ブエルタ・ア・エスパーニャ2019 第10ステージログリッチェが個人TTを圧勝で総合首位に浮上 総合接戦から頭一つ抜け出す

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 第74回ブエルタ・ア・エスパーニャの第10ステージが9月3日、個人タイムトライアル(TT)で行われ、プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が優勝を飾った。タイムは47分05秒、平均時速は46km。TTスペシャリストとして格の違いをみせつけ、マイヨロホも獲得した。また、日本の新城幸也(バーレーン・メリダ)は、87位でゴールしている。

個人タイムトライアルを圧勝し、混戦だった総合争いでも頭一つ抜け出したプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) Photo: Yuzuru SUNADA

今ブエルタ最初で最後のTT

 休息日明けの第10ステージは個人TT。距離は36.2kmで、スタート後に距離2km・平均勾配7.3%、中盤に1.7km・5.9%の上りが組み込まれている。それ以外は平坦基調。通常のTTの力はもちろん、登坂力も問われるコースと言えるだろう。なお、中間計測ポイントは11.9kmと24kmの2カ所に設けられている。

 優勝候補筆頭は、第9ステージ終了時点で総合2位のログリッチェ。ライバル勢に一気にタイム差をつけられるチャンスだ。

好走で一時は暫定トップに立ったレミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)。最終的にステージ3位となる Photo: Yuzuru SUNADA

 一方、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム)、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)といった総合上位勢は、ログリッチェとのタイム差を出来るだけ少なくまとめたいだろう。

 もちろん現スロベニアTTチャンピオンのタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ)や、今年のツール・ド・フランスのTTで4位に入ったウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ)にも注目だ。

 レースは総合下位から出走。序盤、好タイムを叩き出したのは、27番出走のウィリアム・バルタ(アメリカ、CCCチーム)で平均時速44km台、49分17秒でフィニッシュする。

新城幸也はステージ87位でまとめた Photo: Yuzuru SUNADA

 バルタの記録を塗り替えたのは、57番目に出走した現フランスチャンピオンのバンジャマン・トマ(フランス、グルパマ・エフデジ)。バルタを6秒上回る49分11秒でレースを終える。しかし、そのトマは暫定トップのホットシートをすぐに譲ることに。67番出走のレミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が47分32秒でゴールし、1分40秒近くタイムを更新した。

ベヴィンが好走でホットシートに

 そのタイムを僅かに上回ったのは、現ニュージーランドTTチャンピオンのパトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)だった。第2計測をトップ通過、そのまま47分30秒とカヴァニャをかわし暫定トップに立つ。ベヴィンのタイムはしばらく破られず。いよいよ総合上位のメンバーが出走する。

ニュージーランドTT王者のベヴィン、ステージ2位となる好走 Photo: Yuzuru SUNADA

 注目は総合9位のケルデルマン。だが、第1計測で19分21秒とタイムは伸びない。ステージ優勝はもちろん、総合ジャンプアップも難しい状況に。結局ケルデルマンは22位でゴールした。

 同じく、注目選手の一人、総合5位につけるポガチャルも出走。第1計測を18分34秒と暫定トップで通過し幸先のいいスタートを切るが、第2計測では33分55秒までダウン。最終的には11位という結果に終わった。

この日の主役たちが登場

 いよいよ20秒以内にひしめく総合トップ4も登場。まずは、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)がスタートする。TTスペシャリストとは言えないが、遅れを取らず上位に食い込む能力を持っている選手だ。

 そんなバルベルデの第1計測は18分51秒、第2計測は34分01秒、最終的には48分43秒のステージ13位でゴールした。続いて出走した総合3位のロペスはバルベルデにつぐ14位(49分05秒)でフィニッシュ。大きな遅れを取ることなくこのステージをまとめた。

ログリッチェが下馬評通りの走りを演じてステージと総合の一気取りに成功 Photo: Yuzuru SUNADA
ログリッチェは最後ロペスを抜き去ってゴール Photo: Yuzuru SUNADA

 そして圧巻の存在感を見せつけたのは、総合2位でこの日の優勝候補のログリッチェ。まず、第1計測を18分13秒と圧倒的な速さで通過する。続く、第2計測もペースを落とすことなく33分07秒と1位通過。最終的に、前方を走っていたロペスを追い越しゴール。47分05秒でステージ優勝を飾り、マイヨロホも獲得した。

 最終出走となったキンタナは、トップのログリッチェから3分06秒遅れの27位でゴール。苦手とするTTでやはり大きく遅れ、マイヨロホを手放す結果となった。キンタナは総合4位に後退し、同5位のポガチャルにも5秒差まで迫られた。

苦手のTTで後退したキンタナ Photo: Yuzuru SUNADA

 ログリッチェの圧倒的な強さが際立った第9ステージ。このままログリッチェはマイヨロホを守れるだろうか。一方、総合上位につけていながらタイムを失った選手は、今後の山岳ステージでタイムを取り戻せるだろうか。まだまだ続く熱き戦い、マイヨロホ争いから目が離せない。

表彰台でお馴染みのテレマークポーズを決めるログリッチェ Photo: Yuzuru SUNADA

第10ステージ結果
1 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 47分5秒
2 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム) +25秒
3 レミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) +27秒
4 ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト) +48秒
5 ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター チーム) +1分2秒
6 ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +1分14秒
7 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) +1分21秒
8 マルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム) +1分22秒
9 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) +1分27秒
10 ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト) +1分28秒
87 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +5分44秒

個人総合(マイヨロホ)
1 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 36時間5分29秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分52秒
3 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +2分11秒
4 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +3分0秒
5 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ) +3分5秒
6 カールフレドリク・ハーゲン(ノルウェー、ロット・スーダル) +4分59秒
7 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) +5分42秒
8 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソルシオンクレディ) +5分49秒
9 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) +6分7秒
10 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +6分25秒
143 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +1時間53分32秒

ポイント賞(プントス)
1 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 89 pts
2 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 70 pts
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 61 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 アンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴス・BH) 29 pts
2 ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) 21 pts
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 18 pts

新人賞(マイヨブランコ)
1 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 36時間7分40秒
2 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ) +54秒
3 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト) +7分56秒

チーム総合
1 モビスター チーム 107時間43分41秒
2 ユンボ・ヴィスマ +18分11秒
3 アスタナ プロチーム +22分2秒

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