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安井行生流ロードバイクの選び方<5>ロードバイクでホイール選びのポイントは?

by 安井行生 / Yukio YASUI
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 今回はロードバイクのホイールの選び方について。ホイールもフレームと同様、僕の基準は「性能と気持ちよさを両立しているかどうか」です。フレーム重量はほとんど気にしないと書きましたが、ホイール重量はちょっとは気にします。ホイールは重さがそれなりに走りに影響すると感じるからです。でも、軽さが最優先事項ではありません。

ホイール選びで重視すべきポイントとは? Photo: Shusaku MATSUO

なぜ「軽さが正義」でないのか

 「軽さが最も大事」なら、「軽いホイールほどよく走る」になるはずですが、実際はそんなイージーな法則は成り立たない。1200gを切っているはずなのにフルクラムのレーシングゼロ(1500g弱)より走らないホイールなんてたくさんあります。というか、極端に軽いホイールは(ライトウェイトなどの特殊なケースを除いて)走りが良くないケースが多い。

「軽さは正義」はホイールには当てはまりにくいが、なかでも完成度が高いのが超高級ホイールブランドのライトウェイト Photo: Kyoko GOTO

 ヒルクライムなら軽量なローハイト、平坦重視なら空力性能がいいディープリム、という基本ルールはありますし、カーボンリムは軽く快適になりやすいとか、ワイドリムは剛性が高くなるなどの傾向はあるにはありますが、個々のホイールの完成度の違いがそんなものを飲み込んでしまっている、というのが実際のところです。フレームと同じく、ホイールもスペックじゃ決まらないんです。

 「気持ちよさ重視」と書きましたが、「気持ちよさ」にもいろいろあります。加速がとことんシャープなもの、高速域でドカンと蹴り出してくれるもの、フワリと快適なもの、しなやかで一体感が得られるもの…など、何が気持ちいいのかは人によって変わります。だから、剛性が高ければ高いほどいいかというと、そうとも言い切れません。剛性が高すぎるホイールは一体感に欠け、ペダリングしにくくなることも多いですから。自分に合ったホイール選びの第一歩は、「自分の好みを分析すること」です。

ホイールにはフレームとの相性がある

 フレームより難しいのは、「個人の好み」という曖昧なファクターに、さらに曖昧な「フレームとの相性」というファクターがからんでくることです。どんなフレームに履かせるかでホイールの印象は大きく変わります。○○に付けると夢のようによく走るホイールなのに、△△に履かせるとギクシャクして全然ダメ、なんてことはざらにあります。

付けてみて踏んでみせて初めて知れるフレームとの相性 Photo: Shusaku MATSUO

 個人的には、しなやかなフレームには硬いホイールを、硬いフレームにはしなやかなホイールを入れるのが好みです。でも、「硬いフレーム×硬いホイール」「しなやかなフレーム×しなやかなホイール」でいいマッチングになることもあれば、その逆もあります。これは実際にやってみないと分からない。

 ホイールも正解なんかないんです。フレーム選びと同じ内容になりますが、ホイールも自分のバイクでどんどん試乗して経験してみるしかない。試乗ホイールを用意するショップも多くなってきてますし、ホイールなら仲間に「ちょっとだけ貸して」と言いやすいでしょう。そうして色んなホイールを体験してみてください。

 ただ目安として、マヴィックのキシリウム系、カンパニョーロのシャマル/ボーラシリーズ、フルクラムのレーシングゼロなど、王道・定番と言われるモデルはどんな人が乗ってもどんなフレームに組み合わせても外れにくいとは言えると思います。

カンパニョーロのボーラワンなどはどんなフレームに組み合わせても外れにくい王道・定番のホイール Photo: Masahiro OSAWA
チューブラータイヤはクリンチャーやチューブレスと比べてかなり軽量になり、上質な走りになることが期待できます Photo: Masahiro OSAWA

 そうそう、今ではすっかり傍流になってしまいましたが、登坂性能や加速の鋭さを求めるのであれば、チューブラーを選択肢に入れてみてください。タイヤを含めて考えるとクリンチャーやチューブレスと比べてかなり軽量になり、しかも上質な走りに仕上がっていることが多い。タイヤの取り扱いが面倒でパンク修理ができないなどのデメリットはありますが、あの軽やかさは何物にも替え難い魅力があります。

ディープリムを検討する際に注意すべきこと

 一つ注意していただきたいのは、軽い気持ちでディープリムに手を出さないこと。リムハイトが高くなればなるほど、横風の影響を受けやすくなります。特にフロントホイール。風向きが急に変わっても安全にバイクをコントロールできるスキルがある人ならいいですが、すぐにふらついてしまうような人はフロントにディープリムを使うべきではない。僕はそう思います。

リムハイトが高いディープリムほど横風による影響が大きくなりテクニックが問われます Photo: Kairi ISHIKAWA

 個人的な境界線は50mm。それを超えると一気にバイクの挙動が不安定になってしまいます。風が強い日に完全に制御する自信がないので、僕は50mm以上のフロントホイールは全て手放しました。

 もちろんこれは個人の技量や目的などによって変わります。ディープリムを使い慣れているベテランなら全然OKでしょうし、「レースで勝つためにはディープリムを使いこなせるようにならなければならない」というレーサーは頑張って乗りこなせるようになればいい。でも、我々一般サイクリストにとって安全より優先すべきものなどありません。

安井行生
インプレッションライダー・安井行生(やすい・ゆきお)

大学在学中にメッセンジャーになり、都内で4年間の配送生活を送る。ひょんなことから自転車ライターへと転身し、現在は様々な媒体でニューモデルの試乗記事、自転車関連の技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆する。今まで稼いだ原稿料の大半をロードバイクにつぎ込んできた自転車大好き人間。

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