ブエルタ・ア・エスパーニャ2019 第12ステージ37歳のベテラン・ジルベールが優勝 総合トップは変わらず翌日の山岳ステージへ

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 第74回ブエルタ・ア・エスパーニャの第12ステージが9月5日に行われ、フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)が優勝、19人の大逃げから抜け出し、最後は独走でグランツール通算10勝目を飾った。マイヨロホはプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)がキープ。総合トップ10に変動はなかった。また、新城幸也(バーレーン・メリダ)は82位でフィニッシュした。

グランツール通算10勝目をあげたジルベール Photo: Yuzuru SUNADA

アタック合戦の末、逃げは19人に

 第12ステージは、ナバラ・サーキットからビルバオまでの171.4km。42kmとレース後半の134、144、158km地点に3級山岳が組み込まれている。最後の山岳は距離2.2kmと短いものの、平均勾配は12.2%。非常に厳しい上りとなっている。

 最後の山岳をクリアした後、ゴールまでは下り。集団スプリントを嫌うクライマーが山岳で仕掛けるか、その動きにパンチャーやスプリンターが食らいつき集団ゴールに持ち込むか、それとも下りが得意な選手がダウンヒルを利用し突き放すか。また、総合勢が翌日の山岳決戦に備え移動ステージと捉えれば、逃げ切りの可能性もあるだろう。

 レースは開始早々アタック合戦が勃発。逃げては捕まえての繰り返しで中々逃げが容認されない。

連日の熱戦にこの日、多くのファンが詰めかけた Photo: Yuzuru SUNADA

 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)、エコトル・サエス(スペイン、エウスカディ・ムリアス)、フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)、レミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)ら、さまざまな選手が飛び出すが後ろが吸収。残り70km、100kmを消化しても集団は一つのままだった。スタートから20km毎に測られる平均スピードは時速40km超え。ハードなレースとなっていた。

ようやく決まった逃げ

 逃げが決まったのは約60km地点、19人の大逃げが出来上がる。ジルベールのほか、ホセ・ロハス(スペイン、モビスター チーム)やマヌエーレ・ボアーロ(イタリア、アスタナ プロチーム)、フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)、ティム・デクレルク(ともにベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)、スガブ・グルマイ(エチオピア、ミッチェルトン・スコット)、ニキアス・アルント(ドイツ、チーム サンウェブ)、ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)、アレックス・アランブル(スペイン、カハルラル・セグロスエレヘアー)、フェルナンド・バルセロ(スペイン、エウスカディ・ムリアス)といった選手が名をを連ねていた。

ハイペースで進んだレース Photo: Yuzuru SUNADA

 逃げの中での総合成績は、トップのロハスでも51分18秒遅れの50位。後ろは、危険な逃げではないと判断し、この逃げをを容認した。ようやく落ち着いた集団、ゴールまで40kmを切る頃にタイム差は5分以上にとなる。また、リーダージャージを保持するユンボ・ヴィスマはこの逃げに誰も乗せず、メイン集団をコントロールしていた。

ジルベールの優勝に貢献したデクレルク Photo: Yuzuru SUNADA

 レースが動いたのは最後から2つ目の山岳の上りの残り30km。グロスチャートナーが逃げからアタックし独走を始める。その動きに逃げからグルマイが追走。グロスチャートナーをキャッチし、2人が飛び出す形になる。一方で残りの逃げからは遅れ始める選手も出てきていた。

 残り20km、グロスチャートナーとグルマイから20秒程後ろに残りの逃げ、さらにそこから3分程後ろにユンボ・ヴィスマが牽引するメイン集団が位置していた。

 残された逃げは2人を追走。ステージ優勝を狙う為、必死に追い上げる。すると20秒あったタイム差は徐々に縮まり、最後の山岳に入る頃に2人をキャッチ。レースは振り出しに戻り、先頭はロハス、ボアーロ、ジルベール、アルント、コンティ、アランブル、バルセロとなる。

ジルベールがアタック

 ラスト9km、いち早く仕掛けたのは経験豊富なジルベール。そこに反応できたのは、アランブルとバルセロのプロコンチームの2人だけだった。2人は食らいつくが、ジルベールは快走。後ろを引き離し、山岳ポイントも一人で通過する。ジルベールはそのまま下りへ。得意のダウンヒルでゴールを目指す。

 もちろん、アランブルとバルセロは諦めない。前日のステージでもプロコンチームが優勝。それに続かんとばかりに息の合ったローテーションでジルベールを追いつめる。残り1km、ジルベールは目と鼻の先。だが、ジルベールは独走、最後は後ろを振り返る余裕も見せ、フィニッシュラインを1番に通過した。

 今年37歳、ベテランらしい判断で優勝を手に入れた。また、19人の逃げに乗りアシストをしたチームメートのデクレルクの好走も光った。

ジルベールの勝利を称えるバルセロ Photo: Yuzuru SUNADA

 一方、メイン集団で大きな動きは出ず。途中、積極的に牽引していたユンボ・ヴィスマのアシストが後ろに下がり、ロペスがアタックする場面もあったが、総合上位のログリッチェ、キンタナ、バルベルデ、ポガチャルはすかさずチェック。総合トップ10に変動なく、翌日の山岳ステージに臨む。

第12ステージ結果
1 フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) 3時間48分18秒
2 アレックス・アランブル(スペイン、カハルラル・セグロスエレヘアー) +3秒
3 フェルナンド・バルセロ(スペイン、エウスカディ・ムリアス)
4 ホセ・ロハス(スペイン、モビスター チーム) +22秒
5 ニキアス・アルント(ドイツ、チーム サンウェブ) +26秒
6 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・スーダル) +29秒
7 シリル・バルト(フランス、エウスカディ・ムリアス)
8 マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、アスタナ プロチーム)
9 ティム・デクレルク(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)
10 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAE・チームエミレーツ) +31秒
82 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +14分23秒

個人総合(マイヨロホ)
1 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 44時間52分8秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分52秒
3 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +2分11秒
4 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +3分0秒
5 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ) +3分5秒
6 カールフレドリク・ハーゲン(ノルウェー、ロット・スーダル) +4分59秒
7 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) +5分42秒
8 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソルシオンクレディ) +5分49秒
9 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) +6分7秒
10 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +6分25秒
141 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +2時間4分53秒

ポイント賞(マイヨプントス)
1 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)
2 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)

山岳賞(マイヨモンターニャ)
1 アンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴス・BH)
2 ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)
3 セルジオ・エナオ(コロンビア、UAE・チームエミレーツ)

新人賞(マイヨブランコ)
1 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 44時間54分19秒
2 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ) +54秒
3 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト) +8分10秒

チーム総合
1 モビスター チーム 33時間42分43秒
2 アスタナ プロチーム +22分1秒
3 ユンボ・ヴィスマ +39分34秒

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