バイクインプレッション2019ディスク化で長所を伸ばしたレーシングエアロロード ピナレロ「プリンスFX DISK」

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 ピナレロの「プリンスFX」にディスクブレーキモデルが追加され、2020年モデルから「プリンスFX DISK」が新たに登場した。上位モデルから受け継いだエアロデザインを武器としつつ、さらにディスクブレーキ化でブラッシュアップを果たしたレーシングモデルを試した。

新たに登場したピナレロ「プリンスFX DISK」 Photo: Masami SATOU

ドグマF10の流れを汲むモデル

 プリンスは2000年代初頭からピナレロのラインナップに加わった伝統のモデル。ハイエンドバイクは「ドグマ」シリーズが担っているが、その流れを汲むテクノロジーがプリンスシリーズにも投入。高いスペックを持つセカンドグレードとして支持を集めている。

 現在、プリンスシリーズは同じフレーム形状を採用し、それぞれカーボングレードが異なった「プリンス」と「プリンスFX」の2車種がある。前者は様々なレベルに対応し、扱いやすい剛性に調整されたT700 12K カーボンを採用、後者にはT900 3K ハイストレングスカーボンが用いられ、より軽く、より反応に優れた仕上がりになった。前年まではディスクブレーキに設定はプリンスのみだったが、2020年モデルからプリンスFXにもディスクブレーキが設定された。

「F10」ドグマの流れを汲むエアロデザインが各所に採用 Photo: Masami SATOU
チェーンステーはパワーを最適に伝える左右非対称デザイン Photo: Masami SATOU

 フレーム形状はドグマF10を踏襲し、全体的にエアロ効果を発揮するデザインが用いられた。ダウンチューブやシートチューブ、シートステーには乱流を抑えるカムテール形状を採用。また、フロントタイヤとダウンチューブ、フロントフォークの間は詰められ、空気抵抗を削減している。ダウンチューブのコンケーブ形状のリブもドグマから受け継いだ特徴の一つだ。

エアロ効果を高めるコンケーブ上のリブをダウンチューブに配置 Photo: Masami SATOU

 リムブレーキ仕様のプリンスFXは、ドグマF10比で剛性と瞬発力の高さは一歩譲るも、扱いやすさと安定性は同レベルだと評価した。今回の新モデルはディスクブレーキ化したことで、スタビリティはリムブレーキモデルよりも高いレンジに進化。長所に磨きをかけた。

 弱アンダーステアで、超安定志向のピナレロ独特なハンドリングはさらに磨きがかかった。スルーアクスルで軸の剛性が高まり、コーナーへのブレーキングもフロント周りの挙動が安定。コーナリング中のライン変更も自由自在で、狙ったコースを容易になぞることができる。完成車に付属したタイヤではグリップの限界にすぐ達してしまうので、車格に見合ったグレードを装着したいところか。

元々高いスタビリティに磨きをかけた Photo: Masami SATOU

 軸の剛性が上がったことで推進力もアップしたとは感じるが、タイヤと同じく初期のホイールがスポイルしている印象。完成車での購入であれば、レース用のホイールも検討したい。決して“走らない”タイヤとホイールではないが、プリンスFXが持つ本来の性能を引き出すにはグレードアップが欠かせない。第一線で活躍できるレーシングスペックを持つバイクであるが故だ。

 スタイリングとテクノロジーを踏襲したドグマF10 DISKからフレームセットで20万円以上も求めやすいプリンスFX DISK。素材は異なるものの、コストパフォーマンスに優れているのは明らかだ。他ブランドのハイエンドバイクに匹敵するスペックは、今も昔も変わらない。

■ピナレロ「プリンスFX DISK」
税抜価格:475,000円(フレームセット)、628,000円(アルテグラ完成車)
サイズ:44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56、57.5、59.5、62 ※SLはスローピング
カラー:266 RED/BLACK(レッド・ブラック)(シャイニー/マット)、258 BOB(ブラックオンブラック)(マット/シャイニー)、263 WHITE AMETISTA(ホワイトアメティスタ)(シャイニー)

松尾修作松尾修作

サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。

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