ヘルメット着用・安全講習受講の義務化、ルールの周知やマナー啓発、自転車利用の促進などを盛り込む予定だ。

 元自転車博物館館長で、現在は「堺自転車のまちづくり・市民の会」代表の中村博司さんは、「自転車は健康、環境、利便性などの面でとても素晴らしい乗り物。自転車のまち堺らしさを盛り込んで、観光や日常での利便性、健康増進など色々な面で市民生活の質を高めたい」と話す。

 いま全国を見渡すと、自治体ごとに自転車に関する条例や道路環境整備が行われ始めている。こうした中、自転車のまち・堺市の着実な取り組みは、他の自治体や日本の自転車環境に何かしらの影響を与えることを期待している。

■堺市自転車のまちづくり推進室
http://www.city.sakai.lg.jp/kurashi/doro/jitensha/suishin.html
 
■堺自転車のまちづくり・市民の会
http://www.bicycle-sakai.com/machi/

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