ツール・ド・北海道2019 第2ステージ集団の猛追をかわしたバセットがステージ優勝 ザッカンティの総合首位は変わらず

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 北海道北部と東部を舞台に開催中のステージレース「ツール・ド・北海道2019」(UCIアジアツアー2.2)は9月7日、第2ステージを実施。174kmで争われたレースは9人が先行し、後半にかけて人数を減らしながらも、メイン集団に対してはリードを守って逃げ切ることに成功。フィニッシュ目前でアタックを成功させたスティーヴン・バセット(アメリカ、ワイルドライフジェネレーションプロサイクリング)が後続の追い上げをかわしてステージ優勝を挙げた。個人総合首位のフィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)は、リーダージャージのキープに成功している。

ツール・ド・北海道2019第2ステージ。先頭グループによる最終盤の駆け引きを制したスティーヴン・バセットが勝利を挙げた Photo: Syunsuke FUKUMITSU

強力な9人の逃げがレースをリード

 3つの峠越えを果たした第1ステージでは、序盤に形成された先頭グループが途中メンバーを入れ替えながら飛ばしていき、そのまま逃げ切り。その中から終盤に抜け出したザッカンティが独走で勝利を挙げた。この日の第2ステージでは、レースリーダーとしてグリーンジャージを着用する。

スタート地点に並んだ3賞ライダー ©︎TDH2019

 大会中盤戦となるステージは、帯広市を出発して北見市にフィニッシュする174km。スタート直後から北へと進行し、レース半ばからはヤマ場となる山岳区間へ。1級山岳・三国峠と2級山岳・石北峠の標高1000m超の上りを立て続けに通過すると、目的地となる北見市留辺蘂町まで約50kmのダウンヒル。スタートからじわじわと上っていき、山岳区間で一気に勾配が厳しくなるコースレイアウトは、プロトンの人数を絞り込み、終盤にかけてはサバイバルを生き残った選手たちによる勝負となることも見込まれた。

 さらには、夜半からの雨がスタート直前まで降り続き、路面はウェット。ロードコンディションがレースにどのように影響を与えるかも、注目すべきポイントになった。

リアルスタート直後に飛び出した4選手 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 帯広競馬場前をスタートしたプロトンは、リアルスタートともに激しい出入りとなる。早い段階で4人がリードすると、これに5人が追随。メイン集団はこれらの動きを容認し、リーダーチームのNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネが中心となって、レースをコントロールしていった。

 30km地点を過ぎたところで追っていた5人が先頭へ合流。9選手がレースを先行することになった。先頭グループ9人は以下の通り。

増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
岡本隼(愛三工業レーシング)
木村圭佑(シマノレーシング)
セバスティアン・バーウィック(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル)
ライアン・カヴァナ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル)
クレイグ・ウィギンス(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル)
石橋学(チーム ブリヂストンサイクリング)
ロビー・ハッカー(オーストラリア、チームUKYO)
スティーヴン・バセット(アメリカ、ワイルドライフジェネレーションプロサイクリング)

 37.6km地点に設置されたホットスポット(中間スプリントポイント)での先頭9人と集団とのタイム差は約4分30秒。ここはウィギンス、木村、カヴァナの順で通過した。

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ勢がコントロールするメイン集団 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 しばらくは静かに進んだメイン集団だったが、中盤の山岳区間に入ると少しずつ先頭グループとの差を縮めていく。本格的な上りが始まると、その差は2分台へ。この間、先頭では1つ目の山岳である1級の三国峠の頂上に到達。石橋が1位で通過した。

 その後もメイン集団の勢いは増していく一方。2つ目の山岳、2級・石北峠を迎えると先頭グループとメイン集団とのタイム差は1分台となり、完全に射程圏内にとらえた。先を急ぎたい先頭だが厳しい上りによって崩壊し始め、岡本、木村、ウィギンスが脱落。6人が残ることとなり、頂上は石橋が再び1位で通過した。

 タイミングを同じくして、メイン集団ではサルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム)のアタックをきっかけに、グリーンジャージのザッカンティや個人総合8位でスタートした山本元喜(キナンサイクリングチーム)ら8人が飛び出し、追走を開始する。しかし集団はこれを許さず、頂上通過後の下りで追走グループをキャッチ。かたや、6人となった先頭グループは下りでスピードを上げて、1分30秒前後の差を保ったままレース終盤を迎えた。

三国峠を進むプロトン ©︎TDH2019

逃げ切りメンバーでの駆け引きをバセットが制する

 残り20kmを切っても1分以上のリードを持って逃げ続けた6選手。後方ではマラルエルデネ・バトムンフ(モンゴル、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム)が単独追走を試みたが実らず。メイン集団ではNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネのほか、キナンサイクリングチーム、マトリックスパワータグなどもペーシングに加わり、先頭グループに迫る。

レース後半、グリーンジャージのフィリッポ・ザッカンティ自らメイン集団を牽引する ©︎TDH2019

 残り10kmを迎えてその差は55秒。逃げ切りに賭けて突き進んだ6人は、フィニッシュまで4kmとなったところでも40秒のリード。メイン集団を振り切る可能性が高まると、勝負を意識して牽制気味になったが、それでも十分なタイム差を持って最終局面を迎えた。

 いよいよステージ優勝争い。互いを意識した駆け引きの中から、残り500mを前にしたところでバセットがアタック。ここまで逃げ続けてきた選手たちを一気に引き離し最終のストレートへやってきた。最後は後続に対して余裕をもってステージ優勝のフィニッシュを迎えた。

ステージ上位3選手の表彰 ©︎TDH2019

 バセットから6秒差で、こちらも逃げ切った石橋、ハッカーと続いた。さらに最終局面で猛追したメイン集団も、先頭から8秒差でフィニッシュラインを通過。集団には35人ほどが残った。スタート時の雨はレース中盤までには上がり、天候が展開を大きく変化させることはなく終わっている。

 個人総合首位のザッカンティはメイン集団でレースを終え、リーダージャージを堅守。2位のサミュエル・クローム(オーストラリア、チームUKYO)、3位のヌル・アミル・ファクルディン・マズキ(マレーシア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム)も変わっていないが、同タイムで並んでいた4位以下に変動が発生。第2ステージまでの着順の合算により、この日16位で終えた山本が4つ順位を上げて個人総合4位に浮上。なお、トップのザッカンティから8位までが総合タイム差42秒の間にひしめいており、まだ順位が大きく入れ替わる可能性がある。

個人総合首位の証であるグリーンジャージをキープしたフィリッポ・ザッカンティ ©︎TDH2019

 大会は残すところあと1日。最終の第3ステージは、北見市から当麻町までの182km。この日も中間地点を過ぎたところから標高1000m超の北見峠の上りへ。その後は目立った変化がないコースセッティングとあって、フィニッシュへと急ぐプロトン内の駆け引きが見どころとなりそう。個人総合首位のザッカンティは、大会のタイトルに王手をかけて今大会最後のステージへと挑むことになる。

ツール・ド・北海道第2ステージ(174km)結果
1 スティーヴン・バセット(アメリカ、ワイルドライフジェネレーションプロサイクリング) 3時間57分33秒
2 石橋学(チーム ブリヂストンサイクリング) +6秒
3 ライアン・カヴァナ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +7秒
4 ロビー・ハッカー(オーストラリア、チームUKYO) +8秒
5 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
6 セバスティアン・バーウィック(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル)
7 クレイグ・ウィギンス(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル)
8 レイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO)
9 フアンホセ・ロバト(スペイン、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)
10 孫崎大樹(チーム ブリヂストンサイクリング)

個人総合
1 フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 8時間27分30秒
2 サミュエル・クローム(オーストラリア、チームUKYO) +29秒
3 ヌル・アミル・ファクルディン・マズキ(マレーシア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +31秒
4 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +35秒
5 ホセヴィセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)
6 徳田優(チーム ブリヂストンサイクリング)
7 小出樹(京都産業大学)
8 ジョアン・ボウ(スペイン、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +42秒
9 スティーヴン・バセット(アメリカ、ワイルドライフジェネレーションプロサイクリング) +1分30秒
10 石橋学(チーム ブリヂストンサイクリング) +1分40秒

ポイント賞
1 スティーヴン・バセット(アメリカ、ワイルドライフジェネレーションプロサイクリング) 26pts
2 フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 25pts
3 サミュエル・クローム(オーストラリア、チームUKYO) 20pts

山岳賞
1 ジョアン・ボウ(スペイン、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 23pts
2 山本元喜(キナンサイクリングチーム) 19pts
3 石橋学(チーム ブリヂストンサイクリング) 17pts

チーム総合
1 NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ 25時間25分10秒
2 チームUKYO +1分31秒
3 キナンサイクリングチーム

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