ブエルタ・ア・エスパーニャ2019 第7ステージ最大勾配25%の激坂バトルを39歳のバルベルデが制す ロペスがマイヨロホを再々奪取

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
  • 一覧

 ブエルタ・ア・エスパーニャは8月30日、第7ステージが行われ、最大勾配25%に達する激坂バトルを制したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)がステージ優勝を飾った。個人総合は区間3位となったミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナプロチーム)が再々浮上。新城幸也(バーレーン・メリダ)は28分42秒遅れのステージ159位でフィニッシュした。

今大会随一の激坂フィニッシュは、アレハンドロ・バルベルデ(右)がプリモシュ・ログリッチェ(左)との競り合いを制して勝利した Photo : Yuzuru SUNADA

アタック合戦によりハイスピードな展開に

 山頂フィニッシュ3連戦のラストとなる第7ステージは、オンダからマス・デ・ラ・コスタに至る183.2kmで争われた。フィニッシュに至る1級山岳の上りは、登坂距離4.1km・平均勾配12.3%、最大勾配は25%にも達する超激坂だ。

スタート前、マイヨロホを着るディラン・トゥーンス(右)と共に写真にうつる新城幸也 Photo: Yuzuru SUNADA

 前日に落車して負傷していたダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)がリタイア、同じく前日に落車してステージ最下位でフィニッシュしていたティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーションファースト)はスタートは切ったものの、まもなくリタイア。EFは2日で主力選手を3人失い、大幅な戦略見直しを迫られている。

 レースはスタートして50分で平均時速49kmをマークするなど、逃げに乗るためのアタックが延々と繰り広げられた。60km地点を過ぎたあたりで、ようやく数人が先行開始。1時間以上にわたって行われたアタック合戦の末に、10人の逃げが成立した。

逃げ集団に乗ったフィリップ・ジルベール Photo: Yuzuru SUNADA

 逃げにはフィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)、セバスティアン・エナオ(コロンビア、チーム イネオス)、ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)、セルジオ・エナオ(コロンビア、UAE・チームエミレーツ)、トーマス・マルチンスキー(ポーランド、ロット・スーダル)ら登坂力のあるメンバーが名を連ねた。

 メイン集団からは4分前後のリードを築いて、後半の山岳区間へと突入。山岳ポイントでは、セルジオ・エナオが積極的にポイントを稼いだ。

2級山岳でマイヨロホが脱落

 2級山岳プエルト・デル・サルト・デル・カバリョ(登坂距離10.4km、平均勾配4.6%)に向けて、モビスターチームが中心にメイン集団をペースアップすると、逃げ集団との差が縮小した。

 上りが始まると、逃げ集団での動きが活発化。マルチンスキーのアタックを皮切りに、セルジオ・エナオとジルベールが抜け出した。少し遅れて、ブランビッラとセバスティアン・エナオも追いつき、4人が先頭に。2級山岳の山頂はセルジオ・エナオが先頭通過。この日だけで16ポイントを獲得したセルジオ・エナオは山岳ランキングで2位に浮上した。

モビスターのペースアップについていけずに脱落してしまったディラン・トゥーンス Photo: Yuzuru SUNADA

 メイン集団ではモビスターのペースアップにより、マイヨロホのディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ)が脱落。メイン集団のセレクションがかかるなか、逃げ集団とのタイム差は1分を切ってきた。

 先頭では下ったあとの上り返し区間を利用してジルベールがアタック。ブランビッラとセバスティアン・エナオを振り切って、セルジオ・エナオと共に逃げ切りを図る。

 メイン集団はモビスターに代わってアスタナがペースアップ。逃げとのタイム差を一気に縮めていき、最後の1級山岳に入る頃にはタイム差は30秒を切った。そして、激坂区間に入るとすぐに、先頭2人を吸収。集団も十数人まで減り、レースは最終局面を迎えた。

激坂スプリントをバルベルデが制す

 残り3km地点で、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)がアタック。この動きについていけたのは、世界チャンピオンのバルベルデ、総合3位で新人賞ジャージを着用するロペス、総合4位のプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)のみで、先頭は4人に絞り込まれた。

 キンタナは何度もペースアップを繰り返し、ロペスとログリッチェをふるい落とそうとしたものの、決定打には至らず。4人がひとつの集団のまま、フィニッシュまで残り1kmを切った。

 キンタナが先頭のまま、ロペス、ログリッチェは仕掛けのタイミングをうかがっていた。その最後尾にはバルベルデが待機。残り400mを切ると、4人が横並びにほどの競り合いを見せていた。

最終コーナーはバルベルデを先頭に、ロペス、キンタナ、ログリッチェと続いた Photo : Yuzuru SUNADA

 残り300m地点で、バルベルデが先頭に立つと、残り200mでサドルから腰を上げ、ペースアップ開始。残り100mから一気に加速すると、ついていけたのはログリッチェのみ。

 得意の形に持ち込んだバルベルデの勢いは衰えることなくフィニッシュラインに先着。今大会の出場選手のなかで最年長となる39歳のバルベルデが、大会通算12勝目となるステージ優勝を飾った。

 ログリッチェはトップとタイム差なしで2位に入り、ロペスとキンタナは6秒遅れでそれぞれ3位・4位でフィニッシュ。前日まで総合上位にいた選手たちが軒並み大きく遅れたため、ロペスが総合首位に再々浮上した。総合4位のキンタナまでが27秒差に収まる一方、総合5位のラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)とは1分58秒差ついており、総合勢の好不調、実力差がハッキリと現れる展開となっている。

今大会の最年長選手であるアレハンドロ・バルベルデがステージ優勝 Photo: Yuzuru SUNADA

 翌第8ステージは、バルスからイグアラダまでの166.9kmで争われる。カテゴリー山岳は終盤に2級山岳が1つのみ。しかし、スプリンターが生き残るにはやや厳しめに思える上りになっており、逃げ切りや小集団スプリントなどの展開が予想されている。

第7ステージ結果
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 4時間34分11秒
2 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) +0秒
3 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +6秒
4 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)
5 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) +42秒
6 ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ プロチーム) +48秒
7 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ) +51秒
8 ファビオ・アル(イタリア、UAE・チームエミレーツ)
9 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ) +1分7秒
10 オスカル・ロドリゲス(スペイン、エウスカディ・ムリアス) +1分20秒
159 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +28分42秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 28時間19分13秒
2 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) +6秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +16秒
4 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +27秒
5 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) +1分58秒
6 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ) +2分36秒
7 エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) +2分52秒
8 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ) +3分34秒
9 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +3分36秒
10 ファビオ・アル(イタリア、UAE・チームエミレーツ)
130 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +1時間7分32秒

ポイント賞(プントス)
1 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 50 pts
2 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 48 pts
3 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 45 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 アンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴス・BH) 29 pts
2 セルジオ・エナオ(コロンビア、UAE・チームエミレーツ) 17 pts
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 16 pts

新人賞(マイヨブランコ)
1 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 28時間19分13秒
2 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ) +2分36秒
3 オスカル・ロドリゲス(スペイン、エウスカディ・ムリアス) +4分55秒

チーム総合
1 モビスター チーム 84時間28分5秒
2 ユンボ・ヴィスマ +3分7秒
3 アスタナ プロチーム +15分11秒

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

UCIワールドツアー ブエルタ・ア・エスパーニャ2019 ロードレース

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

  • タイム
    アルプデュエズ01 ディスク

    ディスクブレーキで伝統の走りを進化

  • リブ
    AVAIL ADVANCED

    走る好奇心を止めない リブの新型‟無敵”ロードバイク

  • インプレッション一覧へ

    連載