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ツール・ド・Jプロライダー<5>「子供の頃の夢はプロ野球選手」 全日本チャンプの入部正太朗選手にインタビュー

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 日本最高峰のロードレースシリーズ「Jプロツアー」に参戦する選手を紹介するコーナー「ツール・ド・Jプロツアー」。5人目の選手は、シマノレーシングに所属し、6月の全日本選手権大会ロードレースを制した入部正太朗選手です。子供の頃の将来の夢はプロ野球選手だったという入部選手に生い立ちやプライベートについてインタビューしました。

全日本チャンピオンジャージに身を包む入部正太朗選手(シマノレーシング) Photo: Shusaku MATSUO

フレームビルダーの家庭に育つ

 入部選手は平成元年生まれで、今年30歳。父はフレームビルダーとして知られた入部正紀さんで、自転車に囲まれて幼少期を過ごしました。高校時代からロードレースを始め、奈良県立榛生昇陽高等学校の自転車部で競技を開始。ロードレースだけでなく、ポイントレースやエリミネーションなどのトラックレースの全国大会でも活躍しました。ちなみに、吉田隼人選手(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)は同じ高校出身の同級生です。

全日本選手権では粘りの走りを見せ、新城幸也選手(バーレーンメリダ)とのマッチスプリントを制した Photo: Shusaku MATSUO

 高校卒業後は早稲田大学に入学し、自転車競技部に所属。全日本学生選手権トラックのポイントレース優勝や、団体追い抜きの国体メンバーとして出場して優勝、そして大学在学中に全日本選手権トラックのポイントレースで優勝し、全日本チャンピオンになるなどの輝かしい成績を収めました。その後、シマノレーシングでプロデビュー。以降、持ち前のスピード力を持ち味に、粘りのある走りで好成績を収めています。

 なかでも、キャリア最大の勝利は雨の富士スピードウェイで開催された全日本選手権の制覇でしょう。最終局面で3人に絞られた展開から、スプリント勝負に持ち込んだ入部選手は、新城幸也選手(バーレーン・メリダ)との一騎打ちを制して優勝。自身初となるナショナルチャンピオンジャージに袖を通しました。

 名実ともに日本一となった入部選手の素顔を探ります。

高校から初めて自転車競技の世界へ

日本一のタイトルを獲得した入部選手にお聞きします。お父さんがフレームビルダーという自転車エリートな家庭に育ったのかと思います。やはり、子供のころから英才教育があったのでしょうか?

いえ、全然そんなことありませんでした。小学生時代から野球に夢中で、プロ野球選手を目指していたんです。小学4年生から中学3年生までは野球に打ち込んでいました。水泳も4~5年くらいやってましたね。それまではロードバイクに全く乗ったことはありませんでした。

中学生まで野球に打ち込み、プロをめざしていたという (提供写真)

とても意外な回答が返ってきました…。ただ、ずっとスポーツをされていたので、下地作りができていたのかもしれませんね。競技を始めたきっかけはどんなことだったのでしょうか?

プロ野球選手になりたいなぁとは思っていましたが、縁がありませんでした。高校からは親父の関係もあり、榛生昇陽高校で自転車競技を始めました。

全国的な強豪校として知られていますね。高校、大学では「IRIBE」のフレームに乗り活躍していたのをよく覚えています。(松尾も同学年なので、高体連のレースでは入部選手の背中を見ていました。いつも千切れてましたが)

高校時代の同学年には吉田隼人選手(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)も (提供写真)
「IRIBE」のフレームを駆り、学連のレースを走る入部正太朗選手 (提供写真)

シーズン中は厳しいトレーニングやレースの日々が続いていると思いますが、休息日にはどんなことをされていますか?

ずっと寝ていますね(笑)。寝すぎも良くないと思うのですが…10時間とか平気で寝るし、ボケーっと過ごすことが多いです。遠出もめったにしないですし、近所をうろうろしてるかなぁ。趣味とかも…特にないです(笑)。

回復に全力で務めているということですね!

休日は寝ているか、近所をウロウロ…しているという (提供写真)
オフシーズンには奥様とハワイ旅行で心身ともにリフレッシュ! (提供写真)

レースに向けてのゲン担ぎってありますか?

ゲン担ぎ…ってわけではありませんが、トレードマークが緑なんです。なので、いつもアイウェアの淵が緑のものをチームから用意してもらってますね。

大勢の選手がひしめき合う集団内でも入部選手を認識でき、応援しやすいと思います。ちなみにレース中、入部選手はファンから何と呼ばれたいですか?

何でもいいですよ(笑)。今では「入部さーん!」とか呼ばれていると思います。僕は呼んでいただいた観客の方のお顔はレース中でも見ています。とても力になるのでぜひ応援していただきたいですね!

トレードマークの緑のアイウェアをかける入部選手 (提供写真)

遠方のレースに毎回ファンの方々が来ることはなかなか難しいと思います。なので「このレースは絶対に活躍するから見に来てほしい!」というレースはありますか?

僕は“逃げの選手”なので、逃げが決まりやすいコースがいいですね。広島(中央森林公園)は好きなコースです! あと、雨のレースなら大体逃げているので活躍できると思います。逆に群馬は嫌いです。上位には残れているのですが、勝てるイメージがありません。

全日本チャンピオンになり、ナショナルチャンピオンジャージを纏ってから何か心境の変化はありましたか?

日本一の実感は日に日に増してきています。チーム一丸となった勝利ですので、喜びや感謝の気持ちが常にあります。愛と感謝しかありません。力不足というのは分かっていますが、チャンピオンジャージを着たことで相応の練習を積み、その先の可能性を広げていきたいと思います!

最後にファンの皆様へ一言お願いします。

ロードレースの選手として走らせてもらって、応援してもらって本当に幸せな人生だと思います。これからもぜひ応援をよろしくお願いします!

◇         ◇

 入部選手はオリンピックプレ大会ロードレースから全日本チャンピオンジャージを着てレースをしていますが、海外遠征が続いていたことから、まだJプロツアーではその姿を披露していません。シーズン後半戦、ブルージャージの“シマノボーイズ”のなかで、ただ一人白い全日本チャンピオンジャージに身を包む入部選手の姿、ぜひ現地でチェックしてください!

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