女子カテゴリーが初開催アウラールが迫る集団を振り切り0.2秒差で優勝 シマノ鈴鹿ロードレースクラシック

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 “夏の祭典”「シマノ鈴鹿ロード」2日目が9月1日、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで開催された。メインレースのシマノ鈴鹿ロードレースクラシックは男子がオールイス・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)が僅差の逃げ切りで優勝、初開催の女子はステファニー・スベルカソー(チリ、ハイアンビション2020jp.インターナショナル・ウーマンズサイクリングチーム)が勝利した。

僅差で逃げ切り、優勝を飾ったオールイス・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) Photo: Shusaku MATSUO

プロが疾走する華やかなレース

 36回目の開催となったこのイベントは、鈴鹿サーキットを舞台に30種類以上の多彩な種目、また多くの企業ブースが軒を連ね、毎年多くのホビーレーサーが訪れている。シマノ鈴鹿ロードレースクラシックはJCF(日本自転車競技連盟)登録の競技者向けに開催されるカテゴリーで、国内のUCI(国際自転車競技連合)チームも出場し、華やかな顔ぶれが並ぶレースだ。全日本選手権大会ロードレースの出場資格獲得大会にも位置付けられており、30位以内に入ることで同大会への切符を手にする事が可能となっている。

観客とタッチしながらコースインするプロチームの選手たち Photo: Shusaku MATSUO
午後3時にシマノ鈴鹿ロードレースクラシック男子がスタート Photo: Shusaku MATSUO
サーキットの広いコースをいっぱいに走るメイン集団 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

出入りが激しい膠着状態が続く

 レースは全長5.8kmの鈴鹿サーキットを、通常のモータースポーツとは逆回りするレイアウトを採用。アップダウンが繰り返されるが毎年高速で展開するハードなレースが繰り広げられている。男子は10周の58km、女子は5周する29kmで争われた。

アタックが繰り返されるが決まらない展開が続く Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 レースがスタートすると、1周目からプロチームを中心に激しいアタック合戦が展開。レースを有利に進めるため、選手を送りこもうと各チームが動きを見せたが、なかなか逃げは決まらない。数人のグループが形成されるがコースを一周するまでにはメイングループに吸収される膠着状態が続いた。

 レースが動いたのは7周目に入った直後の上り。キナンサイクリングチームによりペースアップが図られた。この動きで8人の選手が飛び出すと数十秒のリードを築き、メイングループから逃げを試みた。

7周目から逃げた8人

佐野淳也(マトリックスパワータグ)
オールイス・アウラール(マトリックスパワータグ)
湊涼(シマノレーシングチーム)
マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)
トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)
椿大志(キナンサイクリングチーム)
住吉宏太(愛三工業レーシング)
清宮洋幸(竹芝サイクルレーシング)

 その後、8周目に入ると集団からホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)や福田圭晃(山中湖シクリスムフォーマション)、 黒枝咲哉(シマノレーシング)ら5人が追走に入る。計13人となった先頭集団は、ローテーションを繰り返し、快調にゴールを目指した。

13人の逃げ集団が8周目に形成 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
先頭を牽引する清宮洋幸(竹芝サイクルレーシング) Photo: Shusaku MATSUO
70km/hを超えるスピードで下る選手たち Photo: Shusaku MATSUO

出遅れたブリヂストンとブリッツェン勢

 この動きに乗れなかったのが宇都宮ブリッツェンとチーム ブリヂストンサイクリング。2チームが協力し合い、逃げグループを捕まえようとメイングループのスピードを上げた。強力なメンバーで逃げた先行グループだったが9周目の序盤にメイングループへと吸収されていく。しかし、トリビオ、アウラール、ルバの3人は粘りをみせて先行。メイン集団を振り切り、再びリードを築いた。

逃げに選手を送り込めなかった宇都宮ブリッツェンとチーム ブリヂストンサイクリングがメイン集団を牽引 Photo: Shusaku MATSUO
逃げグループに迫るメイングループ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 逃げている3人は10秒程のリードを保ったまま最終周回へ突入。一方のメイングループはスプリンターを抱えるチームが前方を固め、集団の縦に伸ばしながらスプリント体制へと入った。逃げグループ内では、トリビオがアタックを仕掛けるなど揺さぶりをかけたが、トマ・ルバも反応。アウラールもすかさずチェックし、3人は離れることなくフィニッシュラインを目指した。

先行グループから残った3人が粘りの走りで逃げ切り優勝を狙い最終周回へ Photo: Shusaku MATSUO

 「最後のフィニッシュに向けての上りストレートはフルガス(全開)で走った」と語ったアウラール。背後からメイン集団のスプリンター達が迫る中、勢いそのままに自身もスプリントを開始した。2位とわずか0.2秒という僅差でフィニッシュラインを切り優勝を飾った。2位はメイン集団から追い込んだシマノレーシングの黒枝咲哉が入った。

左から2位の黒枝咲哉(シマノレーシング)、優勝したオールイス・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)、3位の窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)、4位の黒枝士輝(チーム ブリヂストンサイクリング)、5位のトマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)、6位の孫崎大樹(チーム ブリヂストンサイクリング) Photo: Shusaku MATSUO

シマノ鈴鹿ロードレースクラシック男子結果
1 オールイス・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)1時間12分51秒
2 黒枝咲哉(シマノレーシング) +0.59秒
3 窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング) +0.61秒
4 黒枝士揮(チーム ブリヂストンサイクリング) +0.79
5 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)+01.16秒
6 孫崎大樹(チーム ブリヂストンサイクリング) +01.29秒
7 福田真平(愛三工業レーシング) +01.31秒
8 河賀雄大(eNShare Cycling Team) +01.39秒
9 大前翔(愛三工業レーシング) +01.45秒
10 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) +01.53秒

世界レベルの走りを披露

 男子に先立って行われた女子カテゴリーは16人が出走した。優勝候補に挙げられていたステファニー・スベルカソーが積極的な動きを見せ、最終周回までにリードを構築。その差は埋まることなく、逃げ切りで独走優勝を飾った。

ステファニー・スベルカソー(チリ、ハイアンビション2020jp.インターナショナル・ウーマンズサイクリングチーム)が独走で勝利した Photo: Shusaku MATSUO

 スベルカソーのロードレース歴はまだ5年と浅いが、トライアスロン世界選手権を完走する実力の持ち主。昨年のロードレース世界選手権では與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)よりも上位で完走を果たしている。次のレースはJBCF(全日本実業団自転車競技連盟)の南魚沼ロードレースに出場する予定だという。

シマノ鈴鹿ロードレースクラシック女子結果
1 ステファニー・スベルカソー(チリ、ハイアンビション2020jp.インターナショナル・ウーマンズサイクリングチーム)46分34秒
2 野上ひろみ(バルバクラブトヤマ) +10秒
3 島袋陽子(エキップリオン) +12秒

5ステージは豊田勝徳が個人総合優勝

チームTTに挑むバルバクラブ Photo: Shusaku MATSUO

 2日間に渡って行われた「5ステージ・スズカ」は、ロードレースやタイムトライアル(TT)の5ステージ制で開催。各ステージの優勝のほか、個人総合時間賞と団体総合時間賞を争った。タイム差が付きやすい第2ステージの個人TTを4位でまとめ、第3ステージのチームTTでも優勝した豊田勝徳(HSST)が個人総合時間賞を獲得。ロードレースは寺崎武郎が2勝、井上和郎が1勝を飾りバルバクラブ勢が活躍した。

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