バイクインプレッション2013「GRAPHITE DESIGN WROCCA」 命名は方言に由来 リズミカルにしなりで進むフルカーボンフレーム

  • 一覧

 東京のウォーターフロントでもレースが開催されるなど、大人の本気の泥遊びとしてシクロクロスが人気だ。そこで3人のテスターが国産シクロクロスバイク4台を特別インプレッション! 最終回はグラファイトデザイン・ウロッカだ。

 カーボンゴルフシャフトを製造するグラファイトデザインは、2007年からスポーツバイクの開発を開始した。品質、性能、そして選手からのフィードバックを元に乗り味も徹底追求を続けている。ウロッカはレースからツーリングまでをカバーする同社唯一のシクロクロス専用フレーム。クラシックなルックスとは裏腹に、エリートライダーも納得のレース性能が自慢の一台だ。

「GRAPHITE DESIGN WROCCA」(グラファイトデザイン ウロッカ)「GRAPHITE DESIGN WROCCA」(グラファイトデザイン ウロッカ)

GRAPHITE DESIGN WROCCA(グラファイトデザイン ウロッカ)
価格:220,500円 (フレーム&フォーク)
サイズ:52、54
カラー:パールホワイト
問い合わせ先:グラファイトデザイン http://cycle.gd-inc.co.jp

 

スペック

フレーム:カーボン
フォーク:カーボン
変速機:シマノ・CX(F)、シマノ・105(R)
ギヤ:シマノ・CX 46×36T、12-25T(10速)
ホイール:シマノ・アルテグラ
重量:1,140g(フレーム)、560g(フォーク)

プーリーを取り付けられ、フロントディレイラーは上下引きに対応する。バンド径はφ34.9だプーリーを取り付けられ、フロントディレイラーは上下引きに対応する。バンド径はφ34.9だ
フロントフォークのエンドにはダボが付き、先端は地面に向かって長めになっているフロントフォークのエンドにはダボが付き、先端は地面に向かって長めになっている
ダウンチューブはBBシェルに対してオフセットして接続するため、前三角はより広く担ぎやすいダウンチューブはBBシェルに対してオフセットして接続するため、前三角はより広く担ぎやすい

インプレッション BY 江下健太郎・松尾修作・米山一輝

米山 国産シクロクロスバイクを4台乗り比べる特別企画だったけど、ぜひこれらの国産バイクが普及して、さらにシクロクロスが盛り上がっていくといいね。

江下健太郎 埼玉県日高市の「じてんしゃPit」店主。MTBのエリート選手で、インストラクター資格も持つ。シクロクロスの経験も豊富で、ロードでもかつてアイサンなどで活躍した江下健太郎
埼玉県日高市の「じてんしゃPit」店主。MTBのエリート選手で、インストラクター資格も持つ。シクロクロスの経験も豊富で、ロードでもかつてアイサンなどで活躍した
松尾修作 VAX RACING with SAITAMA(バックスレーシング ウィズ 埼玉)所属。Jプロツアーに参戦するレーサーで、脚質はオールラウンダー。スイスでのレース活動経験も持つ松尾修作
VAX RACING with SAITAMA(バックスレーシング ウィズ 埼玉)所属。Jプロツアーに参戦するレーサーで、脚質はオールラウンダー。スイスでのレース活動経験も持つ

松尾 そうですね。僕もこのウロッカでシクロクロスを走りますが、グラファイトデザインが自信を持ってお届けする、ブランドの理念が詰まった一台なので、試乗の機会などがあったらぜひ乗ってみてもらいたいです。ブランドの特徴であるしなりや反発を、オフロードでも感じられますよ。

江下 レースはカテゴリ分けされ、初心者も始めやすい環境はあるよ。さて、ウロッカはカーボンフレームらしく踏み出しが軽いし、フレーム重量も軽い。剛性はほどよく高く、ほどよくしなやかでもあった。フォークのバランスも良かった。軽量に仕上げられるから、こだわりのレースマシンを作ってシクロクロスを楽しみたい人には、好順位を狙いたいという楽しみ方も含めてオススメだよ。

米山一輝 数多くのトップ選手を輩出した東京の名門クラブチームで15年の選手経歴を持つ元レーサー。現在は国内レースを取材で転戦中米山一輝
数多くのトップ選手を輩出した東京の名門クラブチームで15年の選手経歴を持つ元レーサー。現在は国内レースを取材で転戦中

松尾 リズミカルに踏んで行けるバイクなので、トラクションを稼ぐのには有効かなと思いました。グリグリと踏んで行けるので楽しいですよ。それに、カラダを大きく使えるような高い安定性があって、砂利道のようなハンドルが左右に細かく取られやすいシーンでも視線はぶれないし、大きな衝撃はフレームが和らげてくれるので走りやすかったです。

米山 僕は軽快さよりも、もっちりとした独特の乗り味が際立つバイクだから、レースよりもツーリングバイクとして使ってみたいな。走破性と振動吸収性が高く、車両を軽量に仕上げられるから、輪行旅のパートナーとして良い選択だと思う。

江下 たしかに、ツーリングバイクに仕立てるのも良いね。ウロッカは性能と乗り味にとてもこだわって開発されたバイクだから、フィーリングはグラファイトデザインらしさがしっかりある。でも、全体のまとまりは乗りやすさがあって、レースバイクとしても十分な走行性能だったと思うよ。ダウンチューブはBBに対して中心位置をずらして接続する。このダウンチューブの曲げの部分が、脚への反力を小さくコントロールし、さらに前三角が大きくなっているので、担ぎやすさは最高!


松尾 グラファイトデザインはエンドの強度までも含めて剛性を計算し、理想のバイクを具現化しています。細部のこだわりが効いていますよ。ウロッカの名前の由来ですが、本社のある埼玉県秩父地方の方言で、“うろっかする”というのがうろうろすると言う意味で、そこから来ているそうですよ。

米山 そうだったんだ。純レース向けの性能ではなく、汎用性を高めてターゲットを広くしているのかな。少々もさっとしている気もするけど、馴染めば良いパートナーになりそう。僕はレース志向ではないから、ツーリングに行きたいバイクという印象だけどね。

江下 うろうろか、なるほどね。このバイクの特徴はトップチューブがわずかにカーブしていたり、やっぱり設計にあると思うんだ。今回試乗した他の3台のハンガー下がりは60mmだったのに対して、ウロッカだけは70mmだった。低重心で、シクロクロス特有のシケイン越えや、バイクを押して走らなければならないようなセクションで、10mm下がりの差は乗り降りに効く嬉しい違いだ。それから、ロードのコンポーネントを流用して組みたい人を想定して、フロントディレイラーはプーリーが付属して上下引きに対応している。ルックスがクラシックでシンプルだから惑わされるけど、全体的にとてもまとまりのある一台だよ。ロードバイクからシクロクロスへと趣味の幅を広げたい人にはピッタリでしょう。

TEXT BY 齋藤むつみ / PHOTO BY 和田やずか

この記事のタグ

グラファイトデザイン バイクインプレッション

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載