ブエルタ・ア・エスパーニャ2019 第5ステージ山岳賞マドラソが今大会最初の山頂ゴールを逃げ切りで制する マイヨロホはロペスに移動

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 ブエルタ・ア・エスパーニャは8月28日、今大会最初の山頂フィニッシュとなる第5ステージが行われ、山岳賞ジャージを着るアンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴス・BH)が逃げ切りでこれを制して、グランツール初勝利を飾った。メイン集団ではミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム)が終盤単独での抜け出しに成功、総合首位に浮上した。日本の新城幸也(バーレーン・メリダ)は区間90位でフィニッシュした。

山岳賞ジャージを着るアンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴス・BH)が山頂ゴールを逃げ切ってステージ優勝 Photo: Yuzuru SUNADA

山頂フィニッシュ3連戦の初日

 前日までスプリンターステージが2日間続いたブエルタだが、いよいよクライマーの出番が訪れた。第5ステージからの3日間は、連日山頂フィニッシュとなり、まだ大会1週目ながら激しい攻防が予想される。

 第5ステージはレリアナからハバランブレ天文台に至る170.7kmで行われた。序盤に2級山岳、中間地点で3級山岳を越えると、最後に待ち受けるのはハバランブレ天文台への1級山岳の上り。距離11.1kmで平均勾配は7.8%だが、中盤以降はほぼ全区間で10%前後の急勾配が続き、山頂フィニッシュの第1弾にふさわしいパンチ力だ。そしてこのほかに山岳ポイントは付かないものの、小さな丘が断続的に現れて選手たちの脚を削る。

マドラソと共に逃げたエラダ(前)とボル Photo: Yuzuru SUNADA

 レースはスタート直後のアタック合戦で、ブルゴス・BHのマドラソと、チームメートのイェツェ・ボル(オランダ)が抜け出しに成功した。これにホセ・エラダ(スペイン、コフィディス ソルシオンクレディ)が加わり、プロコンチネンタルチーム勢3人の逃げとなった。

 山岳賞ジャージを着るマドラソの狙いは、逃げての山岳ポイント稼ぎ。最初の2級山岳、そして続く3級山岳でもトップ通過を果たして、山岳ポイントの積み重ねに成功した。

メイン集団は集団内の争いに集中

 一方のメイン集団は逃げを静観。マイヨロホのニコラス・ロッシュ(アイルランド)を擁するチーム サンウェブが集団をコントロールするが、逃げる3人の中で最も総合上位のエラダでもロッシュから13分差と遅れているため、積極的なタイム差維持は行われない。レース中盤までに逃げとメイン集団の差は10分に達した。

 レース後半に入ってもタイム差は縮まらず、メイン集団の先頭には一時UAE・チームエミレーツが上がって追走態勢を取るが、他のチームは協力しない。結局UAEも単独での追走を諦め、メイン集団はメイン集団内での勝負に集中する構えに。先頭3人の逃げ切りを実質容認する流れとなった。

バレンシア州からアラゴン州へと進んだプロトン Photo: Yuzuru SUNADA

 先頭の3人は約7分の差を持って最後の上りに突入。上り序盤ではマドラソとエラダが攻撃の構えをみせるが、途中の急勾配でマドラソが若干後退してしまう。エラダが先頭を走り、ボルがこれをピッタリとマーク。少し離れてマドラソが続くという展開になった。

 メイン集団では最後の上りに向けて、各チームが隊列を組んで位置取り争い。エースを引いて集団前方をうかがう新城の姿も見られた。集団はペースを上げながら道幅一杯に広がり、競り合いながらフィニッシュへの上りに突入した。

ブルゴス・BHがワン・ツー

メイン集団から単独先行に成功したロペス Photo: Yuzuru SUNADA

 メイン集団はハイペースを保ったまま、どんどんその人数を減らしていく。そしてラスト4kmを前に、世界チャンピオンのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)がアタックした。この動きにはロペス、プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ)、セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)が追随。一方で総合2位のナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)は若干遅れ、マイヨロホのロッシュはさらに後塵を拝する形となってしまう。

 先行する5人からは続いてロペスが切れ味鋭くアタックし、単独の抜け出しに成功。しばらく置いてバルベルデが追走のアタックを敢行し、ログリッチェのみがこれに反応した。メイン集団内の上位争いは、ロペス、バルベルデ、ログリッチェの3人に絞られた。

ロペスに続いたバルベルデ(前)とログリッチェ Photo: Yuzuru SUNADA

 先頭ではエラダ、ボルがやや先行し、マドラソが少し離れつつも追走する展開が続いていた。しかし残り1kmを切ってマドラソが先頭に再び合流に成功。間髪入れずにマドラソがアタックした。エラダが一度は反応して追い付くが、再びマドラソが強力にアタックをすると、ついにエラダを突き放すことに成功。そのままマドラソがゴールまで逃げ切ってステージ優勝した。2位もボルが取って、ブルゴス・BHがワン・ツーフィニッシュを飾った。

ラスト1kmから一気のアタックを仕掛けたマドラソ Photo: Yuzuru SUNADA

 後続はロペスが47秒差まで追い込んで4位フィニッシュ。その12秒後にログリッチェとバルベルデが入り、総合勢の争いの中でまずは先行に成功した。前日まで有力勢最上位だったキンタナは、ロペスから54秒を失ってのゴールで後退。またロッシュは1分30秒遅れで、3日間着用したマイヨロホを失った。山頂ゴール3連戦は、初日から総合勢が大きく動く結果となった。

粘ったがマイヨロホを手放したロッシュ Photo: Yuzuru SUNADA
上位戦線には踏みとどまったものの、若干後退したキンタナ(右)とチャベス Photo: Yuzuru SUNADA
ロペスが新人賞ジャージに続き、総合首位のマイヨロホにも袖を通した Photo: Yuzuru SUNADA
31歳のマドラソはグランツール初勝利、ワールドツアーでも初勝利だ Photo: Yuzuru SUNADA

 翌第6ステージはモラ・デ・ルビエロスから、アレス・デル・マエストラットへの198.9kmで行われる。カテゴリー山岳は3級が3つと2級が1つ。最後の山頂ゴールは3級山岳で、距離7.7km・平均勾配5.3%と比較的緩めだが、上りである以上は油断禁物だ。

第5ステージ結果
1 アンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴス・BH) 4時間58分31秒
2 イェツェ・ボル(オランダ、ブルゴス・BH) +10秒
3 ホセ・エラダ(スペイン、コフィディス ソルシオンクレディ) +22秒
4 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +47秒
5 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +59秒
6 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)
7 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ) +1分29秒
8 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +1分41秒
9 セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)
10 エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) +1分46秒
90 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +11分47秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 18時間55分21秒
2 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) +14秒
3 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +23秒
4 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +28秒
5 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、チーム サンウェブ) +57秒
6 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト) +59秒
7 エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) +1分17秒
8 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) +1分18秒
9 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ) +1分49秒
10 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +1分50秒
94 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +21分44秒

ポイント賞(プントス)
1 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 45 pts
2 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) 34 pts
3 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 33 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 アンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴス・BH) 33 pts
2 イェツェ・ボル(オランダ、ブルゴス・BH) 11 pts
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 6 pts

新人賞(マイヨブランコ)
1 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 18時間55分21秒
2 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ) +1分49秒
3 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト) +2分40秒

チーム総合
1 モビスター チーム 56時間19分51秒
2 ユンボ・ヴィスマ +39秒
3 EFエデュケーションファースト +3分47秒

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