日本人トップは京産大・小出樹ツール・ド・北海道が開幕 初日は3つの峠越えをNIPPOのザッカンティが独走勝利

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 国内で開催されるUCI公認の国際ステージレースの1つ、ツール・ド・北海道(UCIアジアツアー2.2)が9月6日に開幕。全3ステージ・総距離541kmの戦いが幕を開けた。大会初日、第1ステージは3つの山々をめぐる185kmで争われ、この日最後のカテゴリー山岳であった狩勝峠で独走に持ち込んだフィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)がステージ優勝。これにより、個人総合でも首位に立ち、グリーンのリーダージャージに袖を通した。また、ザッカンティから25秒差の第2グループでフィニッシュした小出樹(京都産業大学)が日本勢最上位の5位となった。

ツール・ド・北海道2019第1ステージは、終盤に独走へと持ち込んだフィリッポ・ザッカンティが制した Photo: Syunsuke FUKUMITSU

震災を乗り越え2年ぶりのレース開催

 今年で33回目を迎えるツール・ド・北海道は、国内で開催されるレースでは数少ないラインレースによるステージ編成が特徴。広大な北海道を東西南北に分け、毎年持ち回りで開催地域が変動するのも特徴だ。

オープニングセレモニーに参加する出場チーム Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 今年は道北・道東地域が舞台。昨秋、北海道を襲った巨大地震「北海道胆振東部地震」により、開催中止となった昨年大会から引き継ぎ、北海道中央部にそびえる大雪山系の山々を囲うようにして3日間を走破する。

 第1ステージは旭川市から新得町までの185km。レース前半に2つの1級山岳を立て続けに上った後、いったん下って中間地点へ。細かなアップダウンを経て、このステージの勝負どころとなりそうなのが、フィニッシュ前約17kmで頂上を迎える2級山岳・狩勝峠。そして最後は、新得町に設けられるフィニッシュラインに向かってのダウンヒル。3つのカテゴリー山岳を越える難コースだけに、状況によっては総合争いの形成にも影響を与えることが予想された。

 そして迎えたレース、リアルスタートから早々に15人が集団から抜け出し、そのまま先頭グループを形成した。その後しばらくはメイン集団の出入りも激しく、追走狙いの動きもみられるが、いずれも前方へ合流することはできないまま集団へと引き戻されていく。

レース前半の山岳区間を進む先頭グループ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 15人で落ち着くかに見られた先頭グループでも、レース前半のポイントとなった山岳区間に入って数人が脱落し、人数が絞られていく。それと入れ替わるようにして、メイン集団から再び追走を狙って飛び出す選手が現れ、やがて先頭へ。1つ目の山岳ポイントを前に先頭グループは11人となり、メイン集団とのタイム差は6分以上に広がった。

 形勢を固めた先頭グループの11人は以下の通り。

山本元喜(キナンサイクリングチーム)
ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)
安原大貴(マトリックスパワータグ)
ヌル・アミル・ファクルディン・マズキ(マレーシア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム)
小出樹(京都産業大学)
ライアン・カヴァナ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル)
柴田雅之(那須ブラーゼン)
徳田優(チーム ブリヂストンサイクリング)
ジョアン・ボウ(スペイン、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)
フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)
サミュエル・クローム(オーストラリア、チームUKYO)

 2カ所の1級山岳ポイントは、どちらもジョアン・ボウ(スペイン、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)がトップ通過。後方では、メイン集団も上りを通じて人数が減っていく状況。約5分差で両グループが中間地点を通過した。

宇都宮ブリッツェンの選手たちがメイン集団を牽引する ©︎TDH2019

 先頭グループは有力チームから選手が送り込まれているだけあって、中盤以降も快調に飛ばしていく。メイン集団では宇都宮ブリッツェンを中心に追撃ムードを高めていき、先頭とのタイム差を4分台としたが、残り50kmを切ったところで先頭グループもペースを上げてその差を5分台に再び拡大。その後も両者の差には大きな変動がないままレース終盤へと移っていった。

上りでザッカンティが決定的アタック

 リードを保ってきた先頭グループも、フィニッシュまでの距離を減らすにつれ、さすがに協調体制に乱れが見え始める。メイン集団とのタイム差にも表れ始め、3つ目のカテゴリー山岳となる2級の狩勝峠に入る頃には約2分差となる。やがて上りが始まると、先頭から柴田、安原とドロップ。

フィリッポ・ザッカンティがアタックを成功させる ©︎TDH2019

 勝負をかけた動きは、残り20kmを切ったところで訪れた。逃げ切りを目指して勢いづく先頭グループからザッカンティがアタック。これを山本がチェックに動き、しばらく2人が先行する状況に。しかし、山本の追走はザッカンティまでは届かず、頂上通過後の下りでグループへと引き戻されてしまう。そこからはザッカンティの独走態勢となった。

 一時は後続に最大40秒のリードを奪ったザッカンティ。最終局面を迎えてタイム差を縮められたものの、最後は余裕をもってフィニッシュへ到達。第1ステージを完勝した。

第2グループのスプリント。サミュエル・クローム(右から3人目)がステージ2位となる。左端は日本勢最上位の5位となった小出樹 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 ザッカンティのフィニッシュから25秒、第2グループは7人となってやってきた。ここはクロームが制してステージ2位。マズキが3位に続き、日本人最上位で小出が5位。さらに1分13秒差でメイン集団、こちらも30人ほどに絞られてステージを終えた。

 この結果、ザッカンティが個人総合でも首位に立ってレースリーダーの証であるグリーンジャージを獲得。同時に、ポイント賞のブルージャージも手にしている。また、山岳賞のレッドジャージにはボウが袖を通し、チーム総合と合わせてすべての賞でNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ勢がトップに立っている。

グリーンのリーダージャージに袖を通したフィリッポ・ザッカンティ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 翌7日に行われる第2ステージは、帯広市から北見市までの174km。中盤に1級山岳・三国峠と2級山岳・石北峠を立て続けに上る。ともに標高1000m超の山岳が、総合争いを大きく動かすポイントとなりうる。そして、石北峠からフィニッシュめがけての約50kmに及ぶダウンヒルも注目だ。

ツール・ド・北海道第1ステージ(185km)結果
1 フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 4時間29分59秒
2 サミュエル・クローム(オーストラリア、チームUKYO) +25秒
3 ヌル・アミル・ファクルディン・マズキ(マレーシア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム)
4 ジョアン・ボウ(スペイン、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)
5 小出樹(京都産業大学)
6 ホセヴィセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)
7 徳田優(チーム ブリヂストンサイクリング)
8 山本元喜(キナンサイクリングチーム)
9 フアンホセ・ロバト(スペイン、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +1分38秒
10 ベンジャミ・プラデス(スペイン、チームUKYO)

個人総合
1 フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 4時間29分49秒
2 サミュエル・クローム(オーストラリア、チームUKYO) +29秒
3 ヌル・アミル・ファクルディン・マズキ(マレーシア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +31秒
4 ジョアン・ボウ(スペイン、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +35秒
5 小出樹(京都産業大学)
6 ホセヴィセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)
7 徳田優(チーム ブリヂストンサイクリング)
8 山本元喜(キナンサイクリングチーム)
9 フアンホセ・ロバト(スペイン、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +1分48秒
10 ベンジャミ・プラデス(スペイン、チームUKYO)

ポイント賞
1 フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 25pts
2 サミュエル・クローム(オーストラリア、チームUKYO) 20pts
3 ヌル・アミル・ファクルディン・マズキ(マレーシア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) 16pts

山岳賞
1 ジョアン・ボウ(スペイン、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 23pts
2 山本元喜(キナンサイクリングチーム) 19pts
3 フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 10pts

チーム総合
1 NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ 13時間32分0秒
2 チームUKYO +1分38秒秒
3 キナンサイクリングチーム

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